FRBは金融市場の過剰反応を警戒 - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2015 年 2 月 20 日
FRBは金融市場の過剰反応を警戒
1.FRBは利上げ開始に慎重
米連邦準備制度理事会(FRB)が 2 月 18 日に公表した 1 月の米連邦公開市場委員会(FOMC)
議事録では、利上げ開始に対するFRBの慎重な姿勢が示され、6 月にも利上げが開始されるとの市場
の観測はやや後退する形になりました。もっとも、1 月のFOMCは 2 月 6 日に発表された良好な米雇
用統計を踏まえておらず、この議事録だけで利上げ観測が後退したと判断するのはやや早計です。
1 月のFOMC議事録の主なポイントは以下の通りです。

多くの参加者はゼロ金利がより長引くと判断
「多くの参加者は、より長期にわたり政策金利を下限で維持するという考えに傾いたとの認識を
示した」

早期利上げは雇用と物価に悪影響
「多くの参加者は、早すぎる利上げは実体経済と労働市場の底堅い回復基調を弱め、FOMCの
政策目標である完全雇用と 2%の物価上昇率の妨げになると指摘した」

「忍耐強く(patient)
」の文言を削除した場合に、金融市場が過剰に反応することを懸念
「多くの参加者は、『忍耐強く(patient)』の文言を声明から削除する場合、金融引き締めの開始
に対する市場の予想時期が過度に限定される可能性があるとの見解を示した。結果として、金融
市場が過剰反応し金融環境の引き締めをもたらすとの懸念を、一部の参加者が表明した」
また、「強いドルは輸出の持続的な妨げになる」、「数人の参加者はドルが一段と上昇するリスクを指
摘した」と、ドル高への懸念も示されました。
米 10 年債利回りはFOMC議事録を受け一旦低下しましたが、19 日には再び 2.1%台まで上昇しま
した(図表 1)
。ギリシャ情勢への楽観なども米金利の上昇要因ですが、今年中の利上げが意識されてい
ることが米金利上昇の主因と思われます。
引き続き、米経済指標、24 日、25 日のイエレ
ンFRB議長の議会証言などから、利上げ開始時
4.0
期を探っていくことになります。また、来月に開
3.5
かれるFOMC(17-18 日)では、利上げ決定に
3.0
際しては「忍耐強くいられる(can be patient)
」
という声明文の文言が変更されるか否かが注目さ
れるところです。
図表1. 米国債利回り推移
(%)
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
米2年債
米10年債
米30年債
15/4
15/1
14/10
14/7
14/4
14/1
13/10
13/7
13/4
13/1
12/10
12/7
12/4
12/1
0.0
(年/月、日次)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
1
投資環境
2015 年 2 月 20 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
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2.前回の利上げ局面よりは、米金利の上昇は抑制される可能性
前回の利上げ局面での、米長期金利(10 年債利回り)の動きは以下の通りになります(図表 2)。
局面①:利上げ前に一旦利上げを織り込む形で上昇(2004 年 3 月中旬~6 月中旬)
局面②:利上げ開始直前から低下(2004 年 6 月中旬~10 月下旬)
局面③:レンジ内での動きが継続(2004 年 10 月下旬~2005 年 12 月)
局面④:利上げ局面の終盤は政策金利にさや寄せする形で上昇(2006 年 1 月~6 月)
局面①では米 10 年債利回りは、3.68%から 4.87%へと 1.2%弱上昇しました。今年に入り、米 10
年債利回りは 1 月末に 1.64%まで低下した後、2 月 19 日には 2.11%と、0.47%程度上昇しています。
前回の局面と同程度の上昇を見込むと、利上げ開始前までにあと 0.73%程度上昇した後、低下に転じる
ことになります。
もっとも、米労働市場は順調に回復していますが、原油安の影響などにより米インフレ率はFRBが
目標とする 2%を下回って低迷しています。また、欧州中央銀行(ECB)の国債買入れ決定を背景に、
独 10 年債利回りが 0.3%台で推移する中、2%を超える米 10 年債利回りは魅力的で、米 10 年債利回り
の上昇を抑制しそうです(図表 3)
。加えて、FRBは利上げ開始に向けて金利が急騰することを警戒し
ており、利上げを開始した場合でも利上げのペースは緩やかになる見通しを金融市場に織り込ませるな
ど、市場に配慮した政策運営を行う可能性が高いと思われます。
今後、利上げ観測が強まった場合でも米長期金利の上昇は限定的で、利上げ開始以降も急激な金利上
昇は避けられることが見込まれます。
図表2. 前回利上げ時の日米金利
(%)
5.5
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
局面①
局面② 局面③
図表3. 米独金利差
(%)
(米-独、10年債利回り)
2.0
局面④
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
-1.0
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
14/1
12/1
10/1
08/1
06/1
04/1
02/1
00/1
98/1
96/1
94/1
(年/月、日次)
92/1
06/10
06/7
06/4
06/1
05/10
05/4
05/1
05/7
米2年債
日10年債
-2.0
90/1
米政策金利
米10年債
04/10
04/7
04/4
04/1
03/10
03/7
03/4
03/1
-1.5
(年/月、日次)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
鈴木和仁)
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