Quiz11

平成 26 年 12 月 24 日(水)
応用理工学類 応用数学 I (秋学期)
Quiz 11
締切 2015 年 1 月 7 日(水)授業開始時
弦楽器におけるように両端を固定された弦(長さ L)の微小振動は、1 次元の波動方程式
2
∂ 2 u(x, t)
2 ∂ u(x, t)
=
c
∂t2
∂x2
と固定端境界条件
u(0, t) = 0,
u(L, t) = 0、
で表される。弦の中央をつまんで時刻 t = 0 で放したとして、「初期条件」
{
∂u(x, 0)
ax
0 ≤ x ≤ L/2
,
=0
u(x, 0) = f (x) =
∂t
a(L − x) L/2 ≤ x ≤ L
のもとで弦の振動 u(x, t) を、フーリエ級数を用いて 解いてみよう。
【1】 まず変数分離型の 特殊解 u(t, x) = T (t)X(x) を考える。関数 T (t) や X(x) が満た
すべき 方程式 と 境界条件 を考える(「初期条件」はまだ考えない)ことによって、そ
のような特殊解は無限個あって
(
)
(
)
( nπx )
( nπx )
nπct
nπct
cos
sin
, sin
sin
, n = 1, 2, 3, · · ·
L
L
L
L
で与えられること、また線形独立な変数分離型特殊解は これで全て であることを説明
せよ。
(上に与えられた「初期条件」を満たす変数分離解は存在しないことがわかる。)
【2】 自由端(開放端)境界条件
ux (0, t) = 0,
ux (L, t) = 0
の場合には前問の結果はどう変更されるか。
【3】 固定端の問題に戻ろう。
「初期条件」を満たすような変数分離型解は存在しない。つ
まり 一般解は変数分離型にならない。しかし変数分離型特殊解の線形結合
)
(
)
(
∞ {
( nπx )
( nπx )}
∑
nπct
nπct
sin
+ Bn sin
sin
u(x, t) =
An cos
L
L
L
L
n=1
を作れば一般解になることが知られている。つまり係数 An , Bn を調整することによっ
て「初期条件」を満たすことができる。上に与えられた t = 0 における「初期条件」
を満たすように、線形結合係数 An , Bn を全て決定せよ。
【4】 前問で求めた解 u(x, t) が、次のようなダランベール解になっていることを確認せよ。
u(x, t) =
}
1{˜
f (x + ct) + f˜(x − ct)
2
ここで、f˜(x) は f (x) を奇関数として周期 2L で拡張したものである。