計量経済学:復習テスト 19

計量経済学:復習テスト 19
学籍番号
氏名
2014 年 12 月 15 日
注意:すべての質問に解答しなければ提出とは認めない.小さな声でなら 相談しても構わない.教科書・
ノートを参照してもよい.授業時間内に提出できない場合は 当日中に 事務室前の「提出用ボックス」に提出
すること.
1. {yt } を次のような AR(1) とする.
yt = α + ϕyt−1 + wt
( )
{wt } ∼ WN σ 2
ただし |ϕ| < 1.
(a)E(yt ) を求めなさい.
(b)var(yt ) を求めなさい.
(c)cov(yt , yt−1 ) を求めなさい.
(d)ϕ = 1 だと E(yt ) や var(yt ) はどうなるか?
1
2. (y, X) を長さ T の時系列とする.次のような yt の xt 上への系列相関を持つ線形回帰モデルを仮定
する.
yt = x′t β + ut
ut = ϕut−1 + wt
( )
{wt } ∼ WN σ 2
ただし {ut } は {xt } と独立で,|ϕ| < 1 とする.ϕ は既知とする.
(a)(y, X) の Cochrane–Orcutt 変換を与えなさい.
(b)変換によって古典的線形回帰モデルが得られることを示しなさい.
(c)Cochrane–Orcutt 推定量が BLUE でない理由を説明しなさい.
2
解答例
1.(a)
E(yt ) = E(α + ϕyt−1 + wt )
= α + ϕ E(yt−1 )
= α + ϕ E(yt )
α
=
1−ϕ
(b)
var(yt ) = var(α + ϕyt−1 + wt )
= var(ϕyt−1 ) + var(wt )
= ϕ2 var(yt−1 ) + σ 2
= ϕ2 var(yt ) + σ 2
σ2
1 − ϕ2
=
( c)
cov(yt , yt−1 ) = cov(α + ϕyt−1 + wt , yt−1 )
= cov(ϕyt−1 , yt−1 )
= ϕ var(yt−1 )
= ϕ var(yt )
=
ϕσ 2
1 − ϕ2
(d)分母が 0 なので存在しない.
2.(a)(y, X) の Cochrane–Orcutt 変換は


y2 − ϕy1


..
y(ϕ) := 
,
.
yT − ϕyT −1


(x2 − ϕx1 )′


..
X(ϕ) := 

.
′
(xT − ϕxT −1 )
(b)t = 2, . . . , T について
yt − ϕyt−1 = x′t β + ut − ϕ(x′t−1 β + ut−1 )
= (xt − ϕxt−1 )′ β + ut − ϕut−1
= (xt − ϕxt−1 )′ β + wt
したがって
E(y(ϕ)|X(ϕ)) = X(ϕ)β
var(y(ϕ)|X(ϕ)) = σ 2 IT −1
(c)データを 1 つ捨てているから GLS 推定量でない.
3