演習4 I. 次の冪級数の収束半径を求めよ。 (i) ∑ ( n ) zn (ii) ∑ n3zn (iii

演習4
I. 次の冪級数の収束半径を求めよ。
(i)
∞
∑
n=0
( )
1
2
n
zn
(ii)
∞
∑
n3 z n
(iii)
n=1
∞
∑
n!z n
(iv)
n=1
∞
∑
[3 + (−1)n ]n z n
n=0
∑
n
II. ∞
n=0 an z の収束半径が 0 < R < ∞ であるとするとき、次の冪級数
の収束半径を求めよ。
(i)
∞
∑
2
n an z
n
(ii)
n=0
∞
∑
an
n=0
n!
z
n
(iii)
∞
∑
a2n z n
n=0
III. (i) 複素関数 ez が全ての z ∈ C において複素微分可能であることを、
Cauchy-Riemann 条件を確認することによってしめせ。
(ii) 複素関数 z 2 が全ての z ∈ C において複素微分可能であることを、
Cauchy-Riemann 条件を確認することによってしめせ。
IV. (i) C 2 級関数 u(x, y), v(x, y) が Cauchy-Riemann 方程式を満たすとき、
∆u = ∆v = 0,
∂2
∂2
+
は 2 次元ユークリッド平面のラプラス微分作用素、
∂x2 ∂y 2
であることを示せ(つまり u, v は調和関数)。
ただし ∆ =
(ii) u(x, y) = ex (x cos y − y sin y) は調和関数であることを示せ。さらにさ
らにそのとき u(x, y) を実部にもつ正則関数 u(x, y) + iv(x, y) をつくれ。
—————————————————————————-
I.
∑∞
n=0
an (z − z0 )n の収束半径は
1
R = 1/ lim |an | n あるいは R = lim
n→∞
n→∞
1
|an |
|an+1 |
1
として求まるのであった。ここで lim |an | n はより具体的には次のよう
n→∞
1
にして求める; まず N > 0 に対して bN := supn≥N |an | n とすると
bN = ∞ あるいは
0 ≤ bN < ∞ でかつ bN ≥ bN +1 ≥ bN +2 ≥ · · · ≥ 0
であることがわかる(最後の不等式は N 以上の範囲からとった最大値は
N + 1 以上の範囲からとった最大値より大きいことから従う)。前半の場
1
合は lim |an | n = lim bN = ∞,よって R = 0. 後半の場合は下に有界
N →∞
n→∞
な単調減少列 bN ≥ bN +1 ≥ · · · ≥ 0 の極限として
1
1
lim |an | n = lim bN = lim sup |an | n (≥ 0)
n→∞
N →∞
N →∞ n≥N
が求まる。
I. (i) 1 (ii) 1 (iii) 0 (iv)
1
4
II. (i) R (ii) ∞ (iii) R2
III. 定義を思い出すと、ez = ex+iy = ex (cos y + i sin y) であったから、ez
の実部、虚部の関数はそれぞれ
u(x, y) = ex cos y,
v(x, y) = ex sin y
である。これが Cauchy-Riemann 方程式系を満たすことを直接チェックす
ればよい。z 2 = (x + iy)2 = x2 − y 2 + 2ixy も同様。
2