事例紹介_長野県森林整備加速化・林業再生協議会様

事例紹介: 長野県森林整備加速化・林業再生協議会 様
航空レーザ測量のフィルタリング
カテゴリ
フィルタリング
機能
オブジェクト抽出
分野
地形図 森林 資源
 要旨
山地災害の被害を減らすために、土砂災害の危険地を予測する必要がある。ところが、等高
線から標高、傾斜、勾配変化などの情報を読み取り、広大な森林の地形判読するためには
高度な技術と経験が要求される。そこで、長野県林業総合センターは、地形判読を容易に行
うために新たな立体図法、長野県型立体地形図=CS立体図を開発した。本紙では、このCS立
体図の元となる高解像度DEM (数値標高モデル:Digital Elevation Model)を、 航空レーザ測
量データからENVI LiDARを用いて抽出(フィルタリングと呼ぶ)した事例を紹介する。
 長野県林業総合センターが開発したCS立体図について
CS立体図法は、DEMから曲率(Curvature)と傾斜(Slope)を計算し、谷(凹)地形を青色、尾根
(凸)地形を赤色で、緩斜面を淡い色、急斜面を濃い色で段彩化してあり、標高や傾斜、勾配
変化を視覚情報から直感的に読み取ることができる。なお、「CS」とはCurvatureとSlopeの頭
文字を意味する。また、高解像度のDEMを使用することにより、実際の微地形を忠実に表現
することができる。得られた微地形から、地すべり・崩壊・表層崩壊・浸食などの地形や、人口
改変地・道路・造成地などの土地利用状況などの判読を行うことができる。
図1: CS立体図
出典: 長野県 林務部
長野県森林整備加速化・林業再生協議会 路網部会,
『長野県型立体地形図=CS立体図』を用いた林内路網の路網配置検討手順 P6, 2014年3月
Exelis VIS 株式会社
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TEL:03-6801-6147 FAX:03-6801-6148
大阪オフィス: 〒550-0001 大阪府大阪市西区土佐堀1-1-23 コウダイ肥後橋ビル5F
TEL:06-6441-0019 FAX:06-6441-0020
問い合わせ先:
[email protected]
長野県森林整備加速化・林業再生協議会 様
航空レーザ測量のフィルタリング
 航空レーザ測量データからの高解像度DEM
微地形を表すCS立体図を作成するためには、 0.5~1.0mメッシュの高解像度のDEMが必要と
なる。近年普及してきた航空レーザ測量データをフィルタリングすることで、従来の写真測量
による地形図では得られなかった高解像度のDEMを得ることができる。
 膨大なデータのフィルタリングコストの問題
近年、国や都道府県などの公共団体により、全国各地で航空レーザ測量が実施されている。
しかし、フィルタリング作業には高額なコストがかかるため、フィルタリング未実施のオリジナ
ルデータのまま所有している場合がある。長野県においては、長野地方、北信地方、佐久地
方の航空レーザ測量データがオリジナルデータで存在していたため、長野県森林整備加速
化・林業再生協議会においてフィルタリング作業を実施することとした。
 ENVI LiDARというソリューション - 低コスト、ハイパフォーマンスのフィルタリングを実現 -
そこで選ばれたのが、ENVI LiDARだ。ENVI LiDARは、航空レーザ測量データからオブジェクト
を自動抽出する機能を搭載しており、ENVI LiDAR 1つで、簡単にフィルタリング作業を行うこと
ができる。高速なオブジェクト抽出処理を行うことが特徴で、解像度0.5mからのDEM抽出にも
対応している。この機能を使用し、短期間で所持している全データのフィルタリング処理を実
現したのである。以下にE3De3.0(ENVI LiDARの旧称)のインターフェース画面を紹介する。
 図2は、DEM抽出処理後の画面を
3D表示している。ENVI LiDARでは、
航空レーザ測量データを3D表示し、
スクロール、拡大・縮小、回転など、
簡単にマウスで操作できる。オブ
ジェクト抽出機能では、DEMの他に、
DSM、樹木、電線、電柱、建物、等
高線などを自動抽出できる。
 図3はDEM抽出処理後のデータの
断面図を表示している。水色のライ
ンは抽出したDEMを示している。
参考URL:
長野県型立体地形図=CS立体図
を用いた林内路網の路網配置検討手順
第1章、第2章、CS立体図で見る代表的な地形
http://www.rincon.or.jp/sinrinseibikasokukaringyosaisei
kyogikai/index.html
図2: 1mメッシュDEM
図3: 断面図
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作成者: 丸山
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