人民元安と原油安、日本株式市場への影響をどう見る?

2016年1月13日
日本株式市場
人民元安と原油安、日本株式市場への影響をどう見る?
中国当局が人民元安の容認姿勢を見直す方向です。原油の需給関係も改善
が期待され、日本株式市場へのマイナス圧力は緩和すると考えられます。
■原油市場では、ロング・ショート比率が2010年以降
の最低水準となり、さらに売りポジションを増やすこと
が難しいと思われます。懸案の米国の原油在庫も石
油リグ稼働数の大幅な削減から、今後は減少が見
込まれ、需給は徐々に改善していくと思われます。
■1月12日に中国当局が人民元安容認の姿勢を
見直す動きが顕在化し、人民元の対円レートは落
ち着きを取り戻しつつあります。
■人民元の急落は中国の景気に対する不透明感も
背景にありました。特に不動産投資の動向が懸念
されますが、新規着工に先行する土地購入が底を
打って反転してきていることから、今後は不動産市
場の安定化が期待できそうです。
【日経平均株価と人民元対円レート】
(円)
22,000
人民元対円レート
(右軸、オフショアレート)
20,000
18,000
当局が香港オフショア市場
で介入。人民元安容認姿
勢を見直す動き。
14,000
(円/人民元) (米ドル/バレル)
21
【原油価格とロング・ショート比率】
(倍)
120
30
原油価格
(左軸)
100
20
80
19
日経平均株価
(左軸)
16,000
■中国当局の姿勢変更、原油の売り圧力の低下が
期待されることから、日本株式市場へのマイナス圧力
は緩和されると考えられます。
25
20
ロング・ショート比率
(右軸)
60
15
18
40
10
17
20
5
0
0
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
16/1(年/月)
14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 (年/月) (注1)期間は原油価格が2010年1月8日~2016年1月12日。ロング・ショート
(注)期間は2014年1月1日~2016年1月13日。
比率が2010年1月5日~2016年1月5日。週次ベース。
(出所)Bloomberg L.P. のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 (注2)ロング・ショート比率:買いポジション÷売りポジション。
(出所)Bloomberg L.P. のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
12,000
16
(%) 【都市の新規着工と土地購入の推移】
100
80
40都市新規着工(左軸)
100都市土地購入(右軸)
(%)
250
200
(億バレル)
5.5
150
5.0
40
100
4.5
20
50
0
0
60
▲ 20
(いずれも3カ月移動平均)
石油リグ稼働数
(右軸)
▲ 40
▲ 100
回復方向に。
09/3 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 (年/月)
1,200
3.5
3.0
10/1
(基)
1,800
1,500
原油在庫(左軸)
4.0
▲ 50
(注)期間は2009年3月~2015年11月。
(出所)Bloomberg L.P.、中国国家統計局、CEICのデータを
基に三井住友アセットマネジメント作成
【石油リグ稼働数と原油の在庫】
石油リグの稼働数は大きく減少。
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
900
600
300
16/1(年/月)
(注)期間は2010年1月8日~2016年1月8日。原油在庫は2016年1月1日まで。
週次ベース。リグ:油田を掘る掘削装置。
(出所)Bloomberg L.P. のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
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