健全なゲーム機を提供して

』を通
事
仕
整える
に
麗
指す!
奇
目
く
を
し
な発展
環を正
全
循
健
の
事業の
、『車
ス
し
ビ
発
ー
ーサ
から出
タ
備
フ
整
ア
新車
循環型
の
車
動
して自
洋一郎
社
会
式
ポ株
カーレ
代表
社長
取締役
赤須
ろ聞かせてもらいました。そのス
トーリーの中で、
「どんなお仕事で
も、いただけるものは喜んで一生
自動車メーカーでは、新車の品質の
向上や業務の効率化を図り、よりよい
品質と安全を購入者へ提供するため、
メルセデス・ベンツの新車整
備で会社をスタートし、自動
車リサイクル事 業にも進出、
カーレポ部門を設置
納車前検査が一般的に行われていま
す。また一方で、中古車に関しては、
国内で車の廃棄環境が改善されてい
懸命やる」という仕事の姿勢が今
日の私の礎になっています。
そして、私が入社したのは 2003
年ですが、現会長が社長当時、自
動車リサイクル事業への進出を考
会社の設立と赤須社長の入社経緯
えていた時期でした。私はその実
をお聞かせください。
現に向け、それまで勤めていた会
るという話題や海外へ中古車が大量
赤須−当社はメルセデス・ベン
社を退職し、当社に入社しました。
に輸出され人気となっているなど、マ
ツ日本㈱が日立港でメルセデス・
スコミ等で取り上げられる回数も非常
ベンツ車の輸入を開始した際、協
会社設立以降、1994 年にカーディ
に増えています。今月は、新車と中古
力会社として設立されました。設
テイル部門、2005 年にカーレポ
車の両方に関わり、非常にユニークな
立時の社名は、㈱モーターベイシッ
部門を設置しています。業容は順
事業を展開しているカーレポ株式会社
ク日立(1991 年 11 月設立)と言い
調 に 拡 大 し て い ま す が、 こ れ は
(本社:水戸市)の赤須社長に、会社
ました。メルセデス・ベンツ㈱か
カーレポ事業という新しい分野に
の設立、事業内容、特色、今後の展
ら新車整備業務を受託し、会社を
進出したことがきっかけだったの
望と課題をお聞きしました。
軌道に乗せるまでの出来事につい
でしょうか。
聞き手 弊社社長 鈴木祥順
ては、父である現会長からいろい
赤須−設立して数年後から、新
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車 整 備 事 業 以 外 に、 主 に 一 般 の
ただ、身の引き締まる思いをし
界です。廃車や中古車を購入した
方々や法人さんの洗車やコーティ
たのは、常陸那珂工業団地に建設
ら解体を真面目にやって、真面目
ングを行うカーディテイル事業
したカーレポの工場が竣工した瞬
にちゃんとお客様に結果報告する
を行っていました。現在では自動
間でした。こんなものを作って本
というスタンスを徹底することで
車リサイクル事業であるカーレポ
当に大丈夫だろうか、と思ったこ
した。そして次は、お客様から『信
部門が業容拡大に貢献していま
とをよく覚えています。今となっ
頼』されるレベルに行きつくには
す。カーレポとは自作英語の Car
ては小さく感じますが、当時は本
どうしたらよいか、ということで
Responsibility for Posterity の頭文
当に車を集められるだろうかと思
した。仕事を真面目にやっている
字から取ったもので、『子孫のため
いました。
と、時間に『信用』は比例すると
思いますが、『信頼』は比例しませ
の車の責任』を意味します。社名
もそのままの名前で 2013 年に変更
用地の確保、建屋・設備の設置、
ん。信頼はお客様からカーレポ㈱
しました。その理由は、私たちの
それに先立ついろいろな許認可の
を好きになってもらわなければ得
企業姿勢を社員や世間にお示しし
取得が必要だったと思いますが、
られません。
たいという思いからでした。
どのあたりが大変だったと感じま
カーレポ部門の設置は私が入社
そうすると何をおいても営業に力
してからで、カーレポ事業の用地
赤須 −許認可事項は確かに多く
を入れたということでしょうか。
探しから始まり、車の買取り、い
苦労しましたが、当時担当してく
カーレポ事業は準備期間を含めて
わゆる車集めの営業を足掛け 2 年
れた役員はもちろん社員みんなの
営業にかける人材が相当必要だっ
やりました。私にとっては最初の
力添えのおかげで取得がスムーズ
たと思いますが。
大きな仕事になりましたが、現在
にできました。それよりもむしろ
赤須−どんな商売でも営業が大
の当社があるのは、先程お話した
車集めでズブの素人の私たちがお
事ですよね。粘り強い営業が我々
現会長の仕事に対する前向きな姿
客様からどのように信用を得るか
の得意とするところです。カーレ
勢を身に染みて理解していたから
が課題でした。車をただ集めると
ポ事業は、現会長(当時社長)
、私、
だと思います。
いっても、そこには激しい競争が
役員を含めた 7 人で始まりました。
あります。自動車関係の業者さん
しかしながら、私たちは皆素人で、
は私たちのような仕事をはるか昔
自動車のリサイクルの知識、車の
からよくご存知で、
「お宅だれ?」
解体の技術はゼロでしたから、誰
から始まり、
「カーレポ㈱です。車
かに教えてもらわなければなりま
を買います。
」と言って購入の話を
せん。少し悩んでいたところ、長
自動車リサイクル事業の許認
可取得よりも、車の買取り営
業に苦戦し汗を流す
2
したか。
新しい事業である自動車リサイク
しても、結局「ウチは
ル事業への進出は、社長が中心に
既に付き合っていると
なって推し進めたということです
ころがあるから、来な
が、自動車リサイクル法で自動車
くていいよ。
」と言われ
のリサイクルが義務化されたこと
てしまうのです。それ
が、大きな契機になったのでしょ
を嫌がらずに何度も足
うか。
繁く通って、やっと車
赤須−そうですね。許認可が発
を 1 台購入させてもら
生するところに商売のチャンスが
うという毎日の繰り返
あると会長は考え、多額の投資を
しの中で、信用を得る
決断しました。存亡の賭けですね。
には、まず真面目に仕
投資の決定後、私の役目は何より
事をすることが大事な
も先に車集めでした。幸い当時の
のだと気づきました。
私は営業が苦労だとかつらいと
当社の経営理念にも
思ったことはなく、買取りの良し
あることですが、私た
悪しにかかわらず、その責任感で
ちの業界は『法令遵守』
毎日充実していました。
が特に必要とされる業
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赤須 洋一郎 社長
車の解体現場
ひたちなか工場
野県で同業のご商売をされ、私た
れを PDI 業務といいますが、Pre
います。それで売上拡大を目指し、
ちの願いを聴き入れてくれた方が
Delivery Inspection(納車前検査)
力を入れているところです。
いたのです。すべて教えてくれる
の略で、いわゆる納車前、メーカー
というので、私を含めて 3 か月間、
さんからすると販売店さんに車を
寝泊まりの研修を受けました。現
卸す前に、最終チェックを行う業
場担当予定者(2 名)は解体作業
務です。当社は特に輸入車という
のノウハウを 1 から 10 まで教えて
特殊分野の新車整備業務に徹底し、
自動車リサイクル法で、フロンや
もらい、ひたちなかの工場完成後
その作業品質にプライドを持って
エアバック、シュレッダーダスト
は解体作業の主力メンバーとなり
います。
などを引き取ることが義務化され
自動車リサイクル法に基づくフ
ルカバー業務を行う
ていると思いますが、車を解体し
ました。半年は不安だらけでした
が、現在のように仕事が増えたの
リサイクル事業では部品のリユー
破砕する一連の工程はどのような
は、社員が気持ちを腐らせずに頑
スで海外にも輸出していると伺っ
流れですか。
張ってくれたおかげだと思ってい
ています。海外からの引き合いは、
赤須−当社では、自動車リサイ
ます。そして事業出発に際し、私
輸出されている日本車の交換部品
クル法に基づく車の引き取り、解
たちを受け入れてくれた人の恩に
なのでしょうか。
体、破砕、フロン類とエアバック
触れ、技術以外の大事なことを学
赤須−はい。日本からかなりの
の回収などリサイクルの一連の流
びました。
台数の中古車が海外に輸出されて
れをフルカバーした業務を行って
います。海外からの中古部品の需
います。
営業の相手は一般のユーザーさん
要は旺盛であり、また品質という
例えば、シュレッダーダストの
なのでしょうか。
点でも人気があります。私は入社
再資源化では二つの方法がありま
赤須−現在の主な仕入れ営業先
する前、港湾業者で通関に携わる
す。シュレッダーダストとは、再
は自動車ディーラーさんを始め、
仕事をしていたこともあり、貿易
利用可能な部品、材料等を車から
中古車販売整備店さん、リース会
という仕事に自分なりの夢を持っ
分離した後の自動車ガラをシュ
社さん、保険会社さんそして一般
ていました。現在、中古部品とい
レッダーという機械にかけ、鉄を
ユーザーさんなどになっています。
うものを通じ、貿易に関わる仕事
除いた後のダストのことです。そ
が出来て幸せです。
のダストを再利用したり、あるい
整備業務は新車整備(PDI 業
務)に特化し、リサイクル事
業では海外へ車のリユース部
品を輸出
は埋め立て処分したりする方法と
中古部品の売上は伸びているので
自動車ガラをプレスという機械に
しょうか。国内よりも海外の方が
かけそのまま電気炉でダストを溶
売上が多いのでしょうか。
かしてしまう全部利用というやり
赤須−中古部品の売上は伸びて
車のリサイクルの買取りのほか、
います。国内と海外の売上割合は、
一般の自動車の整備やサービスも
業界全体ではどちらが多いとは言
行っているのでしょうか。
えませんが、当社の場合は、国内
赤須−一般の自動車整備は行っ
よりも海外の売上の方が多い状況
ておりません。当社ではメルセデ
です。海外も国内も競争は激しく、
ス・ ベ ン ツ と い う 特 定 メ ー カ ー
売上を伸ばすのは容易ではありま
の 新 車 整 備 を 行 っ て い ま す。 そ
せんが、可能性はまだあると見て
方があります。
新車整備と自動車リサイクル
事業の2つの柱に加え、車の
再販事業を3つ目の柱に育て
ていく
会社の柱は、一つはメルセデス・
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ベンツの新車整備、もう一つは業
務開始から 10 年になる自動車リ
サイクル業務の 2 つと捉えてよろ
しいでしょうか。
仕事が縁の下の力持ちのような存
人材 育成と技 術 の 継 承のた
め、育成機関創設も準備
赤須−今のところ大きく分けれ
新車整備とリサイクルの売上割
ば、2 つ に な り ま す。 現 在 3 つ 目
合、人員体制、リサイクルの処理
の柱を立ち上げて、1 年弱になり
台数をお聞かせください。
在ですので、そういうことにやり
がいを持ち自分の将来を掛けてみ
たいという若い人達に来てもらい
たい、と思っています。
車のリサイクル事業の成長は
同業者との協調が大事
ますが、それは買い取った自動車
赤須−売上割合は新車整備とリ
を修理して卸売するというもので
サイクルで丁度半々ぐらいです。
す。自動車そのものの再利用にな
人員面では新車整備が 6 でリサイ
リサイクル事業は業容拡大中だと
りますが、取組みを始めたところ
ク ル は 4 と い う 割 合 で し ょ う か。
思いますが、今後も成長していく
です。きっかけは当社の営業の基
リサイクルの 1 日の処理台数は約
見通しでしょうか。
本が『車の買取りサービス』がベー
50 台で月間 1,000 台を処理してい
赤須−将来、日本では人口減少
スになっているところから生まれ
ます。リサイクルの営業は茨城県
により自動車の保有台数も減少せ
たものです。当社が車を買い取る
全域を対象としており、求めに応
ざるを得ないと思いますので、決
際に重視していることは、車の物
じ、茨城県外にも出向いています。
してバラ色の将来があるとは思い
質的な価値そのもので、スクラッ
ません。ただ、自動車業界におい
プした価値はいくら、中古部品の
すごい処理台数ですね。それだけ
て環境を大切にするという考え方
価値はいくら、と判断してきたわ
こなすにはやはり人材が必要にな
は消えることはないだろうと思っ
けですが、お客様が当社に求めて
りますね。人材の育成や採用はど
ています。モノをリサイクルして
いることは、車全体の価値はいく
のように行っていますか。
大切に扱うという考え方は鎖国し
らなのか、ということです。
赤須−自動車の整備、修理と補
ていた江戸時代から脈々と続いて
そうなると、当社の役割はあく
修、リサイクルとリユース、この
きており、日本の意識として根付
まで自分達で買った車を適正に循
循環の中で、当社が求められてい
いていることだと思います。
環させていくということですから、
るものは、技術力の高さとサービ
リサイクルの事業の将来を考え
中古車の価値としての査定もお客
スに関する礼儀、法令遵守の精神
た場合、一企業の問題ではなく、
様への貢献として必要なのではな
の 3 つだと思っています。その為
まさに国家プロジェクトの一貫と
いか、と思いました。そこで買い
に も、 人 材 の 育 成 は 大 事 な 仕 事
いう気がします。我々の同業他社
取った車をリサイクルや部品のリ
です。当社の熟練者の技術をいか
でも同様の考えを持っている方が
ユースをするだけでなく、車の再
に継承していくか、ということで
多く、皆で協調していくことが大
販をすることも大事な自動車の循
すね。国家資格の整備士の資格や
事なことではないかと思っていま
環事業の一つだと考えています。
民間資格の自動車リサイクル管理
す。リサイクル事業は国の考え方
士などを社員に積極的に取っても
と法制度によって左右される面が
一歩進んだ価値創造ですね。
らっています。特に新車整備業務
あり、許認可が多いのが特徴です。
赤須−当社の仕事は一言で表す
は専門スキルですので、熟練者と
現在の国の正しい舵取りにより、
と、
『車の循環を正しく奇麗に整え
ともにその育成機関創設の準備を
る仕事』になるのではないかな、
進めています。また、礼儀や精神
と思います。今日の燃料革新のな
面では、私が日頃愛読している『論
か、電気自動車や燃料電池車は日々
語』の中から自分が感じているこ
進歩しています。そうした最先端
とを社員に伝えるようにしていま
をいく自動車メーカーの役に立ち、
す。『論語』は人としてまず大事な
車の循環を正しく促進する自立的
ことは何か、ということが書いて
な役目を果たすことで、価値創造
あるので、社員には道徳心を持っ
が出来たら本望だと思っています。
て仕事をして欲しいとの願いを込
めて伝えています。
人材の採用については、当社の
鈴木 祥順 社長
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リサイクル事業は将来性のある事
私は日頃、自分自身のモチベー
まずは東南アジア、次に中南米、
業と言っていいのではないでしょ
ションを一番大切にしています。
アフリカ、中東などの国々への需
うか。
その根源は目の前の仕事に没頭で
要が拡大していくものと思われま
きているのか、社会に貢献できて
す。
後世の人々のために責任ある
役割を担い、お客様から必要
とされ、従業員も幸せな企業
を目指す
経営理念あるいは日頃社長様が大
いるか、お客様に必要とされてい
るのか、従業員が成長するための
日本車が売れ続ける限り、リサイ
機会を提供できているかどうかで
クル部品の需要があるということ
す。この 4 つを強く意識すること
ですね。
が、私のモチベーション維持につ
赤須−おかげさまで日本は車検
ながっています。
制度があるために、適当な時期に
切にしている想いがございました
らお聞かせください。
赤須 −当社は経営理念の中で、
後世の人々のため、新しい社会環
境に責任ある役割を果たしていく
部品が交換されますので、国産車
リサイクル部品の輸出は車検
制度による日本車の信頼から
拡大見通し
に限らず部品が使用可能な状態に
保たれているのが強みでしょうね。
どちらかといえば、車は乗り潰す
ものという考え方より有利かもし
ことを使命としています。そのた
先程少しお話しが出ていました
れません。日本から来た部品は丈
めに、会社全体で価値観を共有し、
が、今後の輸出の見通しはいかが
夫で利用価値がある、と見られて
自動車アフターサービス業に関す
ですか。
いるのは私たちすべての日本人の
る自己研鑚に絶えず努めながら、
赤須−輸出は拡大していく見通
法令及び企業倫理を遵守して、お
しです。理由は車のリサイクル部
客様と国家から必要とされ、全て
品が世界中から求められているか
の従業員が幸せである企業であり
らです。日本は人口減少ですが、
たいと思っています。
世界の人口は増えていますから、
誇りですね。
取材を終えて
父親の赤須輝一郎氏から社長を引き継いだ赤須洋一郎氏
レポ㈱へ変更し、後世の人達にも想いを馳せながら、新しい
は、メルセデス・ベンツの新車整備からスタートした会社の
社会環境にも適応し責任ある役割を果たしていこうという企
事業に、自動車のリサイクル事業という新しい事業分野を加
業像を確立しています。車の技術進歩は目を見張るほどです
え、会社を発展させました。リサイクル事業開始時に車の買
が、廃車や中古車の価値を改めて見直して、車のリユース部
取りが思うように行かず、営業の難しさを感じた中で、
『信用』
品の輸出に留まらず、車の再販事業にも進出を果たしていま
とは何か、『信頼』とは何かを突き詰めて考えるようになり
す。社会への貢献によりお客様から喜ばれ、全ての従業員が
ます。その結果、車の循環の流れの各場面において、当社が
幸せになることが自らの役目という赤須社長からは、柔和で
活躍可能で社会に貢献できるステージがあることを確信され
静かな語り口ながら、内に秘めた熱い情熱を感じた取材でし
ました。社名も、『子孫のための車の責任』を意味するカー
た。
(鈴木記)
会社概要
カーレポ株式会社 代表取締役社長 赤須 洋一郎
本
電
設
資
業
本
社
話
立
金
種
年 商
従業員数
〒310-0801 茨城県水戸市桜川1-8-29
029-300-2525(代表)
1991年11月
26,500千円
自動車買取・整備、新車整備、自動車リサイクル業、リサ
イクルパーツ販売、中古車販売、レンタカー業
1,640百万円
160人
本 社
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