08bc134k 畑 優花 ストレステストとは 金融機関が保有する資産の内容を点検する 「資産査定」のこと。 金融市場での不測の悲劇シナリオが生じた場合に備え て、 損失の程度や損失の回避策をあらかじめシミュレー ション しておくリスク管理手法をいう。 火災や地震に備える災害訓練のようなもの 今回の悲劇シナリオ 2009年から2010年に 経済成長率 ▲3.3% 失業率 8.9% 住宅価格 ▲22.0% など悪化度合いがさらにひどくなった時、金融機関は自己 資本 比率を維持できるだけの資本を持っているかをシュミレー ション し、そのために必要な増資額を計算した。 実施にあたっては、09年2月以降、150人を超える検査官が しかし! 失業率は9・4%に上 昇! (悲劇シナリオ 8. 9%) 政府のシナリオ以上に経済が 悪化した場合、2010年までに さらに 計6000億ドルの損失を抱える 可能性があるという。 損失の70%は住宅ローンや消費者ローンが占め るとみられている。 実質成長率 ▲6.1% (悲劇シナリオ ▲3. 3%) 住宅価格 ▲19. 1% (悲劇シナリオ 2 2.0%) 今回のストレステストの目的 ①投資や消費を冷え込ませる恐れのある貸し渋りや貸し 剥がしを抑制するため、銀行の体力を見極めて必要な 資本を注入すること。 ②今後景気がさらに悪化した状況においても融資の継 続が可能となるような、十分な資本を確保すること ③銀行システムの安全性を個人やマーケットが判断する 際に必要となる透明度を保証すること 大きすぎて潰せない(too Big to Fail) 大手金融機関の中に、本当は 当は債務超過に陥っているところがあるのではないかという疑念 疑念の解消 現状 5月7日 を発表 FRBはストレステストの結果 公表内容は、今後景気が悪化した場合、査 定 対象の大手金融機関19社の内10社が2010年 末には資本不足に陥る可能性が高いという ものだった。 不足額は746億ドルに達すると試算。 この増資額は、民間か自力 増資か公的資本注入のいず れかを使って、 1か月以内(6月8日まで)に 資本増資計画を提出し、 6か月以内(11月9日まで)の 実施を求められる。 6月8日 提出 金融機関10社 資本増強計画を バンク・オブ・アメリカ:普通株の新規発行と優先株からの転換を組み合わせ て170億ドルの普通株を増強 リスク資産を売却して資本の余裕を100億ドル増やす ほとんどの金融機関は自社で資本増強が可能 モルガン・スタンレー :普通株の公募増資で22億ドルを調達 ウェルズ・ファーゴ :60億ドルの普通株発行 シティグループ :普通株を55億ドル増やす 破たんした米自動車最大手ゼネラルモーターズの金融 子会社GMACのみ75億ドルの資本注入が決定! さらに! 6月9日 資本増強計画が出そろったのを受け 一部金融機関に公的資金の前倒し返済を認め る (ゴールドマン・サックス、JPモルガンチェース、モルガン・ スタンレー) 資本余力の充足基準 ①6-4基準(普通株や優先株などの「中核的自己資本 (Tier1)」を保有資産の6%に、そのうち普通株だけで4% 超になる) ②株式発行や政府保証のない社債の発行で資金を調達 できること ③融資を行うこと、 しかし! ④十分な資本を維持すること これはまだ分からないのでは? ⑤資金調達ニーズを満たせること 6月17日 JPモルガン・チェースとモルガン・スタン レー が政府に公的資金返済完了 さら に 6月21日 ゴールドマンサックスも政府に公的資金返済完了 ストレステストの影響 ダウ平均株価 ストレステスト実施決定頃(2月 頃)から上がっている ストレステストの影響 金レート 原油レート 普通は株安金高だが、 「株だけでは心配だから、安全資産も」 という考え方から、株高金高が進んだ どちらも5月から上がってい る。 →ストレステスト結果発表によ る市場混乱を回避するため 論点 再ストレステストの実施
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