2010年度 前期 基礎マクロ経済学 試験問題の解説 1 問題2:IS‐LMモデル • 1.IS曲線の求め方: 財市場の均衡式とは 国内総生産=消費+投資+政府支出 であり よって + を得る. 上式を について整理すると (答) 2 • LM曲線の求め方: • 貨幣市場の均衡式とは • 実質的な貨幣供給量=実質的な貨幣需要 • • より = となり • について整理すると • (答) 3 • 2)均衡GDPと均衡利子率を求める. • 問1)で求めたIS‐LM曲線 • • 20 900 50 200 • より • よって (IS曲線) (LM曲線) を消去すると 20 900 10. 50 200 700 この値をIS曲線に代入すると LM曲線: 50 200 • 10 4 IS曲線: 700 20 900 • 3)政府支出Gをいくらにすれば完全雇用GDPを達成で きるか? • ①LM曲線に完全雇用GDP =900 を代入し点 に対応す る利子率を求める. LM曲線: 50 200 14 5 900 • 政府支出を にしたときの新たなIS曲線をIS’とおくと • : 40 0.8 50 + 120 4 ′ • となり,この直線が , 900,14 を通過するように ′ の値を決定すればよい. ′ 116 (答) LM曲線: 50 200 14 ′曲線 900 6 • 4)名目的な貨幣供給量 で完全雇用GDPを達成する. ①IS曲線に完全雇用GDP =900 を代入し点 子率を求める. に対応する利 7 " 0 IS曲線: 900 20 900 • 政府支出を • ′: にしたときの新たなLM曲線をLM’とおくと = 0.2 10 60 • となり,この直線が , 900,0 を通過するように ′ の値を決定すればよい. ′ 480 (答) IS曲線: 20 900 LM′曲線 8 " 900 • 5)政府支出を120にしたとき現実のGDPが完全雇用GDP を上回った.最終的にいきつく物価水準を求める. • ①政府支出G=120にしたときのIS’’曲線を求める • ′ : 40 0.8 50 + 120 4 120 • 20 1200 • ②点 “ を求める. 15 LM曲線: 50 200 " ′’曲線 900 9 • ③物価水準が になったときのLM曲線をLM ” とする. • LM”: • が , よい. ′ ’ = 0.2 10 60 900,15 を通過するように ′の値を決定すれば 20/9 (答) LM′′曲線 " LM曲線: 15 50 ′’曲線 900 200 10 問題3.ライフサイクル仮説の計算問題 流動性制約がないケース ① 生涯所得を計算する: ② 生涯の予算制約式を導出する: ③ 効用関数から限界代替率(無差別曲線の傾き) を求める. (ただし, 効用関数が となる. 第 期の消費の限界効用) のとき限界代替率は 11 ④ 効用最大化条件は限界代替率=1+利子率である.よっ 1 が成立. て ⑤ 来期の消費の割引現在価値は と求まる. ⑥ この式を生涯の予算制約式 へ代入すると が得られ,それを最大化条件へ代入すると 1 が得られる. 12 1 1 1 1 13 1 • 問題3 200, 1) り生涯所得 200 1 より 3 50, 50 1 1 1/3 / / 1 . 400 0.1 275 0, および 400 となる. 0.1 よ 300 400 110 となる. 14 • 2)1期目の可処分所得 =150,消費量 150の借り入れを第1期目に行っている. • 3)生涯所得を計算する.第2期目に 課税を行う. • 生涯所得 よって . 200 . 1 1 1/3 / / 1 400 0.1 300 より 50×(1+0.1)=55 の 400 となり1)と同じ. 300 400 110 となり,1)と同じ消 費量である. 15 • 流動性制約が存在するケースとは? • 第1期目は所得を上回る消費は不可能である. かつ が成立. • • 問題4は次の図より上2式が等号成立していることに注 意. • よって最適消費点が点Pではなく点 で決定する. 16 1 1 1 1 17 1 • 4. 200, 50 かつ 150 かつ • 5. 0 かつ 200 かつ 275, 0 より 275 となる. 50×(1+0.1)=55 より 220 となる. 18
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