視察研修報告(須崎工業高)[PDF:353KB]

平成26年度「高知県実践的防災教育推進事業」先進校等視察研修報告書
学校名 高知県立須崎工業高等学校
学校長氏名 竹村
謙
参加者
生 徒 8名
保護者 6名
教職員15名
合計29名
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視察研修概要
視察先:兵庫県立舞子高等学校
環境防災科
◆平成26年8月27日(水) 13:00~15:30
・ 「環境防災科の説明」
・ 「環境防災科の活動紹介」
・ 班別研修「クロスロード」ゲーム
・ 「施設・設備見学」
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視察内容
「環境防災科」の説明
阪神・淡路大震災の教訓を生かし、自然環境や社会環境との関わりを視点に据えた防
災教育を推進することによって、共生社会における人間としての在り方・生き方を考え
させ、大学やその他の研究機関、関係機関等との連携を密にし、実践的・体験的な学習
を通して、理解を深めるとともに、
「環境」
「防災」に関わる様々な課題の解消に向けて、
主体的・自発的に考え、行動できる力の育成、自然現象のメカニズムや災害と人間社会
の関わりの学習などを通して、自己を取り巻く様々な環境に対する理解を深め、災害に
対応する力を身につけるなど、地球規模で考え、地域で活動する人間の育成に取り組ん
でいる。また、卒業後は、市民のリーダーとして活躍する人材の育成を目指し、卒業生
の中には発展途上国支援や過疎地での防災支援にかかわる専門家になることを目指して
勉強している人もいる。卒業生の多くは自分の興味ある分野を学びながら、災害ボラン
ティアや防災行事に参加するなど、防災とのつながりを持ち続けている。
・特徴的な科目「災害と人間」を中心にした説明(教室での授業と体験学習)。
「伝える」「備える」「活かす」をキーワードに、
震災の教訓に学び、命の大切さ、助け合いの素晴
らしさなど「新しい防災教育」の実践をしている。(大震災に学ぶ、震災時の
生活支援を学ぶ、専門家による多数の講話、消
防学校体験入学、被災地ボランティア、地域イベ
ント祭りへの参加、小中学校への出前授業等たく
さんの講話や体験学習を取り入れている。
・宮城県、福島県等へのボランティア活動。
・日本各地や世界各国からの研修者の受け入れと交流。
・防災教育の教育効果として、自己の生き方・あり方に触れることができ、コミュニケ
ーション能力、プレゼン能力、判断力の向上へと繋がっている。
「環境防災科の活動紹介」
・被災地ボランティア、地域イベント祭りへの
参加、小中学校への出前授業等の活動内容を
1年生が紹介。
・福島県(原発被害地)訪問について3年生が
紹介。
班別研修「クロスロード」ゲームの実施
京都大学防災研究所の矢守教授の考案したカードゲームをグループで実施した。
自分以外の誰か、例えば消防士や自治体職員、被災者等になりきって震災時のジレンマ
を考えるゲームであり、YES、No で回答し、理由を述べる取り組みやすいゲームであった
が奥が深く考えさせられるものであった。
「クロスロード」ゲームは、すべての質問が現実的なものであり、回答にけっして正解
はないことが特徴である。マニュアルは大切であるが「想定外」があることを知る、その
時その場でその状況においてみんなで意見を出し合いながら最も適した対応を考えていく
ゲームである。例えば、
「あなたは自治体職員である。避難者が3000人、食糧が200
0人しかありません。あなたは配給しますか、しませんか。」というような内容の設問に
YES、No で回答し、回答に至った理由を述べるものであった。
「施設・設備見学」
屋上のソーラパネルと生徒の考案した非常用炊き釜ベンチを見学し、説明を受けた。
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視察を通して、自校に取り入れたい内容
◆その1 防災教育の全校的な取り組み
舞子高校では、ボランティア活動、外部講師による講演、体験学習等様々な活動を取り
入れ、学校だけでなく地域や専門家の力を借りて防災力・人間力を身につける取り組みを
されている。本校においては、地域との活動を通して、地域と信頼・安心で結ばれる関係
を築き、自分たちの問題として地域防災活動や災害時要配慮者支援活動の意義と実践を
日々の教育活動の中で継続的に取り組み、地域や行政と連携した防災活動の推進や緊急避
難場所における役割の認識と要配慮者支援のできる実践力の育成、生徒自ら判断し行動で
きる生きる力の育成、防災リーダーとなりうる資質の育成を目指した防災教育の全校的な
取り組みを進めていく。
◆その2 「クロスロード」ゲームを教職員研修や LH 活動に生かす
「クロスロード」ゲームを通して、個々の考えた想定と想定外、いろいろな立場の違い
について考えを深めることができた。教職員研修や LH 等で「クロスロード」ゲームを活用
した活動に繋げ、数多くの場面のシミュレーションと他人の考えに耳を傾ける姿勢を身に
つけ、知識と行動力を育む教育に取り組んでいく。
「高知県安全教育プログラム」の高等学校の展開例にも「クロスロード」ゲームを取り
入れた授業づくりが紹介されており、研修実施に向け活用する。
◆その3 ものづくりと地域学習会の実施による地域貢献
工業高校ならではの防災に関する「ものづくり」における防災学習の深化と地域貢献、
身の回りにあるものを活用し、既製品に頼らない防災活動を工夫できる力を身につける。
学習教材の自作に努め、地域の保育園や幼・小・中学校における防災学習会の推進を図
る。
4
その他
本校が、今回視察させていただいた、兵庫県立舞子高等学校環境防災科について(環境
防災科の教育理念、教育課程、活動報告(ボランティア活動)等)は、以下のホームペー
ジに詳しく掲載されており、防災学習の参考になる。
兵庫県立舞子高等学校 URL
http://www.hyogo-c.ed.jp/~maiko-hs/