超算数脳・速報!

超算数脳・速報!
2015PresidentAcademy 夏で学んだ
「囚人のジレンマ」が
センター試験(政治・経済)に
出題されました。
<『超算数脳』スーパーバイザー> 伴睦久先生から
『超算数脳』的解説が届きました!
「選択肢を作れる人間になろう!」 ―解答が正しいとは限らない―
▼2015 年夏に京都大学で行われたプレジデントアカデミーで取り扱った「囚人のジレンマ」が
センター試験で出題されました。「ナッシュ均衡」を覚えた【超算数脳】の皆さんにとって、この
問題は計算するだけならとても簡単です。京都大学で習ったように、先生と一緒にセンター試験の
問題を解いてみましょう。
▼まず、この問題の形式は「選択式文章題」です。そのため、まずは選択肢をざっと眺めてみま
しょう。すると、明らかに間違っているものがありますよ。選択肢を順番にみていきましょう。
▼まずは、①です。 A 国になったつもりで、最も高い点数が取れる場合を探しましょう。
すると「A 国が 15 点」が一番高いので、この時のそれぞれの国が選んでいる選択肢の組み合わせ
か(これを「戦略の組」と呼びました)を確認しましょう。
●15 点取れるのは(A 国の戦略,B 国の戦略)がそれぞれ(非協調,協調)の時ですね。
この選択肢は(協調,非協調)と順番が逆になっていますね。
ですから、間違いであることがわかりました。この選択肢は消えますね。
▼次に②です。まず、選択肢の文章にある通り、表中の「A 国・協調」を見てみると…。
「B 国の戦略」が「非協調」なら 15 点なのですが、協調では 10 点しかもらえません。ですから、
これも間違いです。
▼④の選択肢の文章を読むと、前半で「A 国と B 国がともに非協調を選択すれば、両国の点数の
合計は最大化される」とありますね。これが本当か確認しましょう。
●(非協調,非協調)だと、合計は 5+5 = 10(点)です。この 10 点が最大(一番高い得点)な
のか、試しに他のところを計算してみましょう。
●(協調,協調)のところは 10 + 10 で 20 点。この時点でこの選択肢は間違いです。
※もし(協調,非協調)か(非協調,協調)のところを選んだ場合でも、10 点より大きくなるの
で、どれを確認しても間違いだとわかります。
▼よって、③が残りました。だから、これ!という気持ちもわかりますが、これも確認します。
●A 国と B 国がともに協調すると 10 + 10 = 20(点)、他は 16 点と 10 点になりますから、確
かに最大です。ここまでの前半は正しい。
●では、後半の「協調を選択できない」は正しいでしょうか?
ここで、いよいよ「ナッシュ均衡」の出番です!思い出しましょう。問題文にある「自国の得る点
数の最大化だけをめざすものとする」という条件が重要です。
▼まず、A 国のつもりで考えると、
●B 国が協調の時、自分(A 国)は協調 10 点より非協調 15 点の方が高い点数なので、「A 国に
15 点」の下に下線を引くんだったよね?
●B 国が非協調の時、自分(A 国)は協調 1 点より非協調 5 点の方が高い点数なので、「A 国に 5
点」の下に下線を引くよ。
▼今度は B 国のつもりで考えると、
●A 国が協調の時、自分(B 国)は協調 10 点より非協調 15 点の方が高い点数なので、「B 国に
15 点」の下に下線を引きます。
●A 国が非協調の時、自分(B 国)は協調 1 点より非協調 5 点の方が高い点数なので、「B 国に 5
点」の下に下線を引くと…。
▼A 国・B 国の両方に線が引いてある枠のところの戦略の組が「ナッシュ均衡」でしたね。
どちらの国も「ナッシュ均衡」を選ぶ。つまりどちらの国も「非協調」を選ぶことがわかります。
言い換えれば,「協調」を選ぶことはありません。これで「『協調』を選択できない」という後半
部分も正しいことがわかりました。
よって③が残りました!答えは③です!
実際に発表された答えを確認すると…無事に③でした!めでたし、めでたし。
というのがあらすじなのですが、よく見ると、実は問題の文章は全部間違っています。
では、③の何が間違っているのでしょう?(まず自分でよく考えてみましょう!)
<伴先生のセンター試験を超える超算数脳的解説>
細かい点は色々あるのですが、最大の間違いは③の選択肢にある「相手の行動が読めない以上」と
いう部分に問題があります。
今一度、表をよく見て考えてみましょう。
どちらの国にとっても、
・相手国が協調の場合、非協調を選ぶのが自国の得点の最大化になっている
・相手国が非協調の場合、非協調を選ぶのが自国の得点の最大化になっている
ことがわかります(まず A 国になったつもりで、次に B 国になったつもりで、それぞれ順番に考
えてみましょう)。
つまり、問題文にある「自国の得る点数の最大化だけをめざすものとする」という条件に従う限り、
相手が協調であろうが非協調であろうが、自分は非協調を選ぶことになります!(これをゲーム理
論の専門用語で「支配戦略」と呼びます。)
ということで、この選択肢にあった「相手の行動が読めない以上」という部分は不適切です。
よって、この問題の選択肢はなんと全部間違いでした。
もし、あなたが「ただの受験脳」であれば、「消去法でマシなものを選んで、答えが合ってそれで
良し!」で良いかもしれません。でも、きみたちは優秀な【超算数脳】です。間違っていないこと
ではなく、本当に正しいことを探求してください。特に、目の前に選択肢があるとそれにとらわれ
てしまうことは人間よくあることで、先生はこれを「選択肢の呪縛」と呼んでいますが、実はこれ、
日常生活にもとても深刻な問題として潜んでいます。
例えば、悪い友達がいて、きみたちをこうおどします。
「あなたはどちらを選びますか。①A くんをいじめる
お前をいじめてやる!」
②B くんをいじめる
③そうでなければ、
ここで、選択肢にないけれど「④いじめはダメだ!」という答えを自分で見つけ出し、きちんと行
動で示せること。それが未来のプレジデントたるあなたたちのあるべき姿です!消去法ではこの答
えは出せませんね。選択肢にないからと言って泣き寝入りをするのではなく、自分で新しい選択肢
を切り開くこと。これがなによりも大切で、先生が一番伝えたい事です。
このような「選択肢の中にない選択肢」を(広義の)アウトサイド・オプション、と呼びます。
これから不確実な未来に挑む皆さんは、ぜひこのアウトサイド・オプションを考える癖をつけてほ
しいと思います。なぜならば、これは受験に限らずグローバル人材に必須の能力だからです。
英語だと「(自分の思考の)箱の外を考えろ!」(think outside the box!) ということわざがあり、
小さい頃から徹底して自分の考えの枠を乗り越えるための訓練をします。あなたの未来のライバル
は、そういう強く生きるためのお勉強もしてきているのです。その意味で、実はこの超算数脳はグ
ローバル教育としても超一流の内容だったりします!実際、ナッシュ均衡が解けるスーパー小学生
は世界でもほんのひとつまみ…そう、あなたことです!
「与えられた選択肢の中での正解を選べる」ことももちろん大切ですが、【超算数脳】のあなたは
そこから更に一歩ステップアップして、ぜひ「自分で選択肢を作れる人間」になってください。
常にその境地を目指す【超算数脳】なら、受験だってもう朝飯前!もう通過地点に過ぎません。
実際にこれまでの超算数脳では、東大・京大の入試問題も全員クリア!高校生や大学生も(そして
たぶん大人もみんな)苦戦する問題をしっかり解けて、先生はとても感心しています。(早く入学
してきてね!)数学に年齢は関係ありません!どんどんチャレンジしてほしいと思います。
算数の時間はもちろんのこと、普段の日常や自身の将来、更には社会のために、この【超算数脳】
を大いに活用してくれること、心から楽しみにしています。また一緒に算数しましょう!
伴
睦久