FT/CDハイブリッドゲル を新規開発。 - 産学官連携推進部門

生体構造物代替素材としての
ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル
分野・用途
・生体構造物代替材料。例えば、生体軟骨に極めて近い人工軟骨、口腔用では補綴。コンタクトレンズ、等々。
・人体等構造物のモデル材料。生体に近い感触の体内器官。例えば、血管モデルや、口腔モデル。
・生体に直接接する医療用部材。例えば、創傷被覆材。これに抗菌性等々の機能性を付与する。
研究概要
■人工軟骨用素材としての
ポリビニルアルコール(PVA)物理架橋ゲル
ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲルは、生体適合性に
優れ、簡便に作製することができる。
なかでも、PVA物理架橋ゲル(図1)は、優れた含水率と摩擦
特性を示し、生体軟骨に非常に近い性質を示す。人工軟骨用
新素材として応用が、非常に期待されている。
・上記2種類のゲルを組み合わせ
FT/CDハイブリッドゲル
を新規開発。
格段の低摩擦係数、低経年劣化特性を持つ。 (図2)
図1 物理架橋ゲルの概念図
0.25
凍結解凍(FT)ゲル
0.20
動摩擦係数 (-)
更に当研究室では、PVA物理架橋ゲルの内、
・透明で引裂強度が低いが、引張強度の強い
キャストドライ(CD)ゲル
・白濁し伸びにくいが、引裂強度の強い
凍結解凍(FT)ゲル (図1)
0.15
0.10
ハイブリッドゲル
0.05
0.00
※表層に潤滑特性に優れ透水率の低い PVA-CDゲル、下層に荷重支持特性
に優れ透水率の高いPVA-FTゲルを強固な界面で固着させることにより、固液
二相潤滑機構に基づく液相荷重支持機能と摩擦・摩耗特性の最大化を実現。
キャストドライ(CD)ゲル
0
500
1000
1500
2000
繰り返し摩擦回数 (-)
図2 ハイブリッドゲルの動摩擦係数
■人工軟骨評価用ヒト膝関節モデル
人工軟骨の評価用に、ヒト関節モデルを製作。骨格部分・靭帯に加
え、軟骨部分を再現(展示品、図3) 。軟骨部分は自由に着脱可能。
膝の曲げ伸ばしに伴って、軟骨部分がどのように摩擦するのか、
関節症患者の軟骨を再現・膝関節モデルに装着しどのように人工関
節を置換するべきか、などを視覚的に捕らえることが可能。
今後、欠損軟骨モデルや人工軟骨用ゲルを含む軟骨モデルを作
製、評価する予定。
図3 ヒト膝関節モデル(左)、軟骨モデル(右)
研究者からのメッセージ
全置換タイプの人工関節は手術やリハビリなどが患者の大きな負担となり、さらに人工軟骨の摩耗により
再手術を余儀なくされる場合もあります。我々は部分置換の実現と共に、生体軟骨のように水を含み、摩耗
をしない、ヒトに優しい人工関節の実現を目指しています。
関連する知的財産権; 特願2013-180560号「ハイブリッドゲル、及びハイブリッドゲルの製造方法」
研究者:横浜国立大学大学院 環境情報研究院 教授 鈴木淳史
連絡先:研究推進部 産学連携課
(電話) 045-339-4447 (E-mail) [email protected]