12月分全国消費者物価指数について ―エネルギー価格等の上昇率縮小でコア前年同月比+2.5%と前月から鈍化― ―1月分東京都区部・コア前年同月比+2.2%で12月分から0.1ポイント鈍化― 客員エコノミスト 宅森昭吉 コメント 物 価 の 推 移 国 企 業 物 価 指 数 輸 内 出 契約通貨 ベース 輸 入 契約通貨 ベース 日銀国際商品指数 (月末値) 日経商品指数42種 日経商品指数17種 全 国 生鮮食品を 除く総合 食料(酒類を除く)及び エネルギーを除く総合 消 費 者 物 価 指 数 東京都区部 大阪市 生鮮食品を 除く総合 食料(酒類を除く)及び エネルギーを除く総合 生鮮食品を 除く総合 企業向けサービス 価 格 指 数 26年 1月 0.2 2.5 0.3 8.1 0.1 ▲1.8 0.9 12.7 0.6 0.6 2月 ▲0.2 1.8 ▲1.4 3.1 ▲0.3 ▲2.6 ▲1.8 6.2 ▲0.5 ▲0.8 3月 0.0 1.7 ▲0.1 2.3 ▲0.3 ▲2.7 ▲0.2 4.4 ▲0.4 ▲1.4 4月 2.8 4.1 0.1 1.6 ▲0.1 ▲1.7 ▲0.4 2.5 ▲0.6 ▲1.1 5月 0.3 4.3 ▲0.6 ▲0.5 ▲0.2 ▲1.3 ▲0.8 0.6 ▲0.3 ▲0.1 6月 0.2 4.5 ▲0.2 2.1 ▲0.2 ▲1.1 0.2 4.2 0.1 0.5 7月 0.4 4.4 ▲0.1 0.7 0.1 ▲0.9 ▲0.2 2.6 0.0 0.9 8月 ▲0.2 3.9 0.7 2.7 0.1 ▲0.7 0.6 4.5 ▲0.2 0.5 9月 0.0 3.6 2.0 3.7 ▲0.2 ▲0.9 2.1 4.4 ▲0.7 ▲1.2 10月 ▲0.8 2.9 ▲0.2 4.0 ▲0.6 ▲1.7 ▲1.2 4.1 ▲1.6 ▲2.9 11月 ▲0.3 2.6 4.4 7.3 ▲0.4 ▲2.0 2.8 5.4 ▲2.6 ▲5.4 12月 ▲0.4 1.9 0.9 5.9 ▲0.7 ▲2.7 0.5 ▲1.5 ▲3.2 ▲9.0 ▲4.6 ▲11.7 1.7 ▲7.1 ▲0.4 ▲5.9 ▲0.4 ▲2.1 ▲0.4 ▲0.5 1.4 2.6 ▲3.3 ▲2.1 ▲2.9 ▲9.1 ▲6.3 ▲11.8 ▲6.1 ▲19.0 ▲12.2 ▲28.9 ▲10.8 ▲37.0 ▲0.2 8.4 ▲2.2 5.3 0.5 8.0 1.0 5.2 ▲0.7 6.7 ▲0.3 5.3 ▲0.2 6.4 ▲0.2 5.2 ▲0.6 4.8 ▲0.8 3.4 0.5 6.6 0.9 7.9 0.5 6.3 0.6 7.7 ▲0.1 4.3 ▲0.4 4.3 ▲0.6 3.4 ▲1.5 3.1 ▲0.5 2.3 ▲0.3 1.4 0.6 1.5 1.7 1.8 ▲2.1 ▲2.8 ▲2.3 ▲3.9 ▲0.2 1.4 ▲0.3 1.3 ▲0.5 0.7 ▲0.4 0.7 ▲0.6 0.7 ▲0.7 0.3 ▲0.3 1.4 0.0 1.5 0.1 1.3 0.1 0.8 0.1 1.1 0.1 0.9 0.1 0.5 0.1 1.5 0.3 1.6 0.3 1.3 0.3 0.7 0.4 1.3 0.5 1.0 0.5 0.4 0.4 1.6 2.1 3.4 2.2 3.2 2.0 2.3 2.0 2.9 2.0 2.7 1.9 2.0 1.9 3.1 0.4 3.7 0.4 3.4 0.0 2.2 0.3 3.1 0.3 2.8 0.0 1.9 0.4 2.9 ▲0.1 3.6 0.0 3.3 ▲0.1 2.3 ▲0.2 3.0 0.0 2.8 ▲0.1 2.0 ▲0.1 2.8 0.0 3.4 0.1 3.3 0.0 2.3 0.0 2.8 0.0 2.7 0.0 2.1 0.1 2.8 0.2 3.3 0.0 3.1 0.1 2.3 0.3 2.8 0.2 2.7 0.2 2.1 0.0 2.6 0.2 3.2 0.0 3.0 0.0 2.3 0.2 2.8 ▲0.1 2.6 ▲0.2 2.0 0.1 2.6 ▲0.3 2.9 0.1 2.9 0.3 2.2 ▲0.2 2.5 0.2 2.6 0.3 2.1 0.1 2.3 ▲0.4 2.4 ▲0.2 2.7 ▲0.2 2.1 ▲0.4 2.1 ▲0.2 2.4 ▲0.2 1.8 ▲0.1 2.3 0.1 2.4 ▲0.2 2.5 0.0 2.1 0.1 2.2 ▲0.2 2.3 ▲0.1 1.8 ▲0.3 2.2 ▲0.4 0.4 0.3 0.4 0.6 0.5 2.4 3.3 0.2 3.5 0.1 3.5 0.0 3.4 ▲0.2 3.5 0.1 3.5 0.1 3.6 0.4 3.6 0.0 3.6 (%) 27年 1月 ▲0.3 2.3 ▲0.6 2.2 ▲0.8 1.7 ▲0.3 2.2 (注) 上段:前月比、下段:前年同月比、% (出所)日本銀行、総務省、大阪府、日本経済新聞社 ●12月分の全国消費者物価指数・総合指数は2010年を100とした指数が、103.3となり、 前月比は+0.1%の上昇、前年同月比は+2.4%の上昇となった。前年同月比は、96年10月 から98年6月にかけて21カ月連続で上昇して以来、16年6カ月ぶりの19カ月連続上昇となっ た。 ●生鮮食品の前年同月比は▲0.6%の下落となった。11月分は▲3.1%の下落だったので、総 合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.10%とプラスになった。また、エネルギー全体の前 年同月比は+2.8%となった。11月分の上昇率+3.9%より伸び率が低下したので、総合指数 の前年同月比に対する寄与度差は▲0.10%の押下げ要因になった。 (次頁へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 ●円安でハンドバッグ(輸入品)が前年同月比+10.7%になり12月分総合指数の前年同月比に 対する寄与度差は+0.02%の押し上げ要因になった。12月分の宿泊料は前年同月比+7.6% で、11月分の前年同月比+6.0%から伸び率が上昇した。総合指数の前年同月比に対する寄与度 差は+0.01%の押し上げ要因になった。11月分は前年同月比+1.2%の上昇だった外国パッ ク旅行は、12月分では同+2.6%へ伸び率が上昇した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差 は+0.01%だった。 ●原油価格の大幅下落がガソリンや灯油に影響している。ガソリンの前年同月比は▲2.5%の下落 と19カ月ぶりの下落となった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.09%だった。灯 油の前年同月比は▲3.4%の下落とこちらは28カ月ぶりの下落となった。総合指数の前年同月比 に対する寄与度差は▲0.03%だった。但し、過去のLNG価格が上昇していることから、電気代 の前年同月比は+6.3%となった。11月分の上昇率+6.0%より伸び率が上昇した。総合指数 の前年同月比に対する寄与度差は+0.01%と押し上げ要因だった。都市ガス代の前年同月比は+ 4.9%となった。11月分の上昇率+3.6%より伸び率が上昇した。総合指数の前年同月比に対 する寄与度差は+0.01%と押し上げ要因だった。 ●テレビやパソコン、エアコンといった教養娯楽用耐久財は12月分では前年同月比+1.7%と1 1月分の+3.9%から鈍化し、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.02%だった。そ のうちテレビは11月分の前年同月比+5.7%から12月分は+3.7%と上昇率が鈍化した。総 合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.01%だった。また、家庭用耐久財は全体で前年同月 比+2.8%で、11月分の前年同月比+2.2%からわずかに上昇した。総合指数の前年同月比に 対する寄与度差は0.00%だった。 ●12月分の生鮮食品を除く総合指数は2010年を100とした指数は103.2で、前月比▲0. 2%の下落、前年同月比は+2.5%の上昇だが11月分の+2.7%から0.2ポイントの鈍化と なった。なお前年同月比は19カ月連続で上昇した。19カ月連続でのプラスは96年4月から98 年4月にかけて25カ月連続で上昇して以来16年8カ月ぶりのことである。増税分を除いたベース の前年同月比は+0.5%で、3カ月連続して+1.0%を割り込んだ。 ●12月分の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は100.8となり、前月比0.0% の横這い、また前年同月比は+2.1%と11月分と同じになった。前年同月比は15カ月連続上昇 した。15カ月連続前年同月比がプラスなのは98年8月まで長期にわたって連続で上昇していた時 以来で、16年4カ月ぶりである。 ●日銀の3月の金融経済月報の最後に掲載された試算結果を使って、4月分~12月分の全国消費者 物価指数の実績値「除く増税分ベース」を計算してみると、総合が+1.5%から+1.6%に上昇 した後+1.5%、+1.4%、+1.2%、+1.1%、+0.8%、+0.3%、+0.3%に 鈍化。生鮮食品を除く総合は+1.5%、+1.4%、+1.3%と鈍化した後いったん+1.3% と同じ上昇率になり、再び鈍化し+1.1%、+1.0%、+0.9%、+0.7%、+0.5%に なった。食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合は+0.8%から+0.5%に鈍化した後+ 0.6%となり、7月分・8月分・9月分がともに+0.6%の上昇率だったが、10月分で+0. 5%、11月分で+0.4%、12月分で+0.4%となっている。 (次頁へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 ●総合指数の季節調整済み指数は12月分が103.4で前月比+0.1%の上昇。生鮮食品を除く 総合指数の季節調整済み指数は12月分が103.3で前月比0.0%の横這いだった。総合指数の 上昇は生鮮食品によることがわかる。食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数の季節調整済 み指数12月分は100.8で前月比上昇となった。足元コアコアの部分の物価は上昇基調と言えそ うだ。 ●ESPフォーキャスト調査・1月調査によると、全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年 同期比の予測平均値は、15年1~3月期は+2.53%で、14年4~6月期の+3.3%をピー クにして上昇率が鈍化する見込み。14年度は+2.96%という予測平均値となっている。消費増 税の影響を除いたベースでは、15年1~3月期+0.60%と1%割れの伸び率が続くという見通 しとなっている。消費増税の影響を除いたベースの14年度の上昇率は+0.95%という予測平均 値となっている。15年4~6月期は+0.61%(消費増税の影響を除いたベースで0.59%) のあと7~9月期は+0.71%で、10~12月期は+0.94%、16年1~3月期は+1.1 3%と上昇する見込み。15年度の上昇率は+0.84%だ。なお、原油価格(WTI)の予測平均 値は15年度66.76ドル/バレル、円相場の予測平均値は15年度121円92銭となっている。 ●物価上昇率を決める主因の需給ギャップ(GDPギャップ)は内閣府の試算で14年7~9月期は ▲2.8%と、4~6月期の▲2.2%からマイナス幅が拡大した。但し、しっかりしたプラスの成 長率が見込まれる10~12月期以降は再び需給ギャップは改善基調に戻り、生鮮食品を除く総合指 数の前年同月比プラス基調継続を下支えする要因になると思われる。 (1月分の暫定的予測) ●1月分の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+2.4%程度と12月分と同程度の上昇率に なろう。生鮮食品は上昇に寄与しよう。これで20カ月連続の前年同月比上昇となるとみた。20カ 月連続は96年10月から98年6月にかけて21カ月連続で上昇して以来、16年7カ月ぶりだ。 前月比は▲0.2%程度とみる。 ●1月分の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.4%程度と12月分の+ 2.5%から上昇率が鈍化すると予測する。なお、96年4月から98年4月にかけて25カ月連続 で上昇して以来16年9カ月ぶりに、20カ月連続で前年同月比プラスになろう。前月比は▲0.4% 程度になろう。1月分が予測通りだと消費増税分を除くと前年同月比は+0.4%程度であり、4カ 月連続して+1.0%を下回ることになる。 ●また、1月分の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+2.0%程度と12 月分の+2.1%から上昇率がやや鈍化すると予測する。前年同月比は98年8月までの連続上昇以 来、16年5カ月ぶりの16カ月連続プラスになりそうだ。前月比は▲0.6%程度になろう。 ●関連データである1月分の東京都区部消費者物価指数では、総合の前年同月比は+2.3%と12 月分+2.2%から上昇、19カ月連続の上昇になった。生鮮食品の前年同月比は+5.1%と12 月分の同▲0.4%の下落から上昇に転じた。生鮮食品の総合指数の前年同月比に対する寄与度差は +0.22%になり前年同月比の押し上げの主因になった。エネルギー全体の前年同月比は+3.6% となり12月分の+4.3%から鈍化し、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.04%に なった。ガソリンは1月分では前年同月比▲12.6%で12月分の同▲2.9%から下落幅が拡大 し、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.09%になった。一方、電気代の前年同月比は +6.9%で12月分の同+6.0%から上昇し、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0. 03%になった。 (次頁へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 ●また、1月分ではテレビの前年同月比が▲4.1%と12月分同▲2.7%から下落幅が拡大し、 総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.01%になった。一方1月分の宿泊料は前年同月比 +6.2%で、12月分の前年同月比+7.6%から伸び率が鈍化した。総合指数の前年同月比に対 する寄与度差は▲0.02%の押し下げ要因になった。1月分の消費者物価指数・総合の東京都区部 (速報)の前月比は▲0.3%だった。1月分は毎年被服及び履物が前月比で下落する。今年は前月 比▲6.0%だった。一方、大阪市の総合1月分前年同月比は+2.2%と12月分の同+1.8% から0.4ポイント上昇、20カ月連続の上昇になった。1月分の前月比は0.0%だった。 ●1月分の生鮮食品を除く総合の前年同月比は、東京都区部(速報)は+2.2%で12月分の+2. 3%から鈍化したが、21カ月連続の上昇になった。1月分の前月比は▲0.6%で3カ月連続の下 落だった。大阪市の生鮮食品を除く総合の1月分前年同月比は+2.2%で12月分と同じ上昇率で、 21カ月連続の上昇になった。1月分の前月比は▲0.3%だった。 ●東京都区部(速報)の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合の1月分前年同月比は+1.7% で12月分の+1.8%から鈍化したが、15カ月連続で上昇した。1月分の前月比は▲0.8%で 3カ月連続の下落だった。一方、大阪市では1月分の前年同月比は+1.8%と12月分の+1.9% から鈍化したが、16カ月連続の上昇になった。1月分の前月比は▲0.4%だった。 (1月30日現在) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
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