13.1 積分の応用

13.1 積分の応用
1
13.1 積分の応用
¨
¥
滑らかな曲線
¶
曲線の長さ
f (x) が C 1 級のとき,曲線 y = f (x) の a 5 x 5 b の部分の曲線の長さ s は
∫
b
s=
√
1 + (f ′ (x))2 dx
a
¦
³§
f (x) が C 1 級のとき,曲線
y = f (x) は滑らかな曲線
という.
¶
曲線の長さを積分で表す³
で与えられる.
µ
´ 線分の長さは x 方向
説明 まず [a, b] の分割
の成分 ∆x と y 方向
の成分 ∆y に分解する
∆ : a = x0 < x1 < · · · < xn = b
√
と, (∆x)2 + (∆y)2
をとり,点 (xi , f (xi )) を Pi で表す.P0 , P1 , . . . , Pn を順に結んで折れ線 P0 P1 ,
で 与 え れ ら る こ
P1 P2 , . . . , Pn−1 Pn を作る.この折れ線の和を作ると
と に 注 意 す る .
n
∑
Pi−1 Pi
i=1
ここで分割 ∆ を細かくするとき,この和がある値 s に収束するならば,この s を曲
線 y = f (x) の a 5 x 5 b の部分の 弧の長さ と決める.
√
(xi − xi−1 )2 + (f (xi ) − f (xi−1 ))2
√
)2
(
f (xi ) − f (xi−1 )
= 1+
(xi − xi−1 ).
xi − xi−1
Pi−1 Pi =
ここで,f (x) は C 1 級の曲線なので,平均値の定理を用いて
Pi−1 Pi =
√
1 + (f ′ (ξ))2 ∆xi , (xi−1 < ξ < xi ).
µ
´
¨
¥
式の確認
§
¦
(xi − xi−1 )2 + (f (xi ) −
f (xi−1 ))2
2
xi−1 ) (1 +
よって, a 5 x 5 b の部分の長さ s は
∫
b
s=
√
1 + (f ′ (x))2 dx ¥
a
2/3
x
+y
2/3
∆xi = xi − xi−1
¨
¥
例題 3-23
§
例題 13.1 次の曲線の長さを求めてみよう.
¦
1
= 1 の全長
0.5
解答 x = cos3 t, y = sin3 t (0 5 t 5 2π) とおくと,曲線の 1 部分 ∆l は
∆l =
=
(xi −
f (xi )−f (xi−1 ) 2
)
xi −xi−1
√
で与えられる.また,t =
√
(∆x)2
π
2
+
(∆y)2
=
(
-1
-0.5
0.5
-0.5
∆x 2
∆y 2
) +(
) ∆t
∆t
∆t
で,曲線は滑らかでない.したがって,求める曲線の長
-1
アステロイド
1
2
¨
¥
さは
例題 3-23
§
¦
y = f (x) の 形 に 表 す こ
∫
(
∫
ター表示をするのがよ
∫
も に 連 続 で ,区 間 (a, b)
3 sin t cos t
t = 0,
よ
π
3π
2 , π, 2
√
cos4 t sin2 t + sin4 t cos2 tdt
π
2
∫
0
∫
0
∫
0
∫
0
√
cos2 t sin2 t(cos2 t + sin2 t)dt
π
2
√
cos2 t sin2 tdt
π
2
= 12
π
2
= 12
り
で同時
cos t sin t dt (u = sin t, du = cos t dt)
[
1
udu = 12
= 12
に 0 になる.
dx 2
dy
) + ( )2 dt
dt
dt
(−3 cos2 t sin t)2 + (3 sin2 t cos t)2 dt
= 12
で同時に 0 にならない
2
√
= 12
か と は f ′ (t), g ′ (t) は と
=
π
2
0
と 表 す と き ,曲 線 が 滑 ら
−3 cos2 t sin t, g ′ (t)
0
=4
い .x = f (t), y = g(t)
=
√
l=4
と が 困 難 な 式 は ,パ ラ メ
こ と で あ る .f ′ (t)
π
2
0
u2
2
]1
= 12 ·
0
1
=6¥
2
¶
曲線の積分範囲
³演習問題 13.1 次の曲線の長さを求めなさい.
√
√
x + y = 1 の全長
曲線が滑らかでない
点を含んでいたら,C 1
¶
ガンマ関数
∫ ∞
Γ(λ) =
xλ−1 e−x dx について,次のことが成り立つ.
級 で は な い .し た が
って,曲線の長さを求
0
めるときには,C 1 級
の部分の長さを求め
るようにする.
µ
¨
¥
³
(1) Γ(n + 1) = nΓ(n) (n > 0)
(2) n が自然数のとき, Γ(n) = (n − 1)!
√
1
(3) Γ( ) = π
2
´
µ
´
証明 (1)
§演習 3-23 ¦
∫
y
1
∞
Γ(n + 1) =
xn e−x dx
0
0.8
無限積分より,
0.6
∫
∞
0.4
xn e−x dx = lim
b→∞
0
0.2
{
0.2
0.4
0.6
0.8
1
x
部分積分を用いると,


u = sin t, du = cos tdt



 t 0 → π


2
u 0 → 1
∫
n −x
x e
lim
b→∞
b
0
∫
ガンマ関数はもとも
と階乗を一般化する
ために作られたもの
で あ る が ,今 や い ろ
いろな分野で重要な
役目を果たしている.
そこで,これまでで学
んだことの復習とし
て載せておく.
³
xn e−x dx.
0
f = xn
g ′ = e−x
f ′ = nxn−1
g = −e−x
より,
[
]b
dx = lim xn (−e−x ) 0 − lim
b→∞
∫
b→∞
[
]b
= lim −xn (e−x ) 0 + n lim
b→∞
¶
ガンマ関数
b
−bn
+ nΓ(n)
b→∞ eb
= lim
b
nxn−1 (−e−x )dx
0
b→∞
∫
b
0
xn−1 (e−x )dx