No387 家庭、地域社会、学校を結ぶ情報通信 校 長 室 よ り 校 長 小 波 津 繁 雄 1.学校最大の行事「運動会」近づく! 子どもたちがとても楽しみにしている今年度(2008年度)の運動会は、5月31日(土) の午前8時30分より開催いたします。運動会に先駆け、去る5月9日の5校時には、全校児童 生徒が体育館に一斉に集まり運動会結団式を盛大に行いました。結団式では、赤組と白組の団 長が発表された後、互いに応援合戦を繰り広げ運動会の歌を大きな声で大合唱し成功を誓い合い ました。 学校では、本番を一週間後に控えどの子どもたちの表情も一段と真剣になり、運動会への意気 込みが感じられます。そして、限られた練習時間を有効に使い、暑さにも負けず各学年の演技練 習や競技練習、応援練習を汗だくになりながら頑張っています。また、是非自分たちの手で運動 会を盛り上げようと、学校の玄関に「飛翔∼勝利の大空へ舞い上がれ!!∼」の全体スローガン を高々と掲げました。 当日は、どの学年も見応えのある発表ができると信じております。どうか、ご家族揃ってご來 場いただき、子どもたちに熱い声援を送っていただきますようお願いいたします。また、今年度 は、保護者やご家族の皆様に子どもたちの活躍振りを正面からご覧いただきたく、保護者応援席 を正面本部席側に設ける予定をしておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 なお、雨天の際の動向につきましては、誠に申し訳ありませんが、一部変更になりましたので、 本日各学年から発行予定の学年便りでご確認ください。 2.「運動会」に向けた環境整備ボランティア清掃 本校では、保護者の皆様にボランティアを募り、来る5月29日(木)の午後 1 時30分から 約2時間程度、運動会に備えたボランティア清掃を行う計画をしております。内容は、運動場の 小石拾いや、当日使用する体育館やプール側のトイレ清掃などとなっております。暑さ厳しいこ の頃ではございますが、皆様方のご理解をいただき多くの方にご参加いただきますようよろしく お願いいたします。 3.忠孝国民小学校と交流学習 本校小学部2年生33名(担任:内田宏平先生)は、5月16日(金)の2校時に、台中市忠孝 國民小学校一年生32名と交流学習を行ないました。本校の2年生は、中国語と日本語を使い分 け見事な歓迎あいさつができました。また、交流では、本校の2年生のリードにより、両校の子 どもたちが終始和やかに活動し、折鶴作りや風船を使ったゲームなどを通して楽しく交流しまし た。 窓 ◆ 生徒総会(4月29日) 中学部生徒総会を行いました。生徒会執行部、各委員会から活動目標や活動計画などの提案があ りました。その後、多くの生徒が質問をしたり、意見を述べたりしました。活発な質疑応答の後、 全ての提案が承認されました。台中校をさらにより良くしていってくれることと期待しています。 ◆ こいのぼり集会(4月30日) 小学部で、こいのぼり集会を行いました。はじめに、集会の企画・運営を担当した体育委員会の子ど もたちから、こどもの日の説明や折り紙の紹介がありました。次に、 「こいのぼり」を作成する手順の説 明を聞いた後、8つの班(縦割り班)に分かれ、みんなで「こいのぼり」を作りました。最後に、みんな で元気よく歌を歌いながら、こいのぼりを掲揚しました。出来上がったこいのぼりは、歌に合わせ、気持 ちよさそうに大空を泳いでいました。 ◆ 児童総会(5月7日) 小学部児童総会を行いました。はじめに、校長先生から、 「全校のみんなのことを考えて活動して ほしい。 」 「小さな意見も大切にしてほしい。」というお話がありました。続いて、児童会事務局と各 委員会からメンバーの紹介と今年度の目標や計画が提案され、質疑応答の後、拍手によって承認さ れました。この会で提案された内容や計画を確実に実行に移し、活気ある児童会活動を1年間展開 していってほしいと思います。 ◆ 運動会結団式(5月9日) 体育館で運動会の結団式を行いました。既に各組のメンバーは決まっていましたが、赤・白は、抽選で決め られました。各組の団長がくじを引き、赤・白が決まると、児童生徒からは、歓声やどよめきが起こってい ました。 ◆ 外清掃(5月21日) 全校外清掃を行いました。運動会間近ということで、今回は運動場の小石拾いを行いました。暑 い中でしたが、皆黙々と熱心に作業することができました。自分たちの手できれいにした運動場で 最高の運動会を作り上げることができそうです。 ◆ 運動会練習 強い日差しと暑さが続いていますが、子どもたちは元気いっぱい運動会の練習やその他の学習に しっかりと取り組んでいます。運動会本番まであと1週間。運動会スローガン「飛翔 ∼勝利の大空 へ舞い上がれ!!∼」にふさわしい運動会にするために、また、さらにたくましい心・頭・体に成 長するために、子どもたちの今後の「がんばり」に期待したいと思います。 リレーエッセー 「ボリビアの思い出」 小波津繁雄 はじめに 私は、1993年より約3年間、沖縄県から南米ボリビアのオキナワ移住地教育施設に派遣されま した。その事は、私の人生の中でも尊い経験となり、自分の心の中に今でも色あせることなくしっか り生き続けています。では、思い出の中からいくつか紹介します。 1 地球の反対側にもうひとつの「オキナワ」 約半世紀以前、すでにボリビアに住む沖縄出身の移住者は、第2次大戦によって廃墟化した沖縄を 救護する目的でボリビアへの移住を広く呼びかけました。それがきっかけとなり、当時の琉球政府の 計画移住は、1954年の第 1 陣から11年後の第19陣まで続き約 3385 名にのぼりました。 当初は見知らぬ南米大陸に大きな夢を抱き、広大な土地と豊かな生活を求め移住したものの、待ち 受けていたのは厳しい現実でした。現在のように正しい情報が伝わらない時代のことではありました が、ボリビア政府から与えられた土地は太陽も見えないほどの荒れたジャングル同様の土地でした。 それから血のにじむような開拓が始まり、今では大型機械による大豆栽培を中心にした大規模農業が 定着するまでになっています。ボリビア政府も「コロニア・オキナワ」を模範的な農村として讃え、 1998年に正式な行政区として認めました。 2 オキナワ第一日本ボリビア学校(オキナワ第一日ボ校) ボリビアのオキナワ移住地(コロニア・オキナワ)には、私立オキナワ第一日ボ学校と公立ヌエバ・ エスペランサ学校の2つの日系人学校がありました。私が勤めたオキナワ第一日ボ学校は、当時の児 童生徒は98人で、日本語とスペイン語を自在に使い分け、午前はスペイン語による授業、午後は日 本語による授業を受けていました。教師は、沖縄県派遣教師、国際開発事業団より海外青年協力隊、 シニア専門家、ボリビア人現地採用教師、そして、スペイン語と日本語が話せる日系2世や3世の方々 でした。私は、主に午後の部の日本語、音楽、体育、放課後のバンダ(吹奏楽)を指導しました。 3 ボリビアの大自然 私たち家族(妻、高2長男、中2長女)は、移住地を拠点として生活しましたが、毎日新しい発見 や感動の日々でした。ボリビアに来て間もない頃ですが、朝起きて敷地内の隅で鶏の卵を数個発見し、 早速自然のあやかりかと思い朝食にしてしまいました。ところが、どうやら卵はお隣の鶏のものだと いうことが分かり、その日は隣のセニョーラ(奥さん)と目を合わさないことにしました。 また、敷地内に大きい牛ガエルや散歩中の豚や馬、牛などの珍客があり、その度にみんなで大騒ぎ をしました。さらに、大雨の後、近くの池から這い出てきたワニが舞い込み、さすがに仰天しました。 ある日、私のアミーゴ(友人)に誘われ、長男を連れ、ドラム缶を切断し合成し作った小さな船で、 近くのピライ川に深夜の川下り探検に出かけました。真っ暗な水辺に懐中電灯を当てると、オレンジ 色のワニの目が無数にこちらをにらみつけていて、生きている心地がしませんでした。 その他にも、ボリビアで見た動物や生き物は数え切れないほどでした。巨大トカゲ、ワニ、水ブタ (カピバラ)、キツネ、タヌキ、ナマケモノ、インコ、オウム、はげたか、リス、アルマジロ、ゾウ アリ蜂、タランチュラ(毒グモ)、ビボラクック(毒ワニゼミ) サル、鹿、コウモリ、フクロウ、 蜂鳥、ボアやアナコンダの巨大蛇などが、博物館や動物園ではなく自然の中で見ることができました。 敷地内の2本のマンゴの大木は、季節になるとたわわに実をつけとうてい家族だけで食べきれる量 ではなく、さりとて隣近所も自分の木を持っていてお裾分けも出来ず、毎朝熟して落ちたマンゴをチ リ袋に入れて片付けるのが私の日課でした。今となっては大変もったいない話です。 南米の広大な土地を延々と流れるリオ・グランデ川の水の恩恵もたくさんありました。満々とたた える水は大地を潤し、豊かな大規模農業の源ともなっていました。生の牛肉を使った豪快な釣りは手 応えがあり、大きなピラニアや黄金色のドラード、ナマズの一種であるスルビーがたくさん釣れまし た。しかし、時にしてはるか彼方の上流で大雨が降ると、瞬く間に下流に向かって水量を増し、大洪 水となり全ての作物を飲み込んでしまう水害も度々起こり、農業を主とするコロニア・オキナワにと って深刻でした。 4 学校行事には美味しいアサード 第一日ボ校では、日本国内の学校にはない行事がいくつかありました。例えば、「生徒の日」や「先 生の日」などがあり、その日は授業抜きで、生徒と先生がスポーツ大会などで汗を流し楽しく過ごし たものです。また、大きな学校行事の後には、しばしば保護者から牛1頭の無料提供があり、校庭で 焼き肉(アサード)パーティーが行われることもありました。準備担当は決まってお父さん方で、そ の日は校内に焼き肉用の大型釜を数台持ち込み、一輪車で運んだ山盛りになった牛肉を炭火でしっか り焼いてくれました。放牧で育った牛肉は歯ごたえがあり、味付けは塩だけで十分でした。 5 コロニア・オキナワ入植記念祭 私が派遣された翌年、移住地では歴史的な入植40周年記念祭が行なわれました。入植記念祭 当日は、移住に偉大な貢献をされ移住者から「移住地の父」と崇められているエステンソーロ前大統 領を始め、ボリビア国大臣、多くの移住者や南米近隣諸国からの同胞、また、地元沖縄県からもたく さんの方々が訪れ、合わせて約1000名の参加で大成功を収めました。 月日の流れは早く、コロニア・オキナワは、移住者が入植してから今年で54年目を迎えておりま す。先人達の残した大きな足跡は、今なお2世や3世の子や孫にも受け継がれますます発展を遂げて います。 むすびに 沖縄県では、4年に1度開催される「世界のウチナーンチュ大会」があり、世界各国で活躍中の沖 縄県出身者(ウチナーンチュ)約5∼6千人が参加します。私は、ボリビア派遣をきっかけに過去4 回参加しましたが、その時は移住地でお世話になった方々と久しぶりにお会いできることをとても楽 しみにしているのです。また、3年前には、沖縄県教育委員会が企画した国際理解教育の一環として の「一校一国運動」を前任校で取り組み、ボリビアから民間大使を招きコロニア・オキナワを紹介し ていただきました。その際、講師を務めていただいたボリビア大使(移住者)は、「私たちは、ボリ ビアの皆さんから信頼を得るのに約50年かかりました。しかし、今では現地の方から絶大に信頼さ れ移住者として大変誇りに思っています。中学生の皆さんは日本人としての誇りを持ち、これから世 界のいろいろな国や人と交流し平和な世界を築いて下さい」と涙ながらに話されました。 ビバ(万歳)オキナワ! そして ビバ ボリービア! 光栄にも、現在、台湾で生活し仕事をする機会に恵まれました。台湾の方々や日本人会の方々にお 世話になり、身に余るたくさんのご支援をいただき心から感謝いたします。 図書紹介 ☆「イチロ−果てしなき夢 少年の想い遙かに」 著:義田貴士 みなさんご存じですか?あのイチロ−選手がメジャ−リ−グ年間最多安打世界新記録262安打を 達成したことを。そのすばらしい記録達成までの道のりを、友人の義田貴士氏が少年時代からたどっ て綴られた本です。イチロ−の努力する姿、真摯に誠実に生きていく様が描かれています。人間味溢 れる、熱き想いに満ちたイチロ−に出会えます。また、なぜイチロ−がテレビドラマ「古畑任三郎」 に出演したのかをほのめかすシ−ンもあります。 毎日の小さな努力の積み重ねがいずれ大成に必ずつながる! 身近な目標をひとつずつクリアすることが大事! 目標のための準備をする。プラス思考でいこう!! しかし、イチロ−のこの努力は並大抵のものではない。 マネをしようと思っても、簡単にはできないがこれに近いことはできるはず・・・。 イチロ−の魅力を幅広く伝えているこの本をぜひ、読んでみて下さい。 ☆「星野流」 著:星野仙一 台中日本人学校に2度、足を運んで下さったあの星野仙一監督が、北京オリンピック野球日本代表 監督に決まってから、忙しいスケジュ−ルの合間をぬって6ヶ月でまとめた著書です。ある選手の紹 介、あるチ−ムの監督になってからの苦労話。いつの間にかこの本の世界に吸い込まれてしまう魅力 ある本です。 その 415 ペ−ジの中身を少し紹介します。 勝つための「人」 「時」「組織」をつかむ発想法 77。 第 1 章 人をつかむ 20 の法則 第 2 章 時をつかむ 13 の法則 第 3 章 自分をつかむ 16 の法則 第 4 章 組織をつかむ 21 の法則 第 5 章 成功をつかむ 7 の法則 野球先進国の代表チームとして全員心をひとつにして、きちんとしたプレーを、 きちんとした野球を世界に見せなければならないと思う。コンディションを整え、 モチベーションを高め、ひとつひとつの連係プレー、サインプレー、バント、全力 疾走、マナー、技術、力、すべての基本プレーのお手本を示し、ていねいに 1 点を 取り、ていねいに 1 点を守る野球の醍醐味、野球というもののすばらしさを伝える ことを代表チーム全員で誓い合いたいと思う。金メダルだけではないそうした役割 や使命も日本代表チームにはあるのではないか。 (第五章「成功をつかむ 7 の法則」より抜粋) 北京五輪まであと3ヶ月。五輪競技としての野球は今回が最後ということで、星野ジャパンにかかる メダルへの期待は、いつもの五輪以上に大きいようです。みなさんもご存じの通り、あの人柄、あの 指導力があれば、必ずや日本に悲願の金メダルをもたらしてくださるでしょう。 色紙にサインをする時、星野さんは必ず「夢」という一文字を添えられるそうです。 願わくば3 ヶ月後、日本中にとてつもなく大きな「夢」を見せて頂きたいですね。 ( 中学部3年担任 )
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