児島学構内遺跡 郡元団地 時代別解説3 古墳時代

⿅児島⼤学構内遺跡
郡元団地
時代別解説3
古墳時代
古墳時代の遺構としては、3 つのエリアに分かれた住居跡群、ピット群、溝、河川跡などがあります。
住居跡は、郡元キャンパスで約 250 基⾒つかっています。郡元キャンパス構内図の住居跡群 A は
前期〜後期の、BC は後期のものです。住居は、一辺が約 4m の方形で平面形をした竪穴住居 が
基本的なスタイルです。床面の中央部には炉があり、柱穴は床面で確認できるものと、竪穴外にある
ものなど多様です。下の写真のように、幾重にも重なり合って⾒つかることが多く、何度も建て替え
られたと考えられます。
住居跡群とは離れた微⾼地上にピット群が確認できる地区もありますが、配列から掘建柱建物跡の
ような建物として認定できるものは1基のみで、規則正しい配列はあまり認められません。
古墳時代の建物跡としては、圧倒的に竪穴遺構が多いといえます。これは、南九州の特徴でもあります。
これらの住居に住んでいた人々が使用していた道具が多く出土します。もっとも多いのは土器で、
「成川式土器」としてよく知られているもので、南九州独特の形や作り方をしています。土器のほか、
⽯庖丁や、紡錘⾞、砥⽯、台⽯、鉄斧、⽟類(つなげてアクセサリーにしたもの)など豊富な遺物が
出土しています。
住居跡群の一部。(調査85-1)
溝の中に捨てられた土器群。
上の⼟器群を断⾯で⾒たもの。写真左側から右へ傾斜しており、左側から廃棄された状況がわかる。
溝左側は、住居跡密集地。
住居跡から出⼟した紡錘⾞。⽯製で、表⾯には、×⽂様が線刻されている。
住居跡出土の鋤先