第63号 - 東邦大学医療センター大森病院

平成27年1月10日発行
リウマチ膠原病センター 川合 眞一
教授(昭和52年・慶應義塾大学卒)
8名のリウマチ専門医で診療しています
私は高校まで浜松で育ち、1977 年に慶應義塾大学医学部を卒業しました。当時は、卒業後直ぐ
に診療科に所属するシステムであったので内科に進むことを決め、さらに内科ローテンション中
にリウマチ内科を選びました。その後、米国国立衛生研究所(NIH)への留学や都立病院勤務を経て、
1991 年より聖マリアンア医科大学難病治療研究センターに異動しました。1999 年に同センター教
授となりましたが、大森病院で膠原病科を立ち上げることとなり、2004 年 4 月に教授として着任
しました。
私の専門領域は関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどのリウマチ膠原病疾患全般ですが、
特にステロイドや免疫抑制薬、また抗リウマチ薬などによる薬物治療を専門としています。その
ため、最近大きく進歩した関節リウマチや他の膠原病の治療法については、多くの基礎および臨
床研究に携わり、実際の患者さんの治療でも最新の薬物療法を行ってきました。また、関節リウ
マチの治療にはメトトレキサート(商品名:リウマトレックスなど)という標準治療薬がありま
すが、1999 年の承認当時は上限用量が週 8mg(週 1 ∼ 2 日だけ服用する薬)と欧米の 1/3 ほど
で使い難い薬でした。それを厚生労働省や医薬品医療機器総合機構などと相談しながら倍量の週
16mg にしてもらうなど、行政に働きかける活動も中心的に担ってきました。その他の関節リウ
マチ治療薬では、現在では当たり前のようになった生物学的製剤と呼ばれる注射治療薬について
も多くの薬の開発に関わり、承認後は多くの患者さんに使っています。
全身性エリテマトーデスや顕微鏡的多発血管炎などのいわゆる膠原病疾患では、現在でもステ
ロイドが中心的な治療薬です。ステロイドは良く効くのですが、顔が丸くなるばかりでなく感染
症や骨粗鬆症などの副作用が従来から大きな問題になっていました。しかし、これらの疾患でも
最近ではシクロホスファミド(商品名:エンドキサン)などの免疫抑制薬や、ときに生物学的製剤
なども積極的に使うようになり、大きく変わりつつあります。当科では、こうした新しい考え方
で組み立てた最新の治療法を、患者さんと充分に話し合って納得してもらった上で行っています。
以上、紹介させていただいたように、リウマチ膠原病疾患の治療はこの十数年で大きく進歩し
ました。大学以外でもリウマチ専門医としてこれらの最新治療薬に造詣の深い先生方もいらっしゃ
いますが、副作用で入院が必要になった場合などを心配されて使用に躊躇されている場合も少な
くないと思います。当科には私を含めてリウマチ専門医が 8 名おりますので、いつでもご相談い
ただければ対応させていただきます。
診療予約
診療日
診療のご予約は、下記までご連絡下さい。
診療日・診療時間をご案内いたします。
医療機関専用電話
パートナー
03−3762−6616(直通)
(受付時間 平日 8:30∼17:00、土曜 8:30∼14:00)
(休診日:第3土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始・創立記念日6/10)
川合 眞一 教授:火曜日午前
木曜日午前
東邦大学医療センター大森病院
Toho University Omori Medical Center
〒143-8541 東京都大田区大森西 6-11-1
03−3762−4151(代表)
http://www.omori.med.toho-u.ac.jp/
発行元:地域医療支援センター
平成27年1月10日発行
呼吸器センター外科 秦 美暢
准教授(昭和61年・防衛医科大学校卒)
肺癌の個別化医療と地域密着型の大学病院を目指して
医師会の先生方や近隣の中核病院の先生方の御協力を頂きまして、年々肺癌および呼吸器外科の手術症
例数が増加しております。東邦大学では院内各科の連携が良く、様々な併存疾患を有する患者さんにも他
科の協力を得て安全で根治的な治療を実施しております。昨年は伊豫田明教授が着任され、肺癌手術件数
も年間103例と都内でも有数の実績となりました。
当科の肺癌の手術
胸腔鏡を用いた低侵襲な手術を実施しています。火曜と水曜が手術日であり、前週末に入院して頂いて
います。術後は1週間程度での退院が目標となりますが、ご本人の自信やご家族のご都合等を考慮して、
柔軟に対応しております。
退院後病理検査結果にもとづき、再発予防の術後補助化学療法を検討します。通常、術後1∼2か月頃
に、内服1∼2年または点滴3∼4か月程度の治療を計画しています。また、切除した癌を詳しく調べ
て、個々の患者さんに適した治療について研究を進めています。
少し進んだ病期の患者さんに対しては、呼吸器内科や放射線科と毎週話し合いながら集学的治療を行っ
ています。術前に化学放射線療法を行ったうえで手術適応を検討する、という術前導入療法も2001年から
行なっており、良好な成績を得ています。
また低肺機能者や高齢者に対しても、リハビリテーション科の協力を得て安全な周術期管理と退院後の
フォローを行っております。
その他の呼吸器外科手術
縦隔腫瘍や転移性肺腫瘍、悪性胸膜中皮腫などに対しても積極的に手術を行なっており、心臓血管外科
に協力頂いて人工心肺下の拡大手術も実施しています。
外科手術は、腫瘍・炎症・外傷が3本柱です。肺真菌症などの炎症性肺疾患に対しては、内科や放射線
科と連携して適切なタイミングで手術を行なっており、胸部外傷に対しては、救命センターと連携しなが
ら多数の重症例を救命しています。外科としてバランスのとれた診療を実施しています。
自然気胸に対しては、初発例は呼吸器内科に対応して頂いていますが、再発例など昨年は56例の手術を
実施しています。特に出血を伴う血気胸に対しては少しでも輸血をしないで済むように、深夜であっても
直ちに緊急手術で対応しています。
地域の先生方と密接に連携をとりながら、益々高度化し多様化する医療のニーズに対応し、さらには医
学の発展へ向けて情報発信をしていきたいと考えております。
よろしくお願い致します。
診療予約
診療日
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医療機関専用電話
パートナー
03−3762−6616(直通)
(受付時間 平日 8:30∼17:00、土曜 8:30∼14:00)
(休診日:第3土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始・創立記念日6/10)
初診患者さんは月曜・木曜・金曜・土曜に
受け付けております。
緊急時は火曜・水曜も手術日ではあります
がご連絡下さい。
東邦大学医療センター大森病院
Toho University Omori Medical Center
〒143-8541 東京都大田区大森西 6-11-1
03−3762−4151(代表)
http://www.omori.med.toho-u.ac.jp/
発行元:地域医療支援センター