家畜糞尿の特性

家畜糞尿の特性
Properties of Farm Animal Excreta
K
~
Taiganides &
~瓦 Hazen
Trans.of AS.
A
:
m 9:374-376,1966
家畜糞尿の取扱いあるいは処理法を改善するには、まずその特性を知らまければ左ら左 ¥
"
1c,以下鶏・
豚・牛の糞尿の物理的・化学的・生物学的特性 K関する従来の成績をと
bまとめ、糞尿処理施設設計の
参 考 K供する。
糞尿の物理的・化学的特性は、家畜の生理状態・給与飼料・飼育環境によって異在る。生理状態のパ
ラメーターとして最も重要左のは体の大き(体重)で、ついで性・品種・活動度が挙げられる。給与飼
料の消化率・蛋白やせん維の含量・あるいはその他の成分の性質も糞尿の物理的粗成 K影響する。飼育
嬰境の要素としては温度や湿度が重要である。
給与飼料の質は、糞尿排池量のみ左らず化学的組成 K も影響を与える。また集められた糞尿中氏は、
飼櫓からとほれた飼料片も存在する。とのよう陀、舎飼家畜:の糞尿 Kは、飼料の全化学成分がそのまま
の形であるいは化学的に簡単左形と左フて含まれている。
疾病予防のために抗生物質を鰍斗 K添加する場合が多いが、この量が多すぎると大部分が糞尿陀回収
されて〈るので、糞尿を生物学的 K処理(細菌による分解、浄化)する際の障害と左 b、糞尿を大量の
水で希釈し左ければ左ら左〈在る。
物理的特性
糞尿の量 b よび物理的組成は、給与飼料会よび飼育環境 K よって左右される白したがってこれらの記
述の左い研究報告の数値は余 b意味が左い。また家畜栄養学の進展 K伴い飼料の消化率が高〈左ってい
るので、数十年前 K 比べ糞尿量は非常 K少左〈在ってきている。糞尿の物理的特性 K関する最近の研究
は非常 K少をい。との分野での業績は 20年以上も前 K行左われたもの泊吠部分で、肥料価値の追究を
目的としたものである。さら K対象とした糞尿 K は敷料が加えられている。最近の含飼方式では、敷料
をほとんど用いをいので、こ
1日当
ζ では敷料を含ま左い糞尿を対象とするとと
t
てする o
bの排出糞尿量等のアメリカ医長ける平均的左値は次のようである o
4~(軍専
新鮮糞尿、
'lb/日
。
25
2
9
.
0
全固形議謬)
揮発性
〕 76
さ
をF
晶 部間
務f
i
積 ZJ荷~
τ
o
6
4
.
0
.0
16
.0
16
85
80
手
数
:
*Volatile SOlids
,600"C 1時間で燃焼逸散する有機物
-98ー
3
前民!
5
.
6
4
.
5
a7
4
.
3
2
.
7
1
.1
2
.
0
4
.
3
aO
化学的.生物的特性
ζ の特性については、肥料的成分 K関する研究が最も多い口糞尿の肥料的成分の体重1.0 0 0J
!
.
_b 当
bの生産量を示すと次の通 bである。
牛
豚
鶏
l
.
b
f
i
年
.lb/日
lbfi
年
70
lb
〆年│
lb/日
22.400
600
20,
新鮮糞尿
56
有
機
物
12.2
,
400
4
9
.
4
3
,
400
8
.
2
3.000
無
機
物
3
.9
1
,
400
1
.
8
600
2
.
1
800
窒
素 CN)
0.93
333
0.50
185
0.38
138
リン酸 (PzO5
)
0.69
253
0.26
110
0.11
41
リ CKzO)
0.34
118
0.48
172
0
.31
112
カ
32.200
.lb/日
64
糞尿はそのまま放流すると、有機物の含量が著し〈高いので水質汚独源と在る。汚水中の有機物は
BOD(Bioch臼 nical Oxyge'n Demand,生物化学的酸素要求量)、 COD(Chemical
Oxy:gen Dernand、化学的酸素要求量)左どで検査する。 19 6 3年
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.19 6 5年 K アメリカで得
られた家畜糞尿のとれらの平均的左値を掲げると次の通 bである。
体重
Lb
揮
官
索
令
〕
BOD
lb/日 1b/vs
COD
日
lb/vs
tb/
BOD/COD
%
鶏
4-5
0.055
0.017
0.313
0.058
1
.06
29.7
豚
100
0
.95
0
.34
0.354
1
.25
1
.32
26
.8
牛
1
.000
8
.
2
1
.28
0.156
1
.28
12.2
との表をもとに、 10 0.
eb単位体重当
体 重 ( 1b)
1
0
.
5
bで比較すると次のようで、参考として人の例も掲げてj;,"><
口
COD(lb/
日)
BODClb/日)
P E)t)i(
鶏
100
0
.34
1
.16
1
.7
豚
100
0
.34
1
.25
1
.7
牛
100
0.13
1
.05
0
.
7
人
100
0
.20)
1
(
一
1
.0
X し尿の外に、家庭から下水道 K排出される汚水を含む
)
1
()
l
(Population Equivalemt
, 人民長ける BODを1.0とした場合の各家畜糞尿の
BODの相対値
表 K見られる如〈、単位体重当 bの糞尿の CODは鶏・豚・牛ともにほぼ同じ値である。しかし、
BODは鶏と豚では同じ値であるが、牛の2.6倍である。この差は、鶏や豚の飼料(従って糞)は蛋白
K富み、好気的細菌 K よる分解性が高いのに対し、牛の飼料(従って糞)は有機物中 K 占めるせλ維 質
の占める割合が高いので分解性が低いことに由来する。 CODが三者ともに同じ値左のは、 CODは糞
-!}Q-
尿中の有機物の単在る概数を与えるものにしかすぎないからである。都市下水道等の汚水を好気的酸化
池で処理(好気性菌陀よる浄化)陀当って、その負荷基準は池の底面積 1エーカー当_tBOD20.
tb
であるから、人口 100人の 1日分陀相当する。体重 1001
b の豚では 60頭の 1日分である。し治かミし、
豚の糞尿のよう左高濃度汚水をとの酸化池で
払、その量は 10 0 1
b豚 1頭 1日
:
分
分 Kτ?き約 12
.4 ga1(
57 .J.乙~)
加える必必、要があ b
の多き托達する白
したがって、都市汚水の浄化法をその主主家畜の糞尿処理(浄化 )VC
適用するととはでき左いのである。
(北大農学部朝日田康司)
-100ー