2014 年 数学通論 I 演習解答 6 (津川 光太郎) 間違いを見つけたら教えて下さい. 1 G(x) = arctan x − x/(1 + x2 ), H(x) = x − arctan x とおくと, x > 0 において 2x2 > 0, (1 + x)2 x2 H ′ (x) = > 0, 1 + x2 G′ (x) = より G(x), H(x) は x > 0 で (狭義) 単調増加である. さらに G(0) = 0, H(0) = 0 なので G(x) > G(0) = 0, H(x) > H(0) = 0. 2 (i) x > 0 において考える. log y = (1/x) log x より, y′ 1 = 2 (1 − log x). y x y ′ = yx−2 (1 − log x) = 0 を解くと, y > 0 より, x = e が唯一の解である. また, ロピタル の定理より, log x 1 = lim = 0 x→∞ x x→∞ x lim log y = lim x→∞ であるから, 指数関数の連続性より lim y = lim elog y = elimx→∞ log y = e0 = 1 x→∞ x→∞ また, 明らかに limx→+0 y = 0. 以上により, 増減表を考え, グラフの概形を描けばよい. (ii) x > 0 において考える. y ′ = log x + 1 より y ′ = 0 の解は e−1 のみ. また, ロピタル の定理より, log x 1/x = lim =0 x→+0 1/x x→+0 −1/x2 lim y = lim x→+0 が成り立つ. また, 明らかに limx→∞ y = ∞. 以上により, 増減表を考え, グラフの概形を 描けばよい. 数学通論 I 第五回レポートのフィードバック(伊藤) 1. よくできていたが、特に (3)(5) あたりで計算ミスしている人がいたので注意。 2. x ̸= 0 で f ′ (x) を計算して x → 0 で f ′ (x) を求めようとしている人がいたが、これ は正しくない。特に、(i) について、これで f ′ (0) が存在しないと考えた人がいたが、 連続でないだけで、f ′ (0) は存在することに注意。このように微分の公式が使えない x = 0 では微分の定義通りに極限を計算しなければならない。 3 (i) x − sin x 1 − cos x sin x 1 = lim = lim = 3 2 x→0 x→0 x→0 6x x 3x 6 lim (ii) lim x→1+0 x−1 1 = lim =1 x→1+0 log x 1/x (iii) √ x − arcsin x 1 − 1/ 1 − x2 −x(1 − x2 )−3/2 −(1 − x2 )−3/2 1 lim = lim = lim = lim =− x→0 x − x cos x x→0 1 − cos x + x sin x x→0 2 sin x + x cos x x→0 2 sin x/x + cos x 3 3 番目の等式においては分母, 分子を x で割りました. このようにしなくても, おそら くもう 1 回ロピタルの定理を使っても解けるでしょう. (iV) y = xx/(1−x) とおくと, lim log y = lim x→1 x→1 x log x log x + 1 = lim = −1 x→1 1−x −1 よって指数関数の連続性より limx→1 y = limx→1 elog y = e−1 を得る. 4 (i), (ii) は, n = 1, 2, 3, · · · に対して具体的に計算して推測し, 帰納法により示すこと により (i) y (n) = (−1)n n!/(1 + x)n+1 , (ii) y (n) = α(α − 1) · · · (α − n + 1)(1 + x)α−n . (iii) f (x) = 3x , g(x) = x2 + x とおくと f n (x) = 3x (log 3)n , g ′ (x) = 2x + 1, g ′′ (x) = 2, g (k) (x) = 0 (k y (n) = 3) よりライプニッツの公式を用いて, 2 ∑ ( n ) f (n−k) (x)g (k) k { } n(n − 1) x n 2 n−1 n−2 = 3 (log 3) (x + x) + n(log 3) (2x + 1) + (log 3) ·2 2! { } = (log 3)n−2 3x (log 3)2 x2 + (log 3)(2n + log 3)x + n(n − 1 + log 3) { } 1 1 1 (iv) y = − に (i) を適用して, 3 x−2 x+1 k=0 y (n) ) (−1)n n! ( 1 1 = − . 3 (x − 2)n+1 (x + 1)n+1 5 合成関数の微分公式より, dz dg dy dg dy = · となり, , はともに微分可能であるか dx dy dx dy dx ら, 積の微分により, ) ( ) dg dy dg d dy + · · dy dx dy dx dx ( )2 dg d2 y d2 g dy + = dy 2 dx dy dx2 d2 z d ( dg dy ) d = · = 2 dx dx dy dx dx ( ただし最後の等号において以下を用いた. d ( dg ) d ( dg ) dy d2 g dy = = 2 dx dy dy dy dx dy dx
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