2012 年度 線形代数学 II (今堀) 期末試験 • 問題は全部で 3 問ある. 大問題ごとに解答用紙を 1 枚使うこと.裏面を使っても良い. • すべての解答用紙に,氏名,学籍番号,大問題の番号を記入すること. 問題 1 (30 点) 以下の問いに答えよ. (1) 4 次元数ベクトル空間 R4 に対し,ベクトル p, q, r と線形部分空間 V ⊆ R4 を次式で定める. 2 1 d w x 0 b e 4 p = , q = , r = , V = ∈ R | w + x + y + z = 0 1 c f y a 1 1 z ベクトルの組 [ 2 (2) 行列 A = s {p, q, r} が線形空間 V の直交基底となるような a, b, c, d, e, f を求めよ. ] 1 は(実数の範囲に)2 つの固有値を持ち,その差は 3 である.s を求めよ. 3 問題 2 (45 点) 3 次元数ベクトル空間 R3 のベクトル列 {vk } (k = 0, 1, 2, . . .) は v0 が与えられたとき k ≥ 1 に対して, √ 2b 0 a √ √ vk = Avk−1 , A = 2b a 2 b √ 2b a 0 によって定まるものとする(ここで a, b (> 0) は正の定数とする).このとき,以下の問いに答えよ. (1) 行列 A の固有値を求めよ. (2) 上の問 (1) で求めたそれぞれの固有値に対して,固有ベクトルを求めよ. (3) 任意の v0 ∈ R3 に対して k → +∞ のとき vk が零ベクトル(0)に収束するために a, b が満たす べき必要十分条件を求め,a, b の取りうる値の範囲を a-b 平面上に図示せよ. 問題 3 (40 点) 3 次元数ベクトル空間 R3 において,点 (x1 , y1 , z1 ) を点 (x2 , y2 , z2 ) に移す線形写像 f が,3 次正方行 x1 x2 (つまり,写像 f の表現行列を A とする. ) 列 A を用いて y2 = A y1 の形で表されるものとする. z1 z2 この写像 f により,3 つの点 (k, k − 2, 1), (k, 2k − 4, 1), (k + 2, 2k − 4, 2) が(ここで k は定数とする), それぞれ点 (3k − 5, 3k − 1, −2), (4k − 7, 5k − 5, k − 4), (4k − 6, 5k, k − 6) に移されるとき,以下の問い に答えよ. (1) 2 つの点 (−k + 2, 0, 0), (0, k − 2, 0) が写像 f により移される点をそれぞれ求めよ. (2) 行列 A が一意に定まるための k に関する条件を求めよ.また,そのときの行列 A を求めよ. 2011 年度 線形代数学 II (今堀) 期末試験 • 問題は全部で 3 問ある. 大問題ごとに解答用紙を 1 枚使うこと.裏面を使っても良い. • すべての解答用紙に,氏名,学籍番号,大問題の番号を記入すること. 問題 1 (30 点) 次の問いに答えよ. (1) 次の 3 次元数ベクトル p, q, r が 1 次独立であるか 1 次従属であるかを調べよ. 2 2 2 p = 0 , q = 2 , r = 3 1 3 4 ] [ 2 3 は(実数の範囲に)2 つの固有値を持ち,その差は 4 である.a を求めよ. (2) 行列 A = a 4 問題 2 (45 点) 3 次正方行列 P, D, A と 3 次元列ベクトル bi (i = 0, 1, . . . ) を考える.ここで,行列とベクトルの要素 は全て実数とし,P は正則行列,D は対角行列とする.行列 A とベクトル bi が次式を満たすとき,以 下の問いに答えよ. 0 1 0 ai A = 0 0 1 , bi = ai+1 , bi+1 = Abi −2 1 2 ai+2 (1) 行列 A の固有値を全て求めよ. (2) 行列 P, D, A が AP = P D を満たすような,正則行列 P と対角行列 D を求めよ. (3) a0 = 1, a1 = 0, a2 = 4 のとき,an を求めよ. 問題 3 (45 点) 行列 A,3 次元実ベクトル空間 R3 の部分空間 V ,ベクトル b を次のように定める. 0 3 2 2 A = 1 2 1 , V = {Ax | x ∈ R3 }, b = 1 2 1 0 2 p √ また,ベクトル u = q の長さ |u| を,|u| = p2 + q 2 + r2 と定める.以下の問いに答えよ. r (1) 空間 V の次元と基底を求めよ. (2) 長さ |v − b| を最小にするベクトル v ∈ V とそのときの長さ |v − b| を求めよ. (3) 長さ |Ax − b| を最小にするベクトル x ∈ R3 をすべて求めよ. 2010 年度 線形代数学 II (今堀) 期末試験 • 問題は全部で 3 問ある. 大問題ごとに解答用紙を 1 枚使うこと. • すべての解答用紙に,氏名,学籍番号,大問題の番号を記入すること. 問題 1 (30 点) 以下の問に答えよ. 1. 次の 3 次元数ベクトル p, q, r が互いに直交するような a, b, c を求めよ. 1 a c p = 2 , q = −3 , r = 4 . 3 b −3 2. 次の 3 次元数ベクトル p, q, r が 1 次独立であるか 1 次従属であるかを調べよ. 9 2 1 p = 2 , q = −3 , r = 4 . −3 −9 3 3. 次の写像の表現行列を求めよ.ただし 2 次元平面の基底を {(1, 0), (0, 1)} とする. 「2 次元平面上の点 (x, y) を,原点を中心として反時計回りに π/6 回転させ, さらに原点からの距離が当初の 2 倍となる位置まで遠ざける. 」 問題 2 (40 点) ある年,急にジョギングが流行りだした.そこで,ジョギング人口の推移を毎年 1 回調べることにし たところ,1 年たつと,前の年にジョギングをやっていた人の 3 割がやめ,やっていなかった人の 2 割 がジョギングを始めることが分かった.調査開始時のジョギング,非ジョギング人口をそれぞれ x0 , y0 , n 年後を xn , yn とし,全人口は不変であると仮定して以下の問に答えよ. 1. 1 年後のジョギング,非ジョギング人口 x1 , y1 を表す式を [ ] [ ] x1 x0 =T y1 y0 と書くとき,2 次正方行列 T を具体的に示せ. 2. 行列 T の固有値と,対応する固有ベクトルを求めよ. 3. n 年後のジョギング,非ジョギング人口 xn , yn を x0 , y0 , n を用いて表せ. 4. 長い年月がたつとジョギング人口が定着することを示し,十分に長い年月経過後の 全人口に占めるジョギング人口の割合を求めよ. (裏面へ続く) 問題 3 (45 点) 次式で定まる行列 A と半径 1 の球体 B が与えられるとき,以下の問に答えよ. ¯ ¯ 3 −1 0 x ¯ 1 ¯ 2 2 2 A = −1 3 0 , B = y ¯ x + y + z ≤ 1 . ¯ 4 z ¯ 0 0 1 1. 行列 A のすべての固有値と対応する固有ベクトルを求めよ.ただし,求めた固有ベクトルの集合 が,3 次元数ベクトル空間の正規直交基底をなすように,ベクトル選択と長さ調整を行うこと. 2. 行列 A によって定まる線形変換により,球体 B が写される先 ¯ ¯ x x ¯ ¯ AB = A y ¯ y ∈ B ¯ ¯ z z の図形を数式を用いて表せ. 3. 行列 A によって定まる線形変換を n 回適用して,球体 B が写される先は ¯ x ¯¯ x ¯ n n A B= A y ¯ y ∈B ¯ ¯ z z である.n → ∞ のとき,An B が近づく先の図形を xyz 空間中に図示せよ. 図中には座標も記すこと.
© Copyright 2025 ExpyDoc