こちら - 山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館

特別テーマ展
「災害と祈り」
展
開催期間:平成 27 年
6月6日 ㊏ ∼ 8月5日 ㊌
915 年の十和田噴火から 1100 年目にあたる年にちなみ、
遺跡から見える災害の痕跡と、祈りの世界を紹介します。
展示遺跡:下大曾根・川前2・梅野木前1・浮橋・下長橋・米沢城跡・その他
主催:山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館
共催:(公財)山形県埋蔵文化財センター
梅野木前 1 遺跡:水田内足跡
下長橋遺跡:地鎮の遺物
山形県立
うきたむ風土記の丘考古資料館
〒992‐0302 東置賜郡高畠町大字安久津 2117
電話 0238‐52‐2585 FAX 0238‐52‐4665
URL http://ukitamu.pupu.jp
mail [email protected]
R113 号沿い/ JR 高畠駅より車で 15 分
開館時間:午前9時から午後5時(入館は4時 30 分まで)
入館料:一般 200 円 大学生 100 円 高校生以下無料
(団体割引、その他減免有)
お問い合わせは考古資料館まで
浮橋遺跡:地震により横滑りした柱根
特別テーマ展「災害と祈り」
6 月 6 日から 8 月 5 日まで公益財団法人山形県埋蔵文化財センターとの共催で開催
しています。
「火山噴火」
「洪水」
「地震」
「火災」
「津波」の5つのコーナーで構成さ
れ、合わせて、13 遺跡の出土品を展示しています。
火山噴火
山形県内の歴史時代に降下した火山灰が検出された遺跡をリストアップし、その
中から鮭川村下大曽根遺跡、山形市藤治屋敷遺跡、鶴岡市行司免遺跡の3遺跡の出土
品を展示しています。十和田a火山灰の降下で山形県域でも少なからぬ被害を受け
たのでしょうが、現在、この火山灰は、土器の年代を決める重要な手がかりとなって
います。
火山灰の検出された遺跡
下大曽根遺跡の十和田a火山灰の上と下の土器
洪
水
洪水によって被災した遺跡のうち、古墳時代前期の山形市梅野木前遺跡、古墳時代
前期や9世紀後半の洪水が確認された南陽市庚壇遺跡、古墳時代、7世紀~9世紀の
集落の川前遺跡の出土品を展示しています。
洪水で被災した遺跡の出土品
梅野木前1遺跡の古墳時代前期の水田に残された足跡
地
震
庄内地方を中心として、県内の遺跡からは地震の痕跡である墳砂の跡が検出され
ていますが、地震の起きた時代を特定することができない場合が多くなっています。
その中で、地震で変形された平安時代の遺構が見つかっています。遊佐町浮橋遺跡と
下長橋遺跡です。下長橋遺跡からは地震後の建物再建に当たっての地鎮が行われた
とみられる遺構も見つかっています。また、寒河江市三条遺跡では9世紀から 13 世
紀の間に起こったと考えられる液状化現象の跡が確認されています。このコーナー
では 3 遺跡の出土品を展示しています。
地震で被災した遺跡の出土品
火
災
火災はいつの時代も財産を失う恐ろしい災難でした。また、疫病の流行を断
ち切るため、自ら火を放ったこともあったようです。遺跡からは火災にあって
燃え落ちた住居 や、焼けて使用できなくなった道具類を捨てた穴も見つかって
います。米沢市の米沢城跡、古墳時代の米沢市鎌倉上遺跡、天童市高擶南遺跡
の出土品を展示して います。
火災で被災した遺跡の出土品
津
波
2011 年 3 月 11 日の東日本大震災を契機として制定された「津波防災地域づくり
法」に基づいて 2012 年 11 月の酒田市飛島の調査で、津波堆積層と土器が発見され
ました。2013 年 3 月と 5 月の 2 度にわたり、東北歴史博物館の相原淳一氏らによっ
て 現地調査が行われ、飛島の西海岸に大規模な製塩遺跡が確認され、これらの遺跡
は平安時代の2回の津波で再興できないほどの打撃を受けたものと考えられていま
す。2014 年に相原氏から当館にその採集遺物が寄贈され、調査に同行した阿部明彦
氏から調査時の写真の提供を受け、これらの資料を展示した「津波」コーナーを設け
ました。県内で古代の津波痕跡が初めて確認されたことになります。