年金2

平成 26年度
…1
年金 2…
年 金 2 (問題)
【 第 I部 】
問題 1
. 次の( 1) ∼( 5)の各聞に答えなさい。[解答は解答用紙の所定の欄に記入すること]
(1) 5点、( 2)
・( 3)各 7点、( 4) 5点、( 5) 6点 ( 計 3 0点
)
(1)厚生年金基金(以下、「基金」という。
Hこ関する以下の記述について、正しい場合にはOを、正
しくない場合には×と正しい内容を記載しなさい。
なお、以下、「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を
) Jを「平成二十五年改正法j という。
改正する法律(平成二十五年法律第 63号
ア
プラスアルファ部分は、給付現価で代行部分の五割程度までは確保していなければなら
ない。ただし、平成十七年四月一目前に設立された基金については「五割Jを「三割(平
成二十六年四月一日時点において三割を下回っている基金にあっては平成二十六年四月
一日時点における当該水準) J とする。
イ
「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法
律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等及び経過措置に関する省令(平成二十六年
厚生労働省令第 20号
) Jの第一条の規定による廃止前の厚生年金基金規則第 3 2条の「掛
金の計算に関する基準Jにおいて、掛金の額は、標準掛金額と特別掛金額その他の掛金
額と区分して定めなければならない。標準掛金額は、年金たる給付および、一時金たる給
付に要する費用に充てるため徴収する掛金で、あって原則として将来にわたって平準的に
定める必要がある。
ウ
上乗せ部分を含めて十分な積立水準がある基金については、基金として存続する選択肢
もある。この選択肢をとる場合、代行部分のー・五倍かっ最低積立基準額を確保するとい
う法定の存続基準を満たすことが必要になる。基金として存続する場合は、モニタリン
グの強化が行われるほか、平成二十五年改正法施行後五年後以降は、存続基準を満たさ
なくなった場合、解散命令の対象となる。
エ
休職等期間中の加算適用加入員について、「休職等期間の全部または一部Jのうち労働協
約等に定める退職金の算定対象に含まれていない等の合理的な理由があることにより、
加算部分の給付額の算定の基礎としていない部分の全部又は一部について当該加算適用
加入員にかかる掛金を拠出しないことができる。
オ
基金が解散した場合の残余財産については、一時金として分配するほか、平成二十五年
改正法を踏まえ、企業年金連合会、確定給付企業年金、企業型確定拠出年金および中小
企業退職金共済への移換を行うことも可能である。
平成 26年度
年金 2……2
(2)「厚生年金基金の解散及び移行認可について(平成九年三月三十一日年発第 1682号
) Jの別紙
「厚生年金基金解散・移行認可基準Jにおける、解散に関する代議員会の議決前の手続きにつ
いて、次の仁訂∼仁司を適切な語句で埋めなさい。
第一解散手続に関する基準
∼略∼
一 代議員会の議決前の手続き
∼略∼
(1)事業主の同意
代議員会における議決正日以内現在における全設立事業所の事業主の
仁日以上の同意を得ていること。
(2)加入員の同意
代議員会における議決前仁日以内現在における加入員総数の仁己以上の同意
ていること。
を得i
(3)受給者への説明
代議員会の議決跡、全受給者に対して、解散理由等に係る説明を仁日で行って
し、ること。
(4)労働組合の同意
設立事業所に使用される加入員の仁日以上で、組織する労働組合がある場合は、当
該労働組合の同意を得ていること。ただし、当該労働組合が複数あるときは、その
仁
EJ2J,上の同意を得ていることをもって足りる。
(5)企業型年金の資産管理機関へ残余財産を移換することについての同意
資産の移換を行うことができる解散基金加入員となるべき者の亡日以上の同意
を得ていること。
平成 26年度
年金 2…… 3
(3)「自主解散型基金等の解散に関する特例について(平成二十六年三月二十四日年発 0324第 3号
)J
E ∼仁互コを適切な語句で埋めなさい。
における、納付計画の承認の要件について、次の仁
第三納付計画
∼略∼
1 承認要件
(1) (
略
)
(2)「年金たる給付又は一時金たる給付に要する費用を抑制するために必要な措置j とは、次に掲
げる事項が一以上当てはまる場合又はこれと同等の措置と認められる場合は、これに該当するも
のであること。
①
仁E
E
②加算型の場合で、仁
③代行型の場合で、代行部分に係る仁口昔置のプラスアルファ部分への適用
(3) (
略
)
(4)「納付の猶予を受けようとする額の年ごとの設定が合理的なもの J とは、たとえば、仁日ゃ
仁
E については合理的であると認められるものであること。
また、上記以外の方法による設定については、合理的と認められる理由を求めるとともに、必
要がある場合には、当該期間に納付できる根拠書類により確認するものとする。
なお、仁日に配慮し、特に、猶予期間が長期にわたる場合は、仁日仁日を基本とす
ることとする。
(5)「事業主ごとの負担方法その他の事情から見て適正なものはは、たとえば、仁目、加入員
人数による按分方法については適正である認めるものであること。
また、上記以外の方法については、適正であることの理由を求めるものであること。
なお、仁口乙配慮し、事業主の負担能力に配慮した負担方法となっているものであること。
平成 26年度
年金 2……4
(4)「厚生年金基金設立認可基準取扱要領」における加算年金の額の算定について、次の仁日∼
仁日を適切な語句で埋めなさい。
第二年金たる給付及び一時金たる給付に関する事項
∼略∼
三加算型の給付設計を定める場合にあっては、次によるものであること。
(1)∼( 4)
(
略
)
(5)加算年金の額の算定等
①加算年金の額の算定は、次のア∼カのいずれかの方法によること。なお、基金の加
算年金を企業の退職給与規程等に基づく給付金と調整するときは、その他の方法に
よることができること。
ア∼イ(略)
ウ 加算適用加入員で、あった期間のうち規約で定める期間ごとの各期間につき、定
額又は加算給与の額その他これに類するものに一定の割合を乗ずる方法によ
ITJ
を行い、その累計額を規約で定める数値で除する方法
り算定したものの
エ∼カ(略)
②(略)
③
E は、規約で定める期間ごとに次のア∼オに定めるもの(以下
前記①のウの仁
f
仁[
JJという。)を用いて行うものとすること。ただし、いずれの仁日こ基
Eを行う場合でも、当該仁日後の累計齢、当該仁日を行わなかった
づき仁
場合の累計額紅白こと。なお、規約で、定める期間ごとに異なる仁日を規制こ
定めて用いることができること。
ア定率
ィ 仁日その他の客観的な仁日であって、合理的に予測することが可能なもの
ゥ仁日
エ∼オ(略)
④∼⑦(略)
平成 26年度
年金 2…・
・
5
(5)次は、現在の公的年金における財政検証に関する記述である。空欄に適当な語句を下の選択肢
(ア)∼(ツ)の中から選び記号で答えなさい。
平成昨年金制度改正において、仁日が導入されたことにより、それまで行われてきた
仁日計画を策定する財政再計算は行われないこととなった。しかしながら、仁日の下でも、
人口や社会・経済情勢の変化に伴うさまざまな要素を踏まえて、財政状況を検証していくことは
必要であり、少なくとも 5年に一度、「仁己j を作成する財政検証を行うこととされた。
厚生年金保険法及び国民年金法では、財政検証として政府は以下の①∼⑤を実施することとさ
れている。
①保険料、国庫負担、給付に要する費用など年金事業の収支について、今後おおむね仁日年
聞における見通しを作成すること。
QJ
年間において財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合には、
② 今後おおむね仁
政令で仁u~こよる給付水準調整の開始年齢定めること。
Eによる給付水準調整を行う必要がなくなったと認められる場合同、給付水準調整の
③仁
終了年度を定めること。
④仁口こよる調整期間中に財政検証を行う場合には、給付水準調整の終了時の見通しを作
成すること。
⑤
①及び④の見通しを公表すること。
すなわち、財政検証において仁日こよる給付水準調整をどの程度行う必要があるかを推計し、
財政検証を行った時点で調整を終了しでもおおむね仁日年間にわたって年金財政の均衡が図
られる見通しとなるときに、給付水準の調整を終了することとなる。なお、②に関して、この開
始年度は政令で平成 17(2005
)年度と定められ、給付水準調整が機能しうる状態となっているが、
平成 1
2
(
2
0
0
0
)
∼ 14(2002
)年度の物価スライドの特例の一部が解消されておらず、平成 1
6年改正
法附則の規定により、現在の平成 26(2014
)年度時点においては給付水準調整は行われていない。
また、次の財政検証が予定されている時期までに、給付水準について仁日が 5
陥下回る
と見込まれる場合には、給付水準調整の終了その他の措置を講ずるとともに、給付及び負担の在
り方について検討を行い、所要の措置を講ずることとされている。
このように、財政検証は、直近の人口や社会・経済状況を踏まえた財政の見通しを作成するこ
とにより、平成 16年年金制度改正に基づく長期的な収支の均衡が図られているかについて、年
金財政の健全性の検証を行うものである。
【選択肢】
(ア)負担水準
(
イ
) 5
(ウ)積立金取崩
(エ)財政健全化
(
オ
) 100
(カ)マクロ経済スライド
(キ)段階保険料方式
(ク)平準保険料方式
(ケ)保険料固定方式
(コ)保険料の引上げ
(サ)年金数理レポート
(シ)国庫負担割合
(ス)財政の現況及び見通し
(セ)所得代替率
(
ソ
) 1
0
(タ)計算基礎率
(チ)保険料に対する比率
(ツ)収支予測計算
平成 26年度
年金 2…… 6
問題 2. 次の( 1)∼( 4)の各間に答えなさい。[解答は解答用紙の所定の欄に記入すること]
(1) 9点、( 2)
・( 3)各 6点、( 4) 9点 ( 計 3 0点
)
(1) 厚生年金基金の解散計画について、次の①∼③の各間に答えなさい。
①
解散計画における財政の見通しを作成するときに用いることとなる純資産額、および、量盤
責任準備金の将来予測に用いる利回りの前提についてそれぞれ簡記しなさい。
②
解散計画を作成するときの満たすべき基準について簡記しなさい。
③
解散計画を実施している基金が財政計算を行うべき場合に該当したときの取扱いについて
筒記しなさい。
(2)厚生年金基金における代行保険料率について、次の①、②の各問に答えなさい。
① 代行保険料率を算定すべき該当事由について筒記しなさい。ただし、分割設立、合併、分割、
および\厚生年金保険において財政の現況及び見通しが作成され免除保険料を決定する場合
については触れなくてよい。
② 今年度の厚生年金保険において財政の現況及び見通しが作成され免除保険料を決定する場合
における、代行保険料率の算定及び届出について簡記しなさい。ただし、代行保険料率を算
定すべき他の該当事由にも共通する取り扱いについては触れなくてよい。
(3)最低責任準備金の前納について、次の①、②の各聞に答えなさい。
①
最低責任準備金の前納を行う場合の以下の点について簡記しなさい。
・「前納する金額を算出した根拠となる書類Jにおいて確認する前納額の合理性について
.前納した厚生年金基金の最低責任準備金の算出方法について
②
最低責任準備金の前納を行うことができる厚生年金基金の要件について簡記しなさい。また、
前納を行う場合に留意すべき 点について簡記しなさい。
d
平成 26年度
年金 2…… 7
(4)以下は、ある厚生年金基金(以下、 f
基金」という。)における平成 26年度財政決算の財政検証に
かかる諸数値である。これに関連し、次の①∼③の各聞に答えなさい。
平成 26年度財政決算における諸数値
0
,
0
0
0百万円
固定資産…・・……… 2
,
0
0
0百万円
流動資産……………2
.
.
.
・ ・
2
,
5
0
0百万円
支払備金… ・・
H
H
H
流動負債…………… 3
,
5
0
0百万円
最低責任準備金…・ 1
8
,
0
0
0百万円
2
4
,
0
0
0百万円
最低積立基準額…・
固定資産の財政運営上の評価方式:時価方式
平成 27年度における最低責任準備金の見込み額から
平成 26年度の最低責任準備金を控除した額・…・…・…162百万円
平成 27年度における最低積立基準額の見込み額から
平成 26年度の最低積立基準額を控除した額…・……… 54百万円
.
.
.
.
.
.
・ ・−−………… 1
,
0
5
5百万円
平成 27年度における掛金の見込み額…・……・・・・・・ ・
H
H
最低責任準備金に対する純資産の比率
.
9
5、平成 24年度: 0
.
8
8、平成 25年度: 0
.
9
0
平成 23年度: 0
最低積立基準額に対する純資産の比率
平成 23年度: 0
.
8
0、平成 24年度: 0
.
7
3、平成 25年度: 0
.
7
5
解散計画および代行返上計画は実施していなし、。
平成 27年度において特例掛金は設定していない。
平成 26年度以降における基金の加入員の標準報酬月額及び標準賞与額の総額に対す
る掛金の総額の比率は、平成 24年度における当該比率を下回っていないものとする。
①
「厚生年金基金財政運営基準」に定める財政検証の方法について簡記しなさい。ただし、解散
計画または代行返上計画を実施中の基金にかかる財政検証については触れなくてよい。
②
この基金の平成 26年度財政決算における最低積立基準額及び最低責任準備金の確保にかかる
財政計算の必要の有無を答えなさい。解答にあたっては算出過程を示すこと。
③
この基金の平成 26年度財政決算における最低積立基準額及び最低責任準備金の確保のための
方法として、積立比率に応じて必要な掛金を設定する方法を用いた場合の、翌々事業年度の
掛金の額に追加して拠出することが可能な特例掛金の額の範囲を算出しなさい。なお、解答に
あたっては、算出過程をあわせて示すこと。
平成 26年度
年金 ・
2 …・
・
8
【 第 H部 】
問題 3. A、Bいずれかを選択し解答しなさい。[解答は汎用の解答用紙に記入し、 3枚以内とすること。
4枚以上解答した場合、 4枚目以降については採点の対象外とする。]
(40点
)
A. 次の表は、平成 26年財政検証における通常の試算結果とオプション試算 Eの高齢期の保険料拠
出がより年金額に反映する仕組みとした場合の結果の、出生中位、死亡中位、経済ケース Eでの
比較である。
オプション試算直
通常の試算
所得代替率
比例
基礎
(従来モデ、ル)
所得代替率
給付水準
調整終了
〔給付水準)
調整終了後
年度
調整終了後
年度
50. 6 %
2043
57. 1%
2042
24. 5 %
2020
27
. 2%
2022
26. 0 %
(51. 6%)
2043
30. 0 %
(58. 4%)
2042
(給付水準〕
一元化モデル
給付水準
調整終了
試算の前提としている制度は
①
基礎年金給付算定の時の納付年数の上限を現在の 40年(20
∼60歳)から 45年(20∼65
歳)に延長し、納付年数が伸びた分に合わせて基礎年金が増額する仕組みに変更。
−平成 30年度より納付年数の上限を 3年毎に 1年延長。
・スライド調整率は、現行の仕組みの場合と同じものを用いている。
②
65歳以上の在職老齢年金を廃止。
である。
この結果について、公的年金制度の給付水準、支給開始年齢、在職老齢年金制度、拠出給付倍
率(払った保険料総額と受け取る年金総額との比率)に触れながら、所見を述べなさい。
平成 26年度
年金 2…
…9
B. 今般の「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法
) J、および\この法律の制定に伴う政令・省令・通知の改正につい
律(平成二十五年法律第 63号
て、次の( 1)、( 2)の各間に答えなさい。
(1)当該改正の背景および趣旨について答えなさい。
(2)ある総合型の厚生年金基金が上乗せ給付の再建について検討している。複数の選択肢をあげ、
その留意点を述べたうえで、状況に応じたアドバイスをしてください。
以上