(1) ∫ log x dx

¶
³
問 次の広義積分を求めよ.
Z 1
(1)
log x dx
Z
1
√
(2)
0
−1
1
dx
1 − x2
µ
´
まずは,これらの積分が広義積分であることを認識すること.実際,
(1) は x = 0 のとき,被積分関数の log x は定義できない.
1
(2) は x = ±1 のとき,被積分関数の √
log x は定義できない.
1 − x2
¶
広義積分
f (x) を [a, b) 上の連続関数とする.
Z
a < c < b に対して,閉区間 [a, c] 上で f (x) は連続であり,
³
b0
f (x)dx は存在する.
a
ここで
Z
Z
b
c
f (x)dx := lim
c→b−0
a
f (x)dx
a
が存在するとき f (x) は広義積分可能であるという.また,この値を f の広義積分
という.
´
µ
定積分と同じ記号を用いるが,実際には極限計算が必要であることに注意すること.
解答
Z
Z
1
log x dx = lim
(1)
ε→+0
0
Z
1
log x dx =
ε
lim [x log x]1ε
ε→+0
1
−
dx = lim ε log ε − 1
0
ε→+0
ここで,ロピタルの定理を用いて
lim ε log ε = lim
ε→+0
log ε
1
ε
ε→+0
Z
= lim
ε→+0
1
ε
− ε12
= lim (−ε) = 0
ε→+0
1
log x dx = −1 である.
よって,求める広義積分は
0
Z
(2)
1
1
√
dx = lim
2
ε→+0
1
−
x
−1
= π
Z
1−ε
1+ε
£ −1 ¤1−ε
1
π ³ π´
√
− −
dx = lim sin x 1+ε =
ε→+0
2
2
1 − x2