数学 授業メモ 第30回 中間テストの問題で次のようなものがありました。 「数直線上の 2 点 P,Q を結ぶ線分を p:q に内分する点の座標が pq、同じ比に外分する点の座標が-pq のとき、2 点 P,Q の座標を求めてください。 」 Pa , Qb とする。内分点の公式より qa pb qa pb pq …①、外分点の公式より pq …② pq pq 分母を払うと qa pb pq p q …③、 qa pb pq p q …④ ③と④を加えて 2 pb 2 pq2 両辺を 2 p 0 で割って b q 2 ③から④を引いて 2qa 2 p 2 q 両辺を 2q 0 で割って a p 2 P p2 ,Q q2 この問題は、極と極線と関連があります。 問題例 「円𝑥 2 + 𝑦 2 = 𝑝2 𝑞2に点𝑄(𝑞2 , 0)から引いた 2 本の接線の接点を結ぶ直線の方程式を求めてください。た だし、0 < 𝑝 < 𝑞とします。 」 前回の極と極線の性質 「円𝑥 2 + 𝑦 2 = 𝑟 2 外の 1 点(𝑎, 𝑏)から円に引いた 2 本の接線の接点を結ぶ直線の方程式は𝑎𝑥 + 𝑏𝑦 = 𝑟 2 」 をそのまま用いられます。 𝑞2 𝑥 + 0𝑦 = 𝑝2 𝑞2 ですから、整理して 𝑥 = 𝑝2 円と直線に関係がある例を後いくつか取り上げましょう。 問題例1:円𝑥 2 + 𝑦 2 = 12によって直線2𝑥 + 3𝑦 = 4が切り取られてできる線分(弦)の長さを求めます。 手間を惜しまなければ、単純な解き方がありますね。共有点を求めて、その2点間の距離を測ればいい のですから。 デカルトの功績は、図形の問題を式の計算で解くことができるようにしたということですが、それは 逆に、図形の知識を利用すると計算の複雑さを緩和できるという意味でもあります。 共有点の座標を直接求めずに、切り取られた線分の長さだけを求める A 方法を考えましょう。 右の図において求めなくてはならない長さは AB ですが、これは2 H 等辺三角形の底辺ですからほ、ほかのものから計算できます。 𝐴𝐶は半径、𝐶𝐻は中心と直線の距離です。 C 𝐴𝐵 = 2𝐴𝐻 B ですが、直角三角形 ACH において三平方の定理より 𝐴𝐻 2 = 𝐴𝐶 2 − 𝐶𝐻 2 AC と AH で表せます。 𝐴𝐶 = 2√3 𝐶𝐻 = 4 √13 ですから、 𝐴𝐻 2 = 12 − 16 140 = , 13 13 𝐴𝐵 = 35 𝐴𝐻 = 2√ 13 4√455 13 問題例 2:円(𝑥 − 3)2 + (𝑦 + 1)2 = 5上の点(2,1)における接線の方程式を求めます。 これは前の例と似た接線の方程式を求める問題ですが、中心が原点ではありません。以前に調べた手法 (1)~(3)のうち、 (1)と(2)は中心が原点でなくても適用できます。もちろん、円の式がより複雑 になりますから計算はややこしくなりますけど。それに対して、手法(3)を「接線の公式」ととらえる と、中心が原点でない円には使えません。しかし、 「接線の公式」を導いた元の原理に立ち返れば、中心 が原点でなくても使えます。 その原理とは「接点において、半径と接線は直交する」ということです。 1 中心と接点を結ぶ直線の傾きは-2 ですから、接線は傾き で(2,1)を通る直線です。 2 2𝑥 − 𝑦 = 0 問題例 3:円(𝑥 − 3)2 + (𝑦 + 1)2 = 5と直線3𝑥 + 5𝑦 − 2 = 0の共有点と点(1,1)を通る円の方程式を求 めます。 もちろん手間を惜しまなければ、この問題もできます。しかし、共有点を求めるには 2 次方程式を解く しかなく、たぶん解の公式を利用することになります。前の切り取る弦の長さならばそれほど計算は大 変になりませんが、今度の場合は、解の公式から導かれた複雑な座標を用いた 3 元連立方程式を解くと いう、さらに大変な作業が待っています。 これは p=0 かつ q=0⇒Ap+Bq=0 であることを用います。同じ性質を前にも利用しましたね。詳細は次 回に。
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