那須町農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題 那須町は、栃木県の最北端に位置し茶臼岳を主峰とした那須連山を擁し自然景観に恵まれた 観光と農業の町である。 那須野が原扇状地の北端部に位置する本町の農業地域を地帯別に見た場合、標高 250m から 400m では水稲を中心とした水田地帯、400m から 550m の高原地帯では酪農業を中心とした畜産 地帯が広がっている。 農地は、湯本地区を除き町全体に点在する。特に水田は、山間地域の沢沿いに多く分布する ため団地化や連担性に乏しく、大規模化による大豆・麦等の土地利用型作物の生産振興の妨げ となっている。 また、少子高齢化の進展とともに、農家数の減少、不作付地や耕作放棄地の増加の傾向にあ る。 2 作物ごとの取組方針 (1)主食用米 水稲は、本町水田農業の基幹作物として、需給動向の現状と今後の消費指向を視野に入れ 生産にあたらなければならない。コシヒカリを主体とした品種構成に加え、土壌条件や気象 条件にあった適地適作品種として、なすひかりの生産拡大を進めブランドを確立していく。 品質については、成分の分析を行い低タンパク、適正水分、1等米比率の向上など、おい しい米の生産を目指す。また、田植え時期、施肥や水管理等品種に対応した栽培技術の確立 と生産者の量から質への意識改革を進め、有機質肥料や全量基肥肥料の導入により環境にや さしい農業の展開と安全・安心を米の付加価値とし、消費者ニーズに対応できる生産体制の 確立を図る。 (2)非主食用米 ア 備蓄米 非主食用米として重要な位置づけにあり、地域の稲作経営と水田の保持発展のためにも有 効であることから、地域の割当て枠の確保と生産拡大を目指す。 イ 飼料用米 主食用米の需要減が見込まれる中、飼料用米を転作作物の中心作物に位置づける。また、 飼料用米の生産拡大にあたっては、JA等を通した畜産農家への供給及び地域内の流通拡大 等の取組みを図るとともに、国からの産地交付金を活用した多収性専用品種の導入や団地化 の推進を図り、5 年後には地域の水田面積の約 2 割での導入を目指す。 ウ 加工用米 産地交付金を活用しつつ、集荷業者と実需者(中央食飯、(株)ミツハシ等)との結びつき を強化し、生産の拡大を図っていくこととし、5 年後には、現在の 1.5 倍の契約数量を目指 す。 (3)麦、大豆 大豆は、麦との組み合わせにより、安定した水田農業を確立するための重要作物であるが 本町での取り組みは減少傾向にある。 しかし、ほ場の効率的活用として米と麦・大豆を取り入れた作付体系を推進し、排水対策 や連作障害の回避に向けブロックローテーション等の推進、大型機械の導入による省力作業 体系の確立を推進することで生産の拡大を目指す。 (4)そば、なたね そばについては、道の駅等の地域の実需者との契約に基づき、町全体の地産地消作物とし て推進し栽培の拡大を目指す。 また、なたねについては、地域の実需者との契約に基づき現行の栽培面積を維持する。 (5)野菜等 「アスパラガス」 、 「いちご」、 「山椒」 、 「うど」、 「トマト」、 「なす」 、 「ねぎ」 、 「花卉」、 「ブ ロッコリー」を振興品目として拡大する。 (6)不作付地の解消 現行の不作付地(約 334ha)について、畑作物及び水田活用の直接支払交付金等を活用し 今後 5 年間で約 3 割(100ha)を飼料用米やWCS用稲、飼料作物、そば等の作付により解 消を図る。 3 作物ごとの作付予定面積 作物 平成 25 年度の作付面積 平成 27 年度の作付予定面積 平成 28 年度の目標作付面積 (ha) (ha) (ha) 主食用米 2162.3 2060.0 2000.0 加工用米 21.5 25.0 30.0 備蓄米 2.3 4.0 10.0 米粉用米 0.0 1.0 5.0 飼料用米 14.1 30.0 50.0 WCS用稲 63.8 90.0 120.0 麦 19.7 19.0 20.0 大豆 7.7 11.0 12.0 飼料作物 672.0 680.0 700.0 そば 27.1 30.0 40.0 なたね 0.2 0.2 0.2 179.0 193.0 199.0 その他地域振興作物 4 野菜 114.9 130.0 130.0 花卉・花木 39.4 36.0 40.0 果樹 16.0 16.0 16.0 雑穀 0.5 1.0 1.0 地力増進 2.3 3.0 3.0 景観形成 5.9 7.0 8.0 その他 0.0 0.0 1.0 平成 28 年度に向けた取組及び目標 取組 対象作物 番号 取組 分類 ※ 指標 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 28 年度 (現状値) (予定) (目標値) ※「分類」欄については、要綱(別紙 10)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。 (複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組の記号をいずれか 1 つ記入して下さい。) ア 農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組 イ 生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組 ウ 地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物 を生産する取組 5 産地交付金の活用方法の明細 別紙のとおり
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