情報論理学 第10回講義 復習問題

2014 年 7 月 1 日
情報論理学 第 10 回講義 復習問題
問題 1 以下の論理的同値性を 同値変形を 用いて 示せ. (変形に 用いた 規則の名前
も 示すこ と . )
(1) ¬∀x (P(x) → Q(x)) ∼
= ∃x (P(x) ∧ ¬Q(x))
(2) ∀x (P(x) → Q) ∼
= ∃x P(x) → Q
(3) ∃x (P(x) → Q(x)) ∼
= ∀x P(x) → ∃x Q(x)
問題 2 以下の論理的同値性を 同値変形を 用いて 示せ. (変形に 用いた 規則の名前
も 示すこ と . )
(1) ∀x P(x) → ∃x Q(x) ∼
= ∃x ∀y (P(x) → Q(y))
(2) ¬∀x P(x, y) ∧ ∀y P(x, y) ∼
= ∃u ∀v (¬P(u, y) ∧ P(x, v))
問題 3
次の証明図に 現われる ∀I の推論規則の適用に ついて , 正し いか否か答え よ . ま た,
正し く な い場合に は, そ の理由を 次の形で述べよ .「 除去さ れて いな い仮定... に
変数... が自由に 出現する た め」 .
(1)
(2)
[P(x)]1 [Q(y)]
∧I
P(x) ∧ Q(y)
→I1
P(x) → P(x) ∧ Q(y)
∀I
∀y (P(x) → P(x) ∧ Q(y))
[P(x)]1 [Q(y)]
∧I
P(x) ∧ Q(y)
∀I
∀x (P(x) ∧ Q(y))
→I1
P(x) → ∀x (P(x) ∧ Q(y))
問題 4 以下の述語論理式の証明図を 書け.
(1) ∀x ((P → Q(x)) ∧ P → Q(x))
(2) ∀x P(x) → P(a) ∧ P(b)
(3) ∀x (P → Q(x)) → P → ∀y Q(y)
(4) ∀x (P(x) → Q(x)) ∧ ∀y P(y) → ∀z Q(z)
問題 5 以下の述語論理式の証明図を 書け.
(1) ∀x ∀y P(x, y) → ∀z P(z, z)
(2) ∀x P(x) → ∀x ∀y (P(x) ∧ P(y))
(3) ∀x P(x) → ∀x∀y P(f(x, y))
(4) ∀x (P(x) → ∃y Q(x, y)) → P(a) → ∃y Q(a, y)
問題 6 以下の証明図に ついて , 正し く な い推論を 指摘する と と も に 正し い証明図
に 直せ. た だし , 証明図の結論を 変え て はいけ な い.
1
(1)
(2)
[∀x ∀y P(x, y)]1
∀E
∀y P(x, y)
∀E
P(y, z)
∀I
∀z P(y, z)
∀I
∀y ∀z P(y, z)
→I1
∀x ∀y P(x, y) → ∀y ∀z P(y, z)
[∀x ∀y P(x, y)]1
∀E
∀y P(y, y)
∀E
P(y, y)
∀I
∀y P(y, y)
→I1
∀x ∀y P(x, y) → ∀y P(y, y)
2
情報論理学 第 10 回講義 復習問題解答
問題 1
(1)
¬∀x (P(x) → Q(x)) ∼
= ∃x ¬(P(x) → Q(x))
∼
= ∃x ¬(¬P(x) ∨ Q(x))
∼
= ∃x (¬¬P(x) ∧ ¬Q(x))
∼
= ∃x (P(x) ∧ ¬Q(x))
(ド ・ モルガン の法則)
(含意の法則)
(ド ・ モルガン の法則)
(二重否定)
(2)
∀x (P(x) → Q) ∼
= ∀x (¬P(x) ∨ Q)
∼
= ∀x ¬P(x) ∨ Q
∼
= ¬∃x P(x) ∨ Q
∼
= ∃x P(x) → Q
(含意の法則)
(束縛の移動)
(ド ・ モルガン の法則)
(含意の法則)
(3)
∃x (P(x) → Q(x)) ∼
= ∃x (¬P(x) ∨ Q(x))
∼
= ∃x ¬P(x) ∨ ∃x Q(x)
∼
= ¬∀x P(x) ∨ ∃x Q(x)
∼
= ∀x P(x) → ∃x Q(x)
(含意の法則)
(束縛の分配)
(ド ・ モルガン の法則)
(含意の法則)
問題 2
(1)
∀x P(x) → ∃x Q(x) ∼
= ¬∀x P(x) ∨ ∃x Q(x)
∼
= ∃x ¬P(x) ∨ ∃x Q(x)
∼
= ∃x ¬P(x) ∨ ∃y Q(y)
∼
= ∃x ¬P(x) ∨ ∃x ∃y Q(y)
∼
= ∃x (¬P(x) ∨ ∃y Q(y))
∼
= ∃x (∃y ¬P(x) ∨ ∃y Q(y))
∼
= ∃x ∃y (¬P(x) ∨ Q(y))
∼
= ∃x ∃y (P(x) → Q(y))
(含意の法則)
(ド ・ モルガン の法則)
(束縛変数の名前替え )
(束縛の導入・ 消去)
(束縛の分配)
(束縛の導入・ 消去)
(束縛の分配)
(含意の法則)
(2)
¬∀x P(x, y) ∧ ∀y P(x, y) ∼
= ∃x ¬P(x, y) ∧ ∀y P(x, y)
∼
= ∃u ¬P(u, y) ∧ ∀y P(x, y)
∼
= ∃u ¬P(u, y) ∧ ∀v P(x, v)
∼
= ∃u (¬P(u, y) ∧ ∀v P(x, v))
∼
= ∃u (∀v ¬P(u, y) ∧ ∀v P(x, v))
∼
= ∃u ∀v (¬P(u, y) ∧ P(x, v))
3
(ド ・ モルガン の法則)
(束縛変数の名前替え )
(束縛変数の名前替え )
(束縛の移動)
(束縛の導入・ 消去)
(束縛の分配)
問題 3
(1) 正し く な い. 除去さ れて いな い仮定 [Q(y)] に 変数 y が自由に 出現する た め.
(2) 正し く な い. 除去さ れて いな い仮定 [P(x)] に 変数 x が自由に 出現する ため. (仮
定 [P(x)] は最終的に は除去さ れて いる が, ∀I を 適用する 時点では除去さ れて いな
いこ と に 注意. )
問題 4
(1)
[(P → Q(x)) ∧ P]1
[(P → Q(x)) ∧ P]1
∧E
∧E
P → Q(x)
P
→E
Q(x)
→I1
(P → Q(x)) ∧ P → Q(x)
∀I
∀x ((P → Q(x)) ∧ P → Q(x))
(2)
[∀x P(x)]1
[∀x P(x)]1
∀E
∀E
P(a)
P(b)
∧I
P(a) ∧ P(b)
→I1
∀x P(x) → P(a) ∧ P(b)
(3)
[∀x (P → Q(x))]2
∀E
P → Q(y)
[P]1
→E
Q(y)
∀I
∀y Q(y)
→I1
P → ∀y Q(y)
→I2
∀x (P → Q(x)) → P → ∀y Q(y)
(4)
[∀x (P(x) → Q(x)) ∧ ∀y P(y)]1
[∀x (P(x) → Q(x)) ∧ ∀y P(y)]1
∧E
∧E
∀x (P(x) → Q(x))
∀y P(y)
∀E
∀E
P(z) → Q(z)
P(z)
→E
Q(z)
∀I
∀z Q(z)
→I1
∀x (P(x) → Q(x)) ∧ ∀y P(y) → ∀z Q(z)
問題 5
(1)
[∀x ∀y P(x, y)]1
∀E
∀y P(z, y)
∀E
P(z, z)
∀I
∀z P(z, z)
→I1
∀x ∀y P(x, y) → ∀z P(z, z)
4
(2)
[∀x P(x)]1
[∀x P(x)]1
∀E
∀E
P(x)
P(y)
∧I
P(x) ∧ P(y)
∀I
∀y (P(x) ∧ P(y))
∀I
∀x ∀y (P(x) ∧ P(y))
→I1
∀x P(x) → ∀x ∀y (P(x) ∧ P(y))
(3)
[∀x P(x)]1
∀E
P(f(x, y))
∀I
∀y P(f(x, y))
∀I
∀x∀y P(f(x, y))
→I1
∀x P(x) → ∀x∀y P(f(x, y))
(4)
[∀x (P(x) → ∃y Q(x, y))]2
∀E
P(a) → ∃y Q(a, y)
[P(a)]1
→E
∃y Q(a, y)
1
→I
P(a) → ∃y Q(a, y)
→I2
∀x (P(x) → ∃y Q(x, y)) → P(a) → ∃y Q(a, y)
問題 6
(1) 正し く な いのは 1 番上の ∀E の推論. 正し い証明図は,
[∀x ∀y P(x, y)]1
∀E
∀w P(y, w)
∀E
P(y, y)
∀I
∀y P(y, y)
→I1
∀x ∀y P(x, y) → ∀y P(y, y)
変数 w は (y 以外の ) 他の変数でも よ い.
(2) 正し く な いのは上から 2 番目 ∀E の推論. 正し い証明図は,
[∀x ∀y P(x, y)]1
∀E
∀w P(y, w)
∀E
P(y, z)
∀I
∀z P(y, z)
∀I
∀y ∀z P(y, z)
→I1
∀x ∀y P(x, y) → ∀y ∀z P(y, z)
変数 w は (y 以外の ) 他の変数でも よ い.
5