しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号 Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp 投資環境 2015 年 4 月 10 日 日銀の「出口」はまだ先 1.木内審議委員が「出口戦略」の開始を提案 日銀が 2013 年 4 月に異次元の金融緩和政策である「質的・量的金融緩和」を導入してから、2 年が 経過しました。3 年目の最初の日銀金融政策決定会合(4 月 7-8 日)は、現状維持となりました。今回 の会合では、物価の現状認識を引き下げたほかは、大きな変更はなかったものの、木内審議委員から「質 的・量的金融緩和」の規模縮小が提案されことが目を引きました。 木内審議委員の提案は、マネタリーベースおよび長期国債保有残高の増加ペースを、年間約 80 兆円 に相当するペースから、年間約 45 兆円に相当するペースに縮小するというもの。会合では反対多数で 否決されましたが、異次元の金融政策からの「出口戦略」 (資産買入れ縮小→資産買入れ終了→金融政策 の正常化)の開始が初めて議案に上がった格好です。 2.米国は波乱なくQE3 を終了させたが 米国では米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年 10 月に、大量の国債等を買い入れる量的緩和政策 第 3 弾(QE3、2012 年 9 月~2014 年 10 月)を、波乱なく終了させました。ただ、その米国でも、 2013 年 5 月に当時のバーナンキFRB議長がQE3 の規模縮小を示唆したことを受け、米国の長期金 利が急騰しました(図表 1) 。2014 年 1 月からQE3 の規模を縮小させていきましたが、金融市場がQ E3 の終了を一旦織り込んだこと、規模縮小でも緩和的な金融政策であることや規模を縮小しても買入 れは継続することを米金融当局が浸透させたこと、また米国債の多様な投資家がFRBの抜けた穴を埋 めたことが、「出口戦略」を成功させた要因として挙げられます(図表 2) 。 他方、日本については、国内投資家の国債保有が 90%以上を占め、その中でも金融機関が 3 分の 1 を占めるなどやや偏っています(図表 3)。金利が大きく上昇する(債券価格は下落)と、金融機関はリ スク回避から一斉に国債を売り、それがまた金利を上昇させる悪循環となる危険性があります。また、 需給悪化に大きく反応する傾向がみられます。1998 年末から 99 年初旬にかけての金利の急騰(運用部 ショック)は、当時の大蔵省・資金運用部が実施していた国債買い切りオペの打ち切りを表明したことが きっかけでした(図表 4)。 (%) 図表2. 米国債の保有残高の変化 図表1. 米国の政策金利と長期金利 7.0 (10億ドル) 当時のバーナンキFRB議長が QE3の規模縮小開始を示唆 6.0 800 2012 2013 2014 400 5.0 200 4.0 0 3.0 -200 2.0 -400 (注)米国は現時点で、FF金利の誘導目標0~0.25% (出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成 (年/月、日次) ※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。 年金 海外投資家 国・地方政府 生保 銀行 中央銀行 96/1 97/1 98/1 99/1 00/1 01/1 02/1 03/1 04/1 05/1 06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1 0.0 ファンド -600 10年債(米) 政策金利(米) 個人 1.0 2011 600 (出所)Federal Reserve System, Treasury Bulletin よりデータ取得し、しんきん投信作成 Shinkin Asset Management Co., Ltd 1 投資環境 2015 年 4 月 10 日 しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号 Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp 対家計民間非 営利団体 0.4% 図表3. 日本国債の保有比率 家計 一般政府・ 1.8% 公的年金 5.8% 非金融法人企 業 0.6% その他金融機 関 4.9% 年金基金 3.4% (%) (国庫短期証券、国債・財融債) 海外 9.3% 3.5 中央銀行 25.0% 図表4. 日本の長期金利 運用部ショック 3.0 2.5 2.0 1.5 保険 19.7% 1.0 預金取扱機関 29.0% 0.5 96/1 97/1 98/1 99/1 00/1 01/1 02/1 03/1 04/1 05/1 06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1 0.0 (注)対家計民間非営利団体:学校法人、社会福祉法人、宗教法人等、特別の法律 に基づいて設立される法人。また、民法上の社団法人、財団法人のうち、家計に対 する非営利性のサービスを提供する法人。2014年12月末時点。 (出所)日本銀行よりデータ取得し、しんきん投信作成 (出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成 (年/月、日次) 3.日銀の「出口」はまだ先、逆に追加緩和期待がくすぶる もっとも、日銀は 2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な 時点まで、 「量的・質的金融緩和」を継続するとしています。黒田日銀総裁は、2015 年度を中心とする 期間に 2%程度に達する可能性が高いと述べていますが、エネルギー価格の下落などにより、物価上昇 率は 0%程度まで低下しており、物価目標の実現は見通せない状況で、 「出口」開始についても” 時期尚 早” と言えます。 金融市場では、物価目標の実現は見通せない中、経済や物価の見通しを決定・公表する 4 月 30 日の 日銀政策決定会合で、追加の金融緩和策が打ち出されるとの期待もくすぶります。株式市場や為替市場 は、追加緩和を催促する動き(金融緩和を期待しての株高・円安)が強まる場面もありそうです。他方、 債券市場については将来的な「出口」が意識されます。長期金利は低位で推移も、一段の低下には警戒 感が強まる展開が続きそうです。 (シニアストラテジスト ※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。 鈴木和仁) Shinkin Asset Management Co., Ltd 2 投資環境 2015 年 4 月 10 日 しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号 Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp <本資料に関してご留意していただきたい事項> ※本資料は、ご投資家の皆様に投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント 投信株式会社が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。 ※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するも のではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではあ りません。 ※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。 記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。 ※投資信託は、預金や保険契約とは異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の補償の対象ではありません。 また、金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。 ※投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります)に投資しますので、基準価額 は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されているものではありません。運用による損益は すべて投資者の皆様に帰属します。 ※特定ファンドの取得のお申込みに当たっては、販売会社より当該ファンドの投資信託説明書(交付目論見書) をあらかじめ又は同時にお渡しいたしますので、必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。また、請 求目論見書については、販売会社にご請求いただければ、当該販売会社を通じて交付いたします。 【お申込みに際しての留意事項】 投資信託に係るリスクについて 投資信託は、株式や債券等の値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります) に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されてい るものではありません。運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属します。 また、投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対 象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては交付目論 見書や契約締結前交付書面をよくご覧ください。 投資信託に係る費用について (お客様に直接ご負担いただく費用) ご購入時の費用・・・購入時手数料 上限 3.24%(税抜 3.0%) ご換金時の費用・・・信託財産留保額 上限 0.3% (保有期間中に間接的にご負担いただく費用) 運用管理費用(信託報酬) ・・・純資産総額に対して、上限年率 1.5984%(税抜年率 1.48%) その他の費用・・・監査費用、信託財産に関する租税、信託事務の処理に要する諸費用、有 価証券売買時の売買手数料等及び外貨建資産の保管等に要する費用は、ファンドより実費と して間接的にご負担いただきます。また、運用状況等により変動するものであり、事前に料 率、上限額等を示すことができません。 投資信託に係る上記費用(手数料等)の合計額については、ご投資家の皆様がファンドを保有 される期間等に応じて異なりますので、表示することができません。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費 用の料率につきましては、しんきんアセットマネジメント投信が運用する全ての投資信託のう ち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に係るリ スクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、事前に交付目 論見書や契約締結前書面をよくお読みください。 ※「日経平均株価」 (日経平均)に関する著作権、知的所有権その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。 日本経済新聞社は日経平均株価を継続的に公表する義務を負うものではなく、その誤謬、遅延又は中断に関 して責任を負いません。 ※東証株価指数(TOPIX)は、東京証券取引所の知的財産であり、この指数の算出、数値の公表、利用など株 価指数に関するすべての権利は東京証券取引所が有しています。東京証券取引所は、TOPIX の算出若しくは 公表の方法の変更、TOPIX の算出若しくは公表の停止又は TOPIX の商標の変更若しくは使用の停止を行う 権利を有しています。 ※東証 REIT 指数は、東京証券取引所の知的財産であり、この指数の算出、数値の公表、利用など、東証 REIT 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