市場にやさしいFRB - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2014 年 12 月 19 日
市場にやさしいFRB
1.FRBはフォワード・ガイダンスを変更も、市場に配慮
原油価格の大幅下落を背景に不安定な動きとなっていた内外の金融市場ですが、12 月 17 日に公表さ
れた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文やイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会
見を受け、落ち着きを取り戻した格好となりました。
今回のFOMCでは、将来の金融政策の指針であるフォワード・ガイダンス「FF金利の誘導目標レ
ンジを相当な期間(considerable time)維持する」が、変更されるかどうかに注目が集まっていました。
これに対しFRBは、フォワード・ガイダンスを「金融政策スタンスの正常化の開始においては辛抱強
くなれる(can be patient)
」に変更し、来年の利上げ開始に踏み込んだものの、
「FF金利の誘導目標
レンジを相当な期間(considerable time)維持するとした前回の声明と整合的」との文言を追加し、金
融政策に変更がないことを示しました。FOMC委員の政策金利見通し(中央値)については、2015
年末は前回の 1.375%から 1.125%に、2016 年末は前回の 2.875%から 2.5%に引き下げられました
(図表 1)。
図表1. FOMC委員の政策金利見通し
-中央値-
(%)
4.5
7.0
4.0
図表2. 米政策金利推移
(%)
6.0
長期見通し
3.0
2.5
2016年末の
政策金利
2.0
1.5
2015年末の
政策金利
1.0
0.5
2014年末の
政策金利
12/1
12/4
12/7
12/10
13/1
13/4
13/7
13/10
14/1
14/4
14/7
14/10
0.0
5.0
政策委員の見通しを
4.0
参考に作成
3.0
2.0
1.0
0.0
95/1
96/1
97/1
98/1
99/1
00/1
01/1
02/1
03/1
04/1
05/1
06/1
07/1
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
16/1
17/1
3.5
(年/月、見通し発表日)
(注)直近の政策金利は0~0.25%
(出所)Bloomberg、FRBより、しんきん投信作成
(出所)FRBの資料を基に、しんきん投信作成
図表3. FOMC委員の政策金利見通しと
長期見通し
FF金利先物レート
(%)
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
(年/月、月次)
図表4. 米国のCPIと期待インフレ率
(%)
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
見通し(最高、最低)
見通し(中央値)
(出所)Bloomberg、FRBより、しんきん投信作成
10/1
10/4
10/7
10/10
11/1
11/4
11/7
11/10
12/1
12/4
12/7
12/10
13/1
13/4
13/7
13/10
14/1
14/4
14/7
14/10
15/1
18/3
17/12
17/9
17/6
17/3
16/12
16/9
16/6
16/3
15/9
15/12
15/6
15/3
14/12
14/9
0.5
BEI(10年)
(限月)
12月18日
コアCPI除食品・エネルギー(前年比)
(年/月)
※BEI:インフレ連動債が織り込む期待インフレ率
(出所)Bloomberg、FRBより、しんきん投信作成
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
1
投資環境
2014 年 12 月 19 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
イエレンFRB議長が、FOMCは少なくとも今後 2 回の会合(1 月、3 月)で正常化プロセスに着
手する可能性は低いと述べたことから、FOMCは利上げの開始は 2015 年 4 月以降、また年内 4 回程
度の利上げを想定しているとみられます。前回の利上げ局面(2004 年 6 月利上げ開始、2006 年 6 月の
利上げで終了)では、2004 年は 6 月から年末までに計 5 回政策金利を引き上げました(図表 2)
。また、
2005 年には 8 回利上げを実施しました。1 回当たり 0.25%の利上げと仮定すると、今回のFOMC委
員の政策金利見通しでは 2016 年は 5~6 回の利上げとなっており、前回よりも緩やかなペースでの利
上げを想定しています。
2.市場にやさしいFRBの下で
今回の声明文で、
「相当な期間」という文言を残したことから、FRBは市場を動揺させないように配
慮していることが窺えます。したがって今後は、

利上げ開始は市場が十分織り込んでから決定

以降の利上げについても、市場が織り込むように誘導

利上げ開始でも、ペースは金融市場にも配慮
することで、金融政策変更が金融市場でサプライズとなる可能性は低いとみられます。また、短期金利
は利上げの影響を直接受けますが、長期金利については利上げを織り込みながら推移するため、方向は
上昇も動きは緩やかになると想定されます。
米国の将来の政策金利水準を予想するFF金利先物レートを見ると、市場は 2015 年 6 月に利上げ開
始を織り込んでいます(図表 3)
。ただ、2015 年 12 月の金利水準は 0.6%程度と、FOMC委員の政策
金利見通し 1.125%を大きく下回っています。また、原油安などを受けて期待インフレも低下していま
す(図表 4)。したがって、利上げ開始がずれ込む、あるいは利上げ開始でも利上げペースは一段と抑え
られることも想定されます。
市場にやさしいFRBの金融政策の下では、米利上げ開始を受けて米長期金利やドルが急騰すること
などへの過度な警戒や期待は、徐々に後退していきそうです。
なお、イエレンFRB議長は「政策変更は議長の会見が予定されている会合のみしかないとの見方を
強く否定したい」と述べています。議長の会見が予定されている 6 月や 9 月のFOMCでの利上げ開始
が決定されるとの見方が市場では支配的ですが、時期についてはもう少し柔軟に考えた方がよさそうで
す。
(参考)FOMCの米国経済見通し(中心レンジ、2014年12月)
(%)
2014
2015
2016
2017
長期見通し
2.3 ~ 2.4
2.6 ~ 3.0
2.5 ~ 3.0
2.3 ~ 2.5
2.0 ~ 2.3
2.0 ~ 2.2
2.6 ~ 3.0
2.6 ~ 2.9
2.3 ~ 2.5
2.0 ~ 2.3
5.8
5.2 ~ 5.3
5.0 ~ 5.2
4.9 ~ 5.3
5.2 ~ 5.5
9月の見通し
5.9 ~ 6.0
5.4 ~ 5.6
5.1 ~ 5.4
4.9 ~ 5.3
5.2 ~ 5.5
個人消費支出(PCE)価格指数
1.2 ~ 1.3
1.0 ~ 1.6
1.7 ~ 2.0
1.8 ~ 2.0
2.0
9月の見通し
1.5 ~ 1.7
1.6 ~ 1.9
1.7 ~ 2.0
1.9 ~ 2.0
2.0
1.5 ~ 1.6
1.5 ~ 1.8
1.7 ~ 2.0
1.8 ~ 2.0
1.5 ~ 1.6
1.6 ~ 1.9
1.8 ~ 2.0
1.9 ~ 2.0
実質GDP成長率
9月の見通し
失業率
コアPCE価格指数
9月の見通し
(参考)2015年のFOMC予定
1月
27-28日
3月
17-18日*
4月
28-29日
6月
16-17日*
7月
28-29日
9月
16-17日*
10月
27-28日
12月
15-16日*
*経済見通し、議長の会見あり
(出所)FRBの資料を基に、しんきん投信作成
※GDPと価格指数は第4四半期の前年同期比。失業率は第4四半期中の平均値。
(出所)FRB等の資料を基に、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
鈴木和仁)
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