日銀の株式買い支えが一段と強力に - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2015 年 2 月 6 日
日銀の株式買い支えが一段と強力に
1.年明けは日銀の ETF 買入れオペが大幅増
1 月の株式市場は、原油価格の急落やギリシャの政局不安などを背景に投資家心理が悪化し、年明け 2
営業日で日経平均株価が 500 円以上下げる波乱の幕開けとなりました。欧州中央銀行(ECB)が国債
購入を含む量的緩和政策の実施を決定したことなどを好感し、下旬には持ち直す動きとなりましたが、
一方で、不安定な株式市場を日銀が指数連動型上場投資信託(ETF)買入れにより側面から支えてい
た模様です。
日銀は昨年 11 月以降、指数連動型上場投資信託(ETF)買入れを年間 1 兆円ペースから年間 3 兆
円ペースに増やしました。昨年 11 月には 6 回のオペで 2,280 億円、12 月は同じく 6 回のオペで 2,244
億円の買入れを実施しました(図表 1)。今年 1 月には、10 回のオペで 3,443 億円のETFを買入れる
など、オペの回数や買入れ総額を大幅に増やし、不安定な株式市場を下支えた格好です。
日銀は、黒田総裁就任後の 13 年 4 月に導入した「量的・質的金融緩和」
(黒田バズーカ)以前にも、
「資産買入等の基金」でETFを買い入れていました。このときにはTOPIXが前場で 1%以上下落
しないとETF買入れが実施されませんでしたが、
「量的・質的金融緩和」導入以降はこのハードルが下
図表1. 日銀のETF買入れ額
(億円)
4,000
図表2. ETF買入れ実施時の前場騰落水準
( 各月でマイナス幅が最小の騰落水準)
0.2%
3,500
0.0%
3,000
-0.2%
2,500
-0.4%
2,000
-0.6%
1,500
-0.8%
-1.0%
1,000
-1.2%
500
-1.4%
(年/月、月次)
(注)データは2月5日現在
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(注)データは2月5日現在
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
図表3. 前場下落時のETF買入れ実施割合
15/1
14/10
14/7
14/4
14/1
13/10
13/7
13/4
13/1
12/10
12/7
12/4
-1.6%
12/1
15/1
14/10
14/7
14/4
14/1
13/10
13/7
13/4
13/1
12/10
12/7
12/4
12/1
0
(年/月、月次)
図表4. 前場と後場の騰落率の相関(月間)
(相関係数)
正の相関となるケースが多かった
1.0
100%
90%
(前場も後場も上昇、前場も後場も下落)
0.8
80%
70%
0.6
60%
0.4
50%
0.2
40%
0.0
30%
-0.2
(注)データは2月5日現在
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(年/月、月次)
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
(注)データは2月5日現在
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
15/1
14/10
14/7
14/4
14/1
13/10
13/7
13/4
13/1
12/10
12/7
正の相関が崩れている
(前後場でまちまちの動きとなることが多くなっている)
12/4
15/1
14/10
14/7
14/4
14/1
13/10
13/7
13/4
13/1
12/10
-0.6
12/7
0%
12/4
-0.4
12/1
10%
12/1
20%
(年/月、月次)
Shinkin Asset Management Co., Ltd
1
投資環境
2015 年 2 月 6 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
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がって行き(図表 2)
、今年は前場の騰落率がマイナスとなった日はすべて、日銀がETFを買い入れて
います(図表 3)
。2 月に入っても、前場の騰落率がマイナスとなった 2 日、3 日、5 日に、日銀のET
F買入れが実施されました。
「前場の騰落率がマイナスならば日銀のETF買入れが見込める」、逆に「前場の騰落率がプラスなら
ば日銀のETF買入れが見込めない」という投資家の観測も、実際の日銀のETF買入れとともに、相
場を動かす材料となってきている可能性があります。
実際、以前は前場と後場で同じ動きをすることが多かったのですが、日銀買入れの影響もあってか、
前場に下落でも後場に持ち直すケースが増えています(図表 4)
。今年 1 月については前場が下落した
10 日の中で 6 日、2 月もこれまでのところ 3 日中 2 日が、前場下落・後場上昇となりました。
2.公的マネーが株式市場を支える
他方、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、国内債券の割合を引き下げ、国内株式の基
本ポートフォリオ見直しを前提にした運用を開始したとみられる昨年 4 月以降、信託銀行を経由した年
金資金とみられる国内株式の買いが増加しています(図表 5、6)
。それまでは、国内株式が増加すると、
ポートフォリオの割合維持のため保有株式を売却する動きが多く、相場の変動を抑制する(下がれば買
い、上がれば売り)という運用パターンでした。今年度は、基本ポートフォリオが見直されたこともあ
り、国内株式の買いが継続している格好です。また、GPIFだけでなく、他の公的年金などもGPI
Fの運用に追随しているとの観測も出てきています。
日銀の「量的・質的金融緩和」政策の終了については観測すら出ておらず、GPIFのポートフォリ
オ見直しもしばらく継続しそうです。日銀、公的年金などの公的マネーが力ずくで国内の株式市場を支
え、押し上げる構図が続きそうです。
信託銀行の株式売買差引(左目盛)
日経平均株価(右目盛)
図表6. 信託銀行の株式売買累計と株価
10,000
20,000
0
18,000
-10,000
16,000
-20,000
14,000
-30,000
12,000
信託銀行の株式売買累計(左目盛)
15/1
14/10
14/7
14/4
14/1
13/10
13/7
6,000
13/4
-60,000
13/1
8,000
12/7
10,000
-50,000
12/10
-40,000
(年/月、週次)
※東京証券取引所、週間投資主体別売買動向(売買代金ベース、2市場合計)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(円)
(億円)
12/4
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
15/1
14/10
14/1
14/4
14/7
13/10
13/1
13/4
13/7
12/10
(円)
12/1
(億円)
500
400
300
200
100
0
-100
-200
-300
-400
-500
12/1
12/4
12/7
売り越し ← → 買い越し
図表5. 信託銀行の株式売買差引と株価
(年/月、週次)
日経平均株価(右目盛)
※東京証券取引所、週間投資主体別売買動向(売買代金ベース、2市場合計)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
鈴木和仁)
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