Vol.4, No.23 / 2014年3月3日発行 !! !"#$%&"''"( お知らせ 文部科学省科学研究費補助金!新学術領域研究 領域略称「配位プログラム」領域番号 !"#$% 配位プログラミング -分子超構造体の科学と化学素子の創製- ! 134, 16524 (2012).)。今回は、得られた配位高分子膜 のイオン伝導挙動について評価を行った。 まず得られたナノシートが凝集したバルク粉体の窒 本領域では、Chemistry Letters バーチャル特集号を発 素吸着組成等温線測定を行ったところ、ミクロ孔に由 刊いたします。 来する低圧での吸着が見られ、BET表面積485 m2 / g程 Chemistry Letters 特集号のお知らせ 班員の皆さま方には、西原先生のHighlight Reviewを 度の比表面積を有することがわかった。配位高分子膜 引用の上、下記のWEBサイトから論文のご投稿をしてい のXRDを測定したところ、ドライ(0% RH)もしくは ただきますよう、ご協力をお願い申し上げます。 ウエット(93% RH)の条件による構造変化は見られな 投稿期日:! 3月22日(土) Highlight Review:H. Nishihara, Chem. Lett. 2014, in press. (DOI:10.1246/cl.140010) かった。水吸着等温線から、水分子は広い相対湿度範 囲で徐々に吸着され、湿度9 5 %以上で凝集による急激 な吸着をすることがわかった。相対湿度93%ではTCPP 1分子あたり4分子の水を吸着することがわかった。 !ご投稿の際には、【Acknowledgement】に “Coordination 100 !mのギャップを有する金電極をシリカ上に作成 Programming” について記載していただきますようお願い し、得られたナノシートを転写して配向をそろえて、 いたします。 面内方向の交流インピーダンス測定を行った。相対湿 班員からの論文の紹介 度に応じて伝導度は大きく変化し、90%で10–4 S cm–1程 度の高伝導性を示した。9 5 %以上の湿度では水の凝集 が起こっていると考えられ、吸着した水の量が大幅に 増えるものの伝導度にはそれほどの大幅な上昇は見ら れず、10–3 S cm–1あたりで伝導度が飽和する。ナノシー トの表面には銅イオンの配位不飽和サイトがあり、こ こに吸着した水分子が伝導に大きく寄与していると考 えられる。 (A03班 九州大院工 山田鉄兵) 配位高分子ナノフィルム上の高プロトン伝導性 最新の論文より Superprotonic Conductivity in a Highly Oriented Crystalline Metal!Organic Framework Nanofilm, Gang Xu, Kazuya Otsubo, Teppei Yamada, Shun Sakaida, Hiroshi Kitagawa J. Am. Chem. Soc. 135, 7438-7441 (2013). Living supramolecular polymerization realized through a biomimetic approach 細孔に酸点を有する配位高分子は高いプロトン伝導 性を示すことから近年盛んに研究がなされている。配 位高分子は固体のため、プロトン伝導度測定には通常 粉体の圧縮ペレットもしくは単結晶が用いられている が、結晶粒界や表面における伝導挙動にも興味が持た れる。 S. Ogi, K. Sugiyasu, S. Manna, S. Samitsu, M. Takeuchi, !Nature Chem.,"2014,"6, 188-195. (A03 杉安 和憲, 竹内 正之) 結晶粒表面の影響を大きく受ける系として、フィル ムやナノシートといった材料が挙げられる。我々は最 近、銅イオンおよびテトラキス(カルボキシフェニ 新学術領域「配位プログラミング」ニュースレター ル)ポルフィリン(TCPP)からなる厚さ15 nm程度、 第4巻・第23号(通算第92号) 平成26年3月3日発行 直径400 nm前後のナノシートをバルク合成し、これを 発行責任者:西原 寛(東京大学大学院 理学系研究科) 分散後基板に転写することで配向性の高い配位高分子 編集責任者:山元公寿(東京工業大学 資源化学研究所) 薄膜を構築することに成功した(G. Xu, T. Yamada, K. http://coord-prog.chem.nagoya-u.ac.jp Otsubo, S. Sakaida and H. Kitagawa, J. Am. Chem. Soc. 115
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