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寺田寅彦
Torahiko Terada
てらだとらひこ/ 明 治 十一年∼昭 和 十 年 。X線 回 折 実 験の業 績や金 平 糖の角の研 究で
●略歴/明治三十二年、
東京帝国大学理科大学に入学。田中館愛橘、
長岡半太郎などに
知られる物理学者。夏目漱石と親交があり随筆家としても活躍した。
教えを受ける。明治三十六年、
実験物理学科︵首席︶卒業、
大学院に進学し、
明治三十七
年、
東京帝国大学理科大学講師。明治四十一年、﹁尺八の音響学的研究﹂によって理学博士
号取得。明治四十二年、
東京帝国大学理科大学助教授。大正五年、
東京帝国大学教授に
Terada Torahiko
寺田
就任
︵物理学︶
。大正六年、
第七回帝国学士院恩賜賞受賞。昭和三年、
帝国学士院会員。
﹁科学者になるには
﹃あたま ﹄
がよくなくてはいけない﹂
これは普通世人の口にする一つの命題である。
これはある意味ではほんとうだと思われる。
しかし、
一方でまた
﹁科学者はあたまが悪くなくてはいけない﹂
寅彦
科学者とあたま
︵昭和八年十月、
鉄塔︶
という命題も、
ある意味ではやはりほんとうである。
そうしてこの後のほうの命題は、
それを指摘し解説する人が比較的に少数である。