第98回地域医療カンファレンス抄録(PDF

第 98 回 東京医療センター地域医療カンファレンス
開催場所: 国立病院機構東京医療センター 病棟会議室
開催日時: 平成 27 年1月 29 日(木) 19 時 30 分~
テ ー マ: 肝疾患と生活習慣病
担
当: 国立病院機構東京医療センター 消化器科 菊池真大
近年、C 型肝炎を代表とするウィルス性肝炎の治療法が急速に発展し、将来的にウィルスによる肝癌患者数の減
少が見込まれる中、非ウィルス性肝炎であるアルコール性肝障害(Alcoholic Liver Disease: ALD)や非アルコール
性脂肪性肝炎(non-Alcoholic steatohepatitis: NASH) を基盤とした肝癌の増加が懸念される。
生活スタイルの欧米化に伴い、国民の生活習慣病への関心が高まり、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、高血圧
などの複数のリスクを合併したメタボリックシンドロームが注目されている。非アルコール性脂肪性肝炎
(non-Alcoholic Fatty Liver Disease: NAFLD)は肝臓におけるメタボリックシンドロームの表現型であり、肝臓が代謝
の中心的臓器であることを考えると、NAFLD 病態の解明が、肝疾患治療にとどまらず、メタボリックシンドロームさら
には将来的な心血管病変の予防に寄与すると考えられている。
本講演では、人間ドックデータに基づく生活習慣病からみた肝疾患の変遷と、ALD と NAFLD の病態と治療、
最新のトピックスについてお話しさせて頂きたい。
<担当医略歴>
1999 年
慶應義塾大学医学部卒業
慶應義塾大学病院、大学関連病院で研修
2004 年
慶應義塾大学消化器内科助教
2006 年
永寿総合病院消化器内科医員
2009 年
米国ペンシルバニア大学消化器内科博士研究員
2011 年 12 月
慶應義塾大学消化器内科助教
2012 年 4 月
東海大学東京病院消化器肝臓センター助教
2014 年 4 月
東海大学東京病院消化器肝臓センター講師、消化器内科医長
2014 年 10 月
国立病院機構東京医療センター消化器科、東海大学医学部非常勤准教授
<所属学会および資格>
消化器病学会:専門医‣関東地方会評議員、肝臓病学会:専門医‣東部会評議員、総合健診学会:雑誌編集委員、
内視鏡学会:専門医、消化管学会:専門医、病態栄養学会、門脈圧亢進症学会、アルコール薬物医学会、
アルコール医学生物学研究会
*このカンファレンスは日本医師会生涯教育講座の認定単位2単位を取得できます。