2014/7/19
クルノー競争
以下のような状態を考える
① ある市場を数社の生産者が寡占している
ゲーム理論(5)
連続的戦略・連続的利得と
寡占下での競争理論
② 市場での製品価格はこの数社の生産量の合
計で決まる
③ 各社は利益最大化を目指す
このときの各生産者が決める生産量に関する理
論をクルノー競争という
例.コモディティ商品、農産物の供給量と価格
(値崩れ、豊作貧乏、減反政策)
 ある町に2社の製パン業者、F社とY社がある
 2社はシェア争いをしており、協調することは無い
 ある食堂から次の条件でパン納入の依頼があった
– パンの規格は同一
– 仕入価格は両社からの納入数の合計を200から引いた金
額とする
– 合計納入数が130個以上であれば価格は70円とする(た
だし、パンの製造原価は両社とも80円である)
最大利益を得るためにはいくつパンを納入すべきか
考え方
F社、 Y社の納入量をQF、QY、納入価格をPとする
( QF  QY  130 ならばP=70 )
P  200  (QF  QY )
F社の利益  ( P  80)  QF  200  (QF  QY )  80  QF
 120QF  QF 2  QF QY
 QF 2  (120  QY )  QF
2
まとめ
F社が最大利益を得るための納入量
⇒ QY  2QF  120
Y社が最大利益を得るための納入量
⇒
1
QY   QF  60
2
2
より、F社は納入量
120  QY
のとき、(つまり QY  2QF  120 )
2
2
120

Q

Y 
最大利益 
 を得る
2


QF 
両社の最適生産量の比較
同様にY社は、納入量
1
120  QF
QY 
のとき、(つまり QY   QF  60 )
2
2
2
 120  QF 
最大利益 
 を得る
2


2
120  QY   120  QY   120  QY 

   QF 
 
 

2
2
2

 
 

両社の利益最大
条件を図示する
QY  2QF  120
1
QY   QF  60
2
F社の利益
QF 2  (120  QY )  QF
QY
120
F社
Y社の納入量
例)食パンの納入業者の競争
ナッシュ均衡
(40、40)
60
F社の納入量
Y社
60
QF
120
両社の納入量が共に40個のとき、利益は共に1600円
F社だけが納入量を変えた時、F社の利益は減少する
50個のとき: -502+(120-40)x50=1500
30個のとき: -302+(120-40)x30=1500
Y社も同様である ⇒ (40、40)はナッシュ均衡
1
2014/7/19
ベルトラン競争
以下のような状態を考える
① 市場を数社が寡占している
② 最も安い価格を示した者が市場を独占する
(同一価格なら需要を均等に配分)
③ 各社は利益最大化を目指す
このときの各生産者が決める価格に関する理論
をベルトラン競争という
例)食パンの納入業者の競争(2)
 ある町に2社の製パン業者、F社とY社がある
 2社はシェア争いをしており、協調することは無い
 ある食堂から次の条件でパン納入の入札があった
– パンの規格は同一で毎日100個購入する
– 安い納入価格を提示した業者からすべてを購入する
パンの製造原価が両社とも80円であるとき、最大利益
を得るためにはいくらで入札すべきか
結論
ナッシュ均衡:共に80円で入札(利益0)
例.値下げ競争
店の立地問題
ある海水浴場に2軒の海の家A,Bが有る
海水浴客は砂浜に均等に分布している
2軒の店に違いはなく、客は近い店を利用する
このとき、A,Bはどの位置に店を構えるべきか
A
B
Aの商圏
Bの商圏
砂浜
海
2