演習問題

物理学基礎演習 E2
No.5-1
学籍番号
いろいろな運動 (3)
氏名
1
問 1 前回の演習では減衰振動について考えた。身の回りにある振動する物体には必ず何らかの抵抗が働
くため、振動を継続させるためには抵抗に打ち勝つだけの外力を周期的に加えなければならない。速度
に比例した粘性抵抗が働く場合のばねの振動に、周期的な外力 f  f 0 cos t を加えた場合の運動(強制
振動)について以下の手順で考えよう。
f
d 2x
dx
k
C
 02 x  0 cos t と書くことができ
(1) 運動方程式は前回の   ,  
を使って 2  2
dt
m
m
2m
dt
る。この方程式の特解として xt   A sin t  B cos t という形の解を考えよう。任意の t に対して x(t)
2
0
が方程式を満たすような任意定数 A, B の値を求めよ。
(2) (1)で求めた特解は単振動である。振動の振幅および外力との位相差を m, f0, ω, ω0, β を用いて表せ。
(3) 振幅が最大となる外力の振動数及びその時の最大振幅を求めよ。
(4) 運動方程式の一般解を求め、十分時間が経った後の解の挙動について説明せよ。
物理学基礎演習 E2
学籍番号
No.5-2
いろいろな運動 (3)
2
氏名
問 2 諸君は「基礎電気回路Ⅰ」で共振回路について学習した。テニスサークルの先輩 F 君と後輩 N さ
んの以下の対話を読みながら思い出してみよう。空欄に適切な数式を記入せよ。
F 君 強制振動の問題を解いたら、特定の振動数の外力を加えると、振幅が大きくなることがわかった。
これは、回路で勉強した共振回路に似ていると思わない?
N さん コイルの回路記号はバネだけど、コンデンサはバネじゃないから関係ないと思います。
F 君 馬鹿なことを言わずに考えよう。抵抗 R、インダクタンス L、容量 C に時間とともに変動する電流
I(t)が流れるとき、それぞれの素子で発生する電圧を VR、VL、VC としよう。
N さん 馬鹿にしないでください。これでも回路は得意なんです。
VR =
VL =
VC =
です。
F 君 その通り。3 つの素子を直列につないだ回路の電圧 V(t)は微分と積分が混ざった方程式で表される
が、両辺を t で一回微分するとどうなる。
N さん ええと、
です。なんか、問 1 の微分方程式と似てるかも・・・。
F 君 入力電圧 V(t)=V0 sinωt、電流 I(t)=x として、
ω0 =
2β =
f0/m =
とすれば、まったく見た目の同じ方程式になる。
N さん ということは、
問 1 で求めた振動の振幅は入力電圧の角周波数が ω のときの電流振幅に相当し、
I=
と表せます。I が最大となる ω とその時の振幅 Imax は R, C, L, V0 を使って書けるはずだから・・・
ω=
Imax =
となりました。これは直列共振回路の共振特性の式そのものです。
F 君 その通り。
N さん びっくり。なんで、jωL とか 1/jωC とか出てこないんだろう。
物理学基礎演習 E2
No.5-3
学籍番号
いろいろな運動 (3)
3
氏名
問 3 以下の文章を読み、(1)~(9) に適切な数式を答えよ。
先生 ローレンツ力を受けて XY 平面内を運動する荷電粒子(質量 m、電荷量 q > 0)について、運動方
程式を使って考えよう。
U さん ローレンツ力は高校でも勉強したので大丈夫です。
先生 図のように、Z 軸正方向に一様な磁場 B = (0, 0, B) がかかっ
ている。粒子の速度が V = (Vx, Vy, 0)のとき、粒子に働くローレン
ツ力 F は、ベクトルの外積を使って F = qV×B と書ける。
U さん それはまだ習っていません。


先生 詳しくは 2 年生の「電磁気学Ⅱ」で学習するが、ここでは F  qV y B,  qVx B, 0 と考えればよい。
U さん なるほど、それなら X 方向、Y 方向の運動方程式はそれぞれ、
m
dVx
 qV y B
dt
…①
,
m
dV y
dt
 qVx B
…②
と書けます。変な形の微分方程式ですね。
先生 解き方はいくつか考えられるが、①の両辺を t で微分したものを②に代入して整理すると、
d 2V x

dt 2
…③
(1)
となる。
U さん ③は角振動数   (2) の単振動の式だから、一般解は Vx  A sin t  B cos t と表すことがで
きます。①に代入すれば Vy の一般解も求められます。
先生 粒子は時刻 t = 0 に速度 V0 = (0, V0, 0)で原点 O を通過したとする。任意定数を定め、その後の粒
子の速度 V と位置 R を求めよ。
U さん えーと…。速度は V   (3) , (4) , 0 、位置は R   (5) , (6) , 0 となります。
先生 よろしい。粒子の運動の軌跡はどのような図形を描くか。
U さん
X 座標と Y 座標の式から t を消去して…。わかりました。半径 (7) 、中心  (8) , (9)  の円です。
(物理学基礎 E2 2012 年度中間テストから抜粋)
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
物理学基礎演習 E2
学籍番号
問4
No.5-4
エネルギーとその保存則
氏名
4
図のように、水平と角θをなす高さ h の斜面の上
端に質量 m の物体を静かに置いたところ、物体は斜面を
h
滑り始めた。斜面と物体の間の動摩擦係数を μ、重力加
速度を g として、以下の各問に答えよ。
(1) 物体が斜面の下端に到達するまでに、重力、垂直抗力、摩擦力が物体に与えた仕事をそれぞれ求めよ。
(2) 最下端に到達したときの物体の速さ V を求めよ。
(3) 最下点に到達した物体に斜面に沿って上向きに速さ V を与えた。その後、物体が到達する高さを h’
としたとき、高さ h’に達するまでに重力、垂直抗力、摩擦力が物体に与えた仕事をそれぞれ求めよ。
(4) 物体が到達する高さ h’は斜面の高さ h の何倍か。