03−3762−6616(直通)

平成27年9月10日発行
消化器センター内科 塩澤 一恵
助教(平成11年・北里大学卒)
肝臓がんの内科的治療
東邦大学医療センター大森病院消化器内科で、主に肝臓癌に対する超音波検査やCT検査による画像
診断および治療を行っております。
肝臓癌は現在、肝炎ウイルス薬の進歩などにより減少傾向にあると言われてはいますが、アルコー
ルや近年話題となっている非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、糖尿病などの生活習慣病に関連する
疾患が原因となることも多く、撲滅といった状況までには至っていないのが現状です。
患者さんの診断および治療の流れとしましては、まずは超音波検査やCT検査、必要によりMRI検査
を行い、診断がつきましたら、患者さんやご家族の意見も尊重しながら、肝癌診療ガイドラインに基
づき治療法を決めていきます。肝臓癌の治療はこのガイドラインを基に、肝臓の機能や癌の部位・大
きさ・個数などに応じて外科的治療・内科的治療に大きく分けられ、われわれは毎週1回、消化器外
科の先生方と合同カンファレンスを行い、患者さん個々の状態に合わせて、最良の治療を受けていた
だけるよう皆で話し合っています。
肝臓癌の内科的治療にはラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓術(TACE)、リザーバー持続
肝動注化学療法、内服薬である分子標的薬(ネクサバール)があります。私は、特にTACEやリザー
バー持続肝動注化学療法などの経カテーテル治療、ネクサバール内服治療、各種治療を組み合わせた
集学的治療を中心に行っております。また、私は2013年4月∼2年間当院関連病院へ出向し、その際に
低侵襲である定位放射線治療の一つであるサイバーナイフ治療についても学ばせていただき、患者さ
んの希望や適応症例によりましてはサイバーナイフ治療についての相談も可能です。
基本的には、担当させていただいた患者さんにつきましては、外来で診断・治療について患者さ
ん・ご家族が納得するまで十分説明し、入院期間中も主治医として責任をもって治療にあたらせてい
ただきます。肝臓癌は治療を繰り返すことも多く、治療後は外来で引き続き経過を診させていただき
ます。
肝臓癌は内科的治療が充実しており、各治療を組み合わせることにより、よい治療効果も得られて
います。単発症例、進行症例に限らず肝臓癌患者さん、肝臓癌が疑われる患者さんがおりましたら、
東邦大学医療センター大森病院パートナーまでご連絡いただければ幸いです。今後とも何卒よろしく
お願いいたします。
診療予約
診療日
診療のご予約は、下記までご連絡下さい。
診療日・診療時間をご案内いたします。
医療機関専用電話
パートナー
03−3762−6616(直通)
(受付時間 平日 8:30∼17:00、土曜 8:30∼14:00)
(休診日:第3土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始・創立記念日6/10)
塩澤 一恵 助教:再診月曜日 午前
木曜日 午後
東邦大学医療センター大森病院
Toho University Omori Medical Center
〒143-8541 東京都大田区大森西 6-11-1
03−3762−4151(代表)
http://www.omori.med.toho-u.ac.jp/
発行元:地域医療支援センター
平成27年9月10日発行
消化器センター外科 栗原 聰元
助教(平成6年・東邦大学卒)
大学病院における最善の肛門疾患診療を目指して
痔核や痔瘻などの直腸肛門の良性疾患は症例数が多い外科的な疾患ですが、その特殊性から総合病
院の外科でも本格的に扱っている病院は少なく、肛門疾患専門病院で治療されることが多いのが実情
と思われます。また大学病院では癌を中心とした悪性疾患の診療に重点が置かれるために、直腸肛門
の良性疾患まで扱う余裕がないことが一般的です。一方で東邦大学医療センター大森病院は、大学病
院としては珍しく直腸肛門の良性疾患を伝統的に扱う歴史を有しています。
私は平成11年に医局からの出向で勤務した肛門専門病院での1年間の研修をきっかけとして肛門疾
患に興味を持ち、これが直腸肛門の良性疾患を専門領域として選択する経緯になりました。そして平
成20年より当病院での大腸・肛門外科領域における直腸肛門良性疾患の担当を前任より引き継いで今
日に至っています。
主に扱う疾患としましては、痔核、痔瘻、裂肛、直腸脱などがあげられます。
直腸肛門疾患の診療に際して難しい点は、排便という機能的な側面を有することと、疼痛を感じや
すい繊細な器官であることに熟知した上で、診療にあたらなければならないことにあると考えていま
す。
具体的な手術の方法としては、最も頻度の多い痔核に対しては、オーソドックスでどのような痔核
にも対応できる結紮切除半閉鎖術を主に行っています。また心疾患などで抗凝固療法中の症例の場
合、薬剤中止に伴う血栓塞栓症の発症を防ぐため、あえて抗凝固療法を継続したまま止血効果の高い
超音波メスを利用して、術後の合併症を最小限にする工夫をしています。
痔瘻の手術に際しては肛門括約筋の切除が不可避でありますが、術後の括約筋機能障害を最小限に
するために可能な限り括約筋を温存する術式を行うよう心がけています。また最近の高齢化に伴い増
加傾向にある直腸脱に対しては、経肛門的な手術も経腹的手術で、平成24年に保険収載された腹腔鏡
下直腸固定術のいずれのアプローチも施行可能な対応力の高い外科として治療にあたっています。さ
らに、大腸肛門の機能検査として排便造影検査、直腸肛門内圧検査、経肛門的超音波検査などを施行
して、排便障害などの機能性疾患の診断と治療も行っています。
地域の先生方、直腸肛門良性疾患の患者さんがいらしたら、是非ご紹介のほどをよろしくお願いい
たします。
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(受付時間 平日 8:30∼17:00、土曜 8:30∼14:00)
(休診日:第3土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始・創立記念日6/10)
栗原 聰元 助教: 再診月曜日 午前・午後
土曜日 午前(第2・4週)
東邦大学医療センター大森病院
Toho University Omori Medical Center
〒143-8541 東京都大田区大森西 6-11-1
03−3762−4151(代表)
http://www.omori.med.toho-u.ac.jp/
発行元:地域医療支援センター