体積散乱の模式図 - Pandhito Panji Foundation

Chiba University
リモートセンシング工学
Remote Sensing Technology
ヨサファット テトォコ スリ スマンティヨ
Josaphat Tetuko Sri Sumantyo
千葉大学大学院自然科学研究科
Graduate School of Science and Technology, Chiba University
講義日程・教室
日程:水曜日5コマ(16:00~17:30)計15回
教室:環境リモートセンシング研究棟1F 502号講義室
授業形式:講義(12回)+演習(3回)+レポート
講義の内容
1.合成開口レーダ(SAR)の概要・演習 3回
2.SARの応用(RSとの関係、応用等) 1回
2.SARの概要(歴史、原理等) 1回
3.電磁波の基礎概念(波動、偏波、減衰、散乱等) 1回
4.レーダ方程式とマイクロ波の散乱(アンテナパターン等) 2回
5.パルス圧縮技術とレンジ方向の画像生成 2回
6.合成開口技術とアジマス方向の画像生成過程 3回
7.SAR画像解析の基礎 2回
合計15回
演習




ノートパソコン
画像
ソフトウェア
: JERS-1 SAR
: RESTEC SAR処理ソフト
Adobe Photoshop
内容:
1.概要 1回
2.SARデータ処理 2回
参考文献
(1)合成開口レーダ画像ハンドブック、飯坂穣二監修、日本写真測量学会偏、朝倉書店
(2)画像解析ハンドブック、高木幹雄、下田陽久監修、東京大学出版会
(3)JERS-1 SAR/ERS-1 AMI IMAGEデータフォーマット説明書、(財)RESTEC
(4)合成開口レーダ、畚野信義、日本リモートセンシング学会誌、Vol.1、No.1、1981,pp.50~107
(5)連載講座、江森康文、日本写真測量学会誌、Vol.23、No.2、1984~Vol.24、No.3、1985まで
全7回
(6)SARインターフェロメトリによる南極の氷河氷床研究のための技術的検討、木村宏、見富添、
西尾文彦、(社)日本リモートセンシング学会第18回学術講演論文集、pp.65~68
(7)資源探査のためのリモートセンシング実用シリーズ⑤ 合成開口レーダ 財団法人 資源観測
解析センター(ERSDAC)偏
(8)リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎、大内和夫(著)、東京電機大学出版会
(9)平成17年度 地球観測衛星データ利用セミナー 参考資料
参考文献
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参考文献
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注意事項
出席率 80% (最低:15X80%=12回)
 演習に参加
 レポート

連絡先
ヨサファット テトォコ スリ スマンティヨ
環境リモートセンシング研究センター
研究棟 202号室
電話043-290-3840 (内線3840)
1.イントロダクション
1.1.SARとその定義
SAR(Synthetic Aperture Radar)
衛星自身がマイクロ波を照射しその
後方散乱を受信・画像化するセンサ
 マイクロ波センサ
 アクティブセンサ
 映像レーダ
SARの利点は?
全天候性(観測時の天候に左右されない)
昼夜観測が可能(アクティブセンサ、太陽光不要)
コヒーレント性(位相のそろい具合)が高い→InSARへの応用
偏波特性→ポラリメトリ
SARの欠点は?
マイクロ波後方散乱画像の解釈の複雑性
(光学センサとは全く異なる見え方)
 Side lookingによる画像のゆがみ、倒れ込み
http://southport.jpl.nasa.gov/nrc/chapter7.html
http://southport.jpl.nasa.gov/nrc/chapter7.html
ALOS PALSAR
PALSARは、衛星から発射
した電波の反射を受信するこ
とで観測するセンサであるた
め、観測する領域の天候・昼
夜に関係なくデータを取得可
能です。
また、観測範囲や分解能が
可変であり、用途に応じた柔
軟な観測が可能です。
PALSARの主要諸元
主要観測モード
高分解能モード
観測周波数
SCAN SAR
L-band(1.27GHz)
偏波
HH,VV,HH&HV,VV&
VH
HH,VV
地上分解能
10m
100m
ルック数
2
8
観測幅
70km
250~350km
オフナディア角
10~51°
雑音等価後方散乱係数
約-23dB
http://alos.nasda.go.jp/
1.2 人工衛星搭載SARと地上との幾何的関係
①:オフナディア角
off-nadir angle
(look angle)
②
②:俯角
①
③:レンジビーム幅
③
④:入射角
⑤
④
incidence angle
⑤:アジマスビーム幅
ニアレンジ
ターゲット
ファーレンジ
1.3 可視センサとマイクロ波センサ
• 可視センサ
:人間の眼に近い波長帯での観測。
直感的な理解が容易。太陽光の反射
• マイクロ波センサ
:人間の眼で感じられない→直感で理解できない
cmオーダーの波長
後方散乱というメカニズムの複雑さ
観測原理に由来する画像の歪み
<1章まとめ>
SARとは:アクティブマイクロ波画像レーダ
SARの利点:全天候性、昼夜観測可、コヒーレント性、偏波特性
SARの欠点:画像解釈の複雑さ
観測方式に由来する画像のゆがみ
光学センサとの違い:直感的かそうでないか
 SARを理解する上での幾何学的位置関係とその用語の理解
2.マイクロ波の特徴
2.1 波の表現 ~位相と振幅
電磁界を空間の一転で眺めた場
合、時間の関数として振動する
時刻を固定して電磁界の空間分布を
観測すると場所の関数として振動する
波長
振幅
電界
時間(t)
位相:f
電界
空間位置(x)
時間変化をする信号を場所の関数として表現するには
振幅と位相という変数を必要とする
波の表現: F(t)=exp[2pift] f:周波数
df
dt = f
2.2 マイクロ波の波長域
10GHz
0.2mm
可視
1.0mm
中間赤外
10mm
1mm
1GHz
10cm
熱赤外
1m
マイクロ波
赤外線近赤外
KaKuX C S
L
P
電磁波の波長帯と名称
大気伝達 %
100
50
0
0.2mm
1.0mm
10mm
1mm
波長
波長帯毎の大気の透過率
10cm
1m
バンド名
波長(mm)
周波数(GHz)
Ka
7.5 ~ 11.0
40.0 ~ 26.5
K
11.0 ~ 26.7
26.5 ~ 18.0
Ku
16.7 ~ 24.0
18.0 ~ 12.5
X
24.0 ~ 37.5
12.5 ~ 8.0
C
37.5 ~ 75.0
8.0 ~ 4.0
S
75.0 ~ 150
4.0 ~ 2.0
L
150 ~ 300
2.0 ~ 1.0
P
300 ~ 1000
1.0 ~ 0.3
2.3 マイクロ波の反射と透過(1)
反射と透過の関係
反射波
入射波
q
q
反射と透過の割合 →
媒質の誘電率が影響
鏡面反射が多くなる要因 →
表面の粗度が影響
q`
反射波
鏡面反射
インドネシア・アナククラカトア山島群
2.3.マイクロ波の反射と透過(3)
<II.表面粗度の違いによる効果>
Rayleighの条件: h≦l/(8 cos q) → 地表面が滑らかとする基準
JERS-1の場合: l=0.23m, q=38oとすると
①を満たす表面粗度の条件: h≦3.65 cm となる
①滑らかな面による反射
②やや粗い面による反射
③粗い面による反射
地表面におけるマイクロ波の反射(表面散乱)の模式図
③粗い面による反射
①滑らかな面による反射
②やや粗い面による反射
インドネシア・アナククラカトア山島群
2.4 マイクロ波の散乱 ~表面散乱と体積散乱~
 表面散乱:媒質と媒質(誘電率の異なる物質間)の境界面で
起こる相互作用(広義の反射)に起因する散乱
局所的な反射(あるいはその繰り返し)により、鏡面
反射とは異なる方向へ入射波が出て行く
 体積散乱
① 透過してきた電磁波が物質中の誘電率の
異なったものに接してその境界面で散乱する場合
② 地表被覆物体による体積散乱。森林における
木の幹、葉、枝などによる散乱
2.4 マイクロ波の散乱 ~表面散乱と体積散乱(2)~
体積散乱の模式図
植生
氷河の氷
樹冠表面からの散乱
表面散乱
葉、枝などからの体積散乱
誘電率の異なるものからの体積散乱
表面散乱
不連続面からの散乱
誘電率の異なるものからの体積散乱
乾いた沖積層
表面散乱
不連続面からの散乱
直線偏波
垂直偏波
円偏波
水平偏波
左旋円偏波(LHCP)
リフレッシュタイム(研究紹介)
Refresh time (research introduction)
Recorded by Josaphat : Nice, France 11 Nov 2004
2006
: ALOS
合成開口レーダ画像生成過程
Range
JERS-1 satellite
range compressed
image
North
Azimuth
raw data
North
sensor illumination
azimuth compressed image
rotated image