事例紹介: 総合地球環境学研究所 渡辺 一生様 ENVI/SARscapeによる荒廃した泥炭湿地の分布状況の把握 カテゴリ リモートセンシング 分野 機能 ENVI、SARscape、Feature Extraction 東南アジア インドネシア・スマトラ島における開発によって劣化した泥炭湿地の空間分布の把握を目的としたご研究にお いて、対象地域は通年でほぼ毎日雲に覆われ、光学データの取得が困難なため、合成開口レーダ(SAR)に よる同地域のデータの解析を行われました。カラー合成画像の作成にはSARscapeを使用し、その結果をENVI で分類することで、同地域の土地利用・土地被覆分類を行って頂きました。 泥炭湿地とは: 泥炭湿地とは、未分解の植物バイオマスが長期 にわたって蓄積(数百万~数千万年)して形成さ れた湿地。 泥炭を構成する植物バイオマスは、寒帯ではコ ケが、熱帯では木本類が多い。 湿地状態を排水し乾燥が進んだ状態で火を放つ と、容易に燃える。 泥炭湿地開発に伴う問題 ・森林火災 ・煤煙の拡散 ・森林の荒廃 ・生物多様性の喪失 ・CO2排出量の増加 解析方法 SAR scape 雲の無い鮮明なカラー画像(黄:森林、青:裸地または疎な植生) ALOS PALSAR FBD L1.1画像 2010年7月23日 HV&HV 2010年7月23日 HH 2010年7月23日 HV 2010年12月8日 HH&HV 2010年12月8日 HH 2010年12月8日 HV Image by JAXA 雲を透過するマイクロ波画像は、光学衛星画像の取 得が難しい熱帯雨林域でも取得可能であるため、同 地域のデータ取得には有効である。そして、ALOS FBD画像によって、比較的解像度の高い画像が作成 できています。 干渉SAR解析 2時期カラー合成画像 現地調査 教師付分類 (最尤法) ENVI 土地利用分類 (荒廃地の特定) 解析処理の流れ: 1. SARscapeを使用して干渉SAR解析を実施 2. ENVIを使用して2時期のカラー合成画像を作成 3. 現地調査の結果を加え、ENVIの分類機能を使用して 荒廃地を特定 上図: ENVI Classification Workflowを用いた教師付分類 SARscapeとENVIを利用することで、当該地域では泥 炭地の劣化が著しいことが、空間的に把握できてい ます。そして、干渉SAR解析とこれまでの光学衛星画 像で用いられていた分類手法を組み合わせることで、 泥炭地劣化の現状把握を可能にしています。 Exelis VIS 株式会社 東京本社: 〒113-0033 東京都文京区本郷1-20-3 中山ビル3F TEL:03-6801-6147 FAX:03-6801-6148 大阪オフィス: 〒550-0001 大阪府大阪市西区土佐堀1-1-23 コウダイ肥後橋ビル5F TEL:06-6441-0019 FAX:06-6441-0020 作成者: 青木 問い合わせ先: [email protected]
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