数式処理ソフト入門 4 情報科学演習用課題 1 2.2 和 1.1 課題 (1) lim 例題 x→∞ √ x2 + 1 − x • k.sum(k,1,n).factor() (2) lim e−1/x • (1/k^4).sum(k,1,oo) (3) lim e−1/x • assume( abs(r) < 1 ) (4) lim x→0+ x→0− 10n n→∞ n! √ (5) lim n 3n + 4n (a * r^k).sum(k,0,oo) n→∞ 1.2 課題 (6) lim (1) 1 2 + 2n n n=1 (7) lim (2) ∞ n+1 n n=1 3 n→∞ ∞ 1 2 + 2 2 + · · · + n2 n→∞ n3 3 ∞ 1 (3) 2 n=2 n − 1 (4) (5) ∞ n=1 nrn−1 f (x, y) : R2 → R のような実数値の多変数関数をス f1 (x, y) カラー場という。また f (x, y) = のような f2 (x, y) ベクトル値の関数をベクトル場という。 (|r| < 1) ∞ (−1)n+1 xn n n=1 スカラー場 f (x, y) に対して、y を定数とみなした x での微分を での微分を ∂f ∂y ∂f ∂x (x, y) と書き、x を定数とみなした y と書き、それぞれ x, y による偏微分と いう。 スカラー場 f (x, y) の「微小変化量」は df (x, y) = 極限 2.1 微分 実 数 値 1 変 数 関 数 の微 分 に つ い て は 省 略 す る 。 ∞ 1 (6) n=0 n! n! は factorial(n) 2 √ √ √ n( n + 1 − n) 例題 • (sin(x)/x).limit(x=0) ∂f ∂f (x, y) dx + (x, y) dy ∂x ∂y dx ∂f = ∂f ∂x (x, y) ∂y (x, y) dy と 書 け 、こ れ を 全微 分 と い う 。こ こ に 現 わ れ た ∂f ∂f は、1 変数の微分係数に相当す ∂x (x, y) ∂y (x, y) • ((1 + 1/x)^x).limit(x=oo) るものであるが、f の勾配(gradient)ベクトル場と • (x*log(x)).limit(x=0,dir=’+’) いって grad f とか ∇f (ナブラ f )と書く。 1 実数値の 1 変数関数の場合 るのだから、ここで出てきた行列の行列式の絶対値が |J(t, s)| である。この行列をヤコビ(Jacabi)行列、行 1 f (x + h) = f (x) + f (x)h + f (x)h2 + · · · 2 列式をヤコビアン(Jacobian)という。 この話はもっと一般の n 変数でも全く同様で、勾配・ という展開は微積分で最も重要な関数の観点である。 これは微分形で(dx2 を単なる記号として) ヘッセ行列・ヤコビ行列を理解することが微積分学の 目標の一つである。そのためには線形代数学と微分積 1 df (x) = f (x) dx + f (x) dx2 + · · · 2 分学とを一体のものとして眺めている必要がある。 と書いてもよい。2 変数の場合には 3.1 f (x + h, y + k) = f (x, y) h ∂f ∂f + ∂x (x, y) ∂y (x, y) k 2 2 ∂ f ∂ f (x, y) h 1 ∂x2 ∂x∂y (x, y) + ··· + h k 2 ∂ f ∂2f 2 k ∂x∂y (x, y) ∂y 2 (x, y) • ((1-t)^5).derivative() • ((1-t)^5).derivative(t,2) • (x*y + sin(x^2) + e^(-x)).derivative(x) • f(x,y) = x^2*y + y^2 + y となる。最後の項は二次形式といって、線形代数学の f.derivative()(勾配) 目標である。この係数の行列を H(x, y) と書いてヘッ f.derivative(2)(ヘッセ行列) セ(Hesse)行列という。ヘッセ行列の行列式(ヘシア • var("r,theta") f(r,theta) = [ r*cos(theta), r*sin(thet ンという)によって、この関数の振る舞いが決まり、 極大点・極小点などが判定できる。 1 変数の場合には a) ](極座標変換) f.derivative()(ヤコビ行列) f (x) dx f.derivative().det().full_simplify()(ヤ コビアン) で変数変換 x = T (t) とすると(置換積分) f (T (t)) |T (t)| dt 3.2 となる。同じように、2 変数の場合には f (x, y) dx dy において x y = 例題 課題 (1) 次の関数のすべての偏導関数を求めよ。 (a) f (x, y, z) = x4 sin(x3 y 2 z) (b) f (x, y) = (x + y)xy T1 (t, s) (c) f (x, y) = x2 arctan xy − y 2 arctan xy T2 (t, s) (d) f (x, y) = と変換すると f (T1 (t, s), T2 (t, s)) |J(t, s)| dt ds xy(x2 − y 2 ) x2 + y 2 (2) f (x, y) = x3 + 2y 3 + 5xy のヘッセ行列を求めよ。 (3) f (x, y) = (xy, x2 − y 2 ) のヤコビ行列とその逆行列 を求めよ。 ⎛ ⎞ ⎛ ⎞ r r sin θ cos ψ ⎜ ⎟ ⎜ ⎟ (4) 空間極座標変換 f ⎝ θ ⎠ = ⎝ r sin θ sin ψ ⎠ のヤコ とかける。この J(t, s) は一見難しそうだが、 ∂T1 (t,s) ∂T1 (t,s) dx dt ∂t ∂s = ∂T2 (t,s) ∂T2 (t,s) dy ds ∂t ∂s で、これは一次変換になっている。線形代数学で学ぶ ψ r cos θ ビ行列とヤコビアンを求めよ。 ように、一次変換 Y = AX では面積は det A 倍にな 2 ⎛ ⎞ ⎛ ⎞ r r cos θ ⎜ ⎟ ⎜ ⎟ (5) 円柱座標変換 f ⎝θ ⎠ = ⎝ r sin θ ⎠ のヤコビ行列 z z とヤコビアンを求めよ。 2 (12) 1 dx D yexy dx dy, D : 1 ≤ x ≤ 3, x1 ≤ y ≤ 2 (14) 4 D 積分 4.1 2−x dy(8x2 + 4y) (x2 + y 2 ) dx dy, D : x2 ≤ y ≤ x (13) x2 (15) 例題 V • integral( sin(x), x, a, b ) 5 • integral( x/(x^3 - 1), x ) xyz dx dy dz, V : 0 ≤ x ≤ y ≤ z ≤ 1 テイラー展開 テイラー展開は大学に入って学ぶ数学の中で最初に • integral( integral(x*y^2, x, 0, y), y, y 2 -2, 2) = −2 dy 0 xy 2 dx 出てくる、絶対に知らなければならない数学的概念と いってよい。これが身についていなければ以降習うこ とにはほとんど何の価値もないし、また数学を何にも • f(x) = e^(-x^2) numerical_integral( f, -4, 4 ) 応用できない。しかもテイラー展開は実質的に何一つ 難しいことはなく、単に微分が分かっているかどうか という問題に過ぎない。 4.2 課題 いうまでもなく、微分というのは線形近似 √ 3x − 4 3 x √ dx (1) x x 3 2 2 (2) x x− dx x 1 dx (3) (x − 1)(x − 2) (4) a2 − x2 dx 2 f (x + h) = f (x) + f (x)h + · · · に現われる f (x) のことである。ここで · · · は無視可 能な項、つまり f (x + h) を (x, f (x)) を通る直線で最大 限近似(要するに接線を引く)するときの傾きが f (x) といっているに過ぎない。同じように、導関数 f (x) を考えれば f (x + h) = f (x) + f (x)h + · · · 4 √ dx 3x2 − 5 (6) 2x2 − 3 dx (5) であるから、これを h で積分して 1 f (x + h) = f (x) + f (x)h + f (x)h2 + · · · 2 (7) が得られる。右辺に f (x) が現われるのは積分定数で cos(log x) dx (8) (9) ある(h = 0 のときの左辺が f (x) だから)。これを繰 り返して、形式的に 1 √ dx (x + 1) 4x2 + x + 1 f (x + h) = 2 + sin x dx sin x(1 + cos x) ∞ 1 (n) f (x)hn n! n=0 が得られる。こうして f を点 x の周りで多項式で近 sin3 x dx (10) 1 + cos2 x 1 (11) ex log x + dx x 似するときの最良の近似が得られる。但し右辺は無限 和だから、収束するかどうかは慎重な議論が必要で、 普通は h の範囲に制限がつき、|h| < R の範囲でのみ 収束する。この R を収束半径(「半径」というのは、 3 √ (2) f (x, y) = x log(1 + y) を点 (1, 2) の周りで 3 次 までテイラー展開せよ。 x が複素数でも成り立つからである)という。R > 0 のとき f は解析的であるという。無限回微分できても R = 0、つまりテイラー展開できない関数もある(例え ば f (x) = e−1/x )。テイラー展開できることは無限に 1 (3) f (x, y) = を原点の周りで 4 次まで 2 x + y2 + 1 テイラー展開せよ。 微分できる(C ∞ )よりもさらに強い性質なので、C ω 級という。 (4) f (x, y) = eax cos by を原点の周りで 4 次までテイ ラー展開せよ。 通常テイラー展開の応用では 2 次までが重要である: 1 f (x + h) = f (x) + f (x)h + f (x)h2 + · · · 2 1 を原点の周りで 3 次までローラン展開せよ。 sin z z (6) z を原点の周りで 3 次までローラン展開せよ。 e −1 (5) それは、2 次関数は非常に簡単であること、グラフの図 形的な性質も 2 階微分までで実質決定されてしまうこ となどによる。つまり、1 階微分では各点の変化率程 度しか分からないが、2 階微分まで考えて 2 次までテ イラー展開しておくと、その点のごく近くでは、元の 関数は実質その 2 次関数と同じとみなしてもよい(但 しそれを証明するためには 3 次の項の係数について解 析する必要があることも多い)。 5.1 例題 • taylor(a*log(z), z, 2, 3) 点 z = 2 の周りで 3 次まで z について展開 • taylor(1/log(x+1), x, 0, 3) 負冪を含むものはローラン展開という。(関数論 の目標の一つ) • taylor(sin(x+y), (x,0), (y,pi), 4) 5.2 課題 (1) 次を 0 の周りで 3 次までテイラー展開せよ。 (a) sin x (b) cos x (c) tan x 1 (d) 1−x √ (e) 3 1 + x (f) log(1 + 3x + 2x2 ) ex (g) 1+x (h) (1 + x)a (一般二項展開) (i) (1 + x)1/x 4
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