計量経済学:復習テスト 17

計量経済学:復習テスト 17
学籍番号
氏名
2014 年 12 月 8 日
注意:すべての質問に解答しなければ提出とは認めない.小さな声でなら 相談しても構わない.教科書・
ノートを参照してもよい.授業時間内に提出できない場合は 当日中に 事務室前の「提出用ボックス」に提出
すること.
1. 大きさ n の (1 + k) 変量無作為標本を (y, X) とする.yi の xi 上への条件つき不均一分散をもつ線形
回帰モデルは
E(yi |xi ) = x′i β
var(yi |xi ) = σ 2 (xi )
σ 2 (.) は既知とする.
(a)i = 1, . . . , n について yi∗ := yi /
√
√
σ 2 (xi ),x∗i := xi / σ 2 (xi ) とする.yi∗ の x∗i (xi )上への線形
回帰モデルが条件つき均一分散をもつことを示しなさい.
(b)yi∗ を x∗i に回帰したときの OLS 推定量を b∗ とする.
( n
)−1 n
∑ xi x′
∑ xi yi
i
b =
2
σ (xi )
σ 2 (xi )
i=1
i=1
∗
となることを示しなさい.
(c)次の GLS 問題の解が上の OLS 推定量と一致することを確かめなさい.
n
∑
(yi − x′ b)2
i
min
b
and
i=1
σ 2 (xi )
b ∈ Rk
1
2. データを (y, X) とする.簡単化のため X は固定的とする.y の X 上への一般化線形回帰モデルは
E(y) = Xβ
var(y) = Σ
(a)GLS 問題を書きなさい.
(b)β の GLS 推定量が
(
)−1 ′ −1
bG = X ′ Σ −1 X
XΣ y
となることを示しなさい.
(c)bG の期待値と分散を求めなさい.
(d)一般化線形回帰モデルでは OLS 推定量でなく GLS 推定量が BLUE となる理由を説明しなさい.
2
解答例
1.(a)
E(yi∗ |x∗i ) = E(E(yi∗ |xi )|x∗i )
)
)
( (
yi
∗
=E E √
|xi |xi
σ 2 (xi )
)
(
E(yi |xi ) ∗
=E √
|xi
σ 2 (xi )
(
)
x′i β
∗
=E √
|xi
σ 2 (xi )
(
)
= E x∗i ′ β|x∗i
= x∗i ′ β
(
)
var(yi∗ |x∗i ) = E (yi∗ − E(yi∗ |x∗i ))2 |x∗i
( (
)
)
= E E (yi∗ − E(yi∗ |x∗i ))2 |xi |x∗i

 (
)2 
y
i
− x∗i ′ β |xi  |x∗i 
= E E  √
σ 2 (xi )
 (

)2 
′
y
x
β
i
= E E  √
−√ i
|xi  |x∗i 
σ 2 (xi )
σ 2 (xi )
)
)
( (
(yi − x′i β)2
∗
|xi |xi
=E E
σ 2 (xi )
( (
)
)
E (yi − x′i β)2 |xi
∗
=E
|xi
σ 2 (xi )
( 2
)
σ (xi ) ∗
=E
|x
σ 2 (xi ) i
=1
(b)
(
∗
b =
(
n
∑
)−1
x∗i x∗i ′
i=1
n
∑
n
∑
x∗i yi∗
i=1
)−1
√
σ 2 (xi ) σ 2 (xi )
i=1
( n
)−1 n
∑ xi x′
∑ xi yi
i
=
2
σ (xi )
σ 2 (xi )
i=1
i=1
=
(c)1 階の条件は
√
x′i
xi
i=1
n
∑
−2xi (yi − x′ b∗ )
i
σ 2 (xi )
i=1
すなわち
n
∑
x
y
√ i
√ i
σ 2 (xi ) σ 2 (xi )
=0
n
n
∑
∑
xi x′i ∗
xi yi
=
b
2
σ (xi )
σ 2 (xi )
i=1
i=1
3
したがって
( n
)−1 n
∑ xi x′
∑ xi yi
i
b =
2
σ (xi )
σ 2 (xi )
i=1
i=1
∗
2.(a)
min
b
(y − Xb)′ Σ −1 (y − Xb)
and b ∈ Rk
(b)1 階の条件は
−2X ′ Σ −1 (y − Xb∗ ) = 0
すなわち
X ′ Σ −1 y = X ′ Σ −1 Xb∗
したがって
(
)−1 ′ −1
b∗ = X ′ Σ −1 X
XΣ y
(c)
((
)−1 ′ −1 )
E(bG ) = E X ′ Σ −1 X
XΣ y
( ′ −1 )−1 ′ −1
= XΣ X
X Σ E(y)
( ′ −1 )−1 ′ −1
= XΣ X
X Σ Xβ
=β
((
)−1 ′ −1 )
var(bG ) = var X ′ Σ −1 X
XΣ y
(
)−1 ′ −1
(
)−1
= X ′ Σ −1 X
X Σ var(y)Σ −1 X X ′ Σ −1 X
(
)−1 ′ −1
(
)−1
= X ′ Σ −1 X
X Σ ΣΣ −1 X X ′ Σ −1 X
(
)−1
= X ′ Σ −1 X
(d)OLS 推定量を b とする.データを y ∗ := Σ −1/2 y ,X ∗ := Σ −1/2 X と変換すると,y ∗ の X ∗ 上
への線形回帰モデルは
E(y ∗ ) = X ∗ β
var(y ∗ ) = In
すなわち古典的線形回帰モデルとなる.このモデルの OLS 推定量は b でなく bG .したがってガ
ウス=マルコフ定理より b でなく bG が BLUE.
4