12月12日掲載

物理学 II 講義 演習問題 (8)
工学部化学系 2 年/ 2014 年 12 月 11 日 (木)
(1) 図 1 のように有限長の直線導線 AB に電流 I が流れている. この直線電流からの距
離が d である点 P における磁場の強さ H を以下の手順で求めよ.ここで,̸ PAB = α,
̸ PBA = β とする.また,P から AB に降ろした垂線を PO,AB 上の 1 点を Q とし,
OQ =s, PQ =r, ̸ PQA = θ とする.
(a) 図 1 の r および s をそれぞれ θ と d で表せ.
(b) 微小な電流素片 Ids によって P に生ずる磁場の強さを dH とする.dH を I, d, θ,
dθ を用いて表せ.ヒント:(a) の s と θ の関係式を微分して,ds を dθ で示すと良い.
(c) 電流素片 Ids を AB にわたって (β ≦ θ ≦ π − α) 積分することで磁場の強さ H
を求め,これを I, d, α, β を用いて表せ.
(2) 上記 (1) の結果を用いて, 図 2 に示す一辺の長さが 2a の正方形ループ電流 I がそ
の中心Oにつくる磁場の強さ H を求めよ.
(1)(a) r =
d
d
=
,
sin(π − θ)
sin θ
(b) (a) の s より
... ds =
dH =
ds
d
= −d
dθ
dθ
d
dθ
sin2 θ
s=
(
d
= −d cot θ
tan(π − θ)
cos θ
sin θ
)
− sin2 θ − cos2 θ
d
= −d
=
2
sin θ
sin2 θ
これと (a) の r から,ビオ-サバールの法則により
I sin θ
I
ds =
sin θdθ
2
4π r
4πd
I ∫ π−α
I
I
(c) H =
sin θdθ =
[− cos θ]π−α
=
(cos α + cos β)
β
4πd β
4πd
4πd
(2) 上記 (1)(c) の結果において, d = a, α = β = π/4 とおき, この4辺分を重ね合
わせることにより (
)
√ I
I
π
π
H=
cos + cos
×4= 2
4πa
4
4
πa
図1
図2