米国の債券市場(2016年 1月)

2016年1月14日
(No.2,372)
〈マーケットレポートNo.4,613〉
米国の債券市場(2016年1月)
好悪材料が拮抗し、国債利回りはもみ合う展開
国債利回りはもみ合い
米国債、ドイツ国債の利回りと
(%)
社 債 ス プ レ ッ ド ( 国 債 と の 利 回 り 差 )(%)
2.8
5.0
米国債利回り(残存10年、左軸)
2.4
ドイツ国債利回り(残存10年、左軸)
4.0
米社債スプレッド(残存約10年、右軸)
2.0
3.0
1.6
利上げ実施で不透明感は後退
■昨年12月上旬、米国10年債利回りは、欧州金
利の上昇や米国の利上げ観測の高まりなどを受け
て2.3%台まで上昇しました。
■しかしその後、原油価格の急落などによりリスク回避
の動きが強まったこと、12月中旬に開催された米連
邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定さ
れたものの、今後の利上げペースが緩やかになるとの
見通しが声明文に明示されたことから、国債利回り
は低下し、2.2%を挟んでのもみ合いとなりました。
■12月末の10年国債利回りは2.27%(前月末比
0.06%ポイント上昇)でした。
社債スプレッドは拡大
日米短期金利差も拡大
1.2
2.0
0.8
1.0
0.4
0.0
14/12 15/2
0.0
15/8 15/10 15/12
(年/月)
(注1)データは2014年12月1日~2016年1月13日。
(注2)米社債スプレッドはバークレイズ・米国投資適格社債
インデックスによる。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセット
マネジメント作成
0.5
0.4
15/4
15/6
日米短期金利と金利差
(%)
日米金利差
米国
日本
0.3
■米社債スプレッド(国債との利回り差)は拡大しま 0.2
した。利上げを受けて社債に対する需要が鈍化した
うえに、原油価格の下落により資源関連企業の業 0.1
績に対する不安感が強まったことが背景です。
0.0
■短期金利の動きをロンドン銀行間取引金利
(LIBOR)で見ると、米国の利上げにより日米金
利差は月間で0.18%ポイント拡大しました。
14/12 15/2 15/4 15/6 15/8 15/10 15/12
(注1)データは2014年12月1日~2016年1月12日。(年/月)
(注2)日米短期金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)1カ月物。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセット
マネジメント作成
当面のところ国債利回りはレンジ内での動きとなる見通し
■12月の雇用統計やISM指数は、米国経済の順調
な拡大、労働市場のスラック(需給の緩み)の改
善を示唆するものでした。利上げは、16年も継続さ
れる可能性が高いと考えられます。
■国債利回りには上昇圧力がかかりますが、利上げの
ペースが緩慢なことや、中国経済や原油価格などの
不透明要因が解消されていないことを踏まえると、
当面のところレンジ内での動きになる見通しです。
2016年1月12日 米国の雇用統計(2015年12月)
2016年1月 8日 FOMC「議事要旨」(米国)
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘
するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので
あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、
今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を
保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾
者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。