3月の国債利回りは小幅に上昇

2016年4月13日
(No.2,437)
〈マーケットレポートNo.4,756〉
米国の債券市場(2016年4月)
3月の国債利回りは小幅に上昇
前半の国債利回りは上昇
後半は緩やかに低下
■3月前半の米国10年債利回りは、上昇しました。
月初に公表されたISM景況感指数や雇用統計と
いった米国の景気指標が改善したこと、株価、原油
価格が上昇に転じたことなどから、景気の先行きに
対する過度な悲観論が後退したためです。
■しかし、後半の10年債利回りは、15日~16日に
開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の
声明文がハト派色の濃い内容だったことを受け、緩
やかな低下に転じました。
■結局、3月末の10年債利回りは1.77%となり、前
月末に比べ0.04%ポイントの小幅な上昇となりまし
た。
米国債、ドイツ国債の利回りと
(%)
(%)
米社債スプレッド(国債との利回り差)
5
3.5
米国債利回り(残存10年、左軸)
4
2.8
ドイツ国債利回り(残存10年、左軸)
米社債スプレッド(残存約10年、右軸)
3
2.1
2
1.4
1
0.7
0
15/3
15/5
15/7
15/9 15/11 16/1
0.0
16/3
(年/月)
(注1)データは2015年3月2日~2016年4月12日。
(注2)米社債スプレッドはバークレイズ・米国投資適格社債
インデックスによる。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセット
マネジメント作成
0.6
(%)
日米金利差
米国
日本
0.5
社債スプレッドは縮小
0.4
日米短期金利差も縮小
0.3
日米短期金利と金利差
0.2
■米社債スプレッド(国債と社債の利回り差)は、縮
小しました。原油価格など商品市況が反発したこと
に加え、緩和的な金融環境が持続するとの見方が
強まり、社債に対する需要が高まったためです。
0.1
0.0
▲ 0.1
15/3
15/5
15/7
15/9 15/11 16/1
16/3
(年/月)
■ 短 期 金 利 の 動 き を ロ ン ド ン 銀 行 間 取 引 金 利 (注1)データは2015年3月2日~2016年4月11日。
(注2)日米短期金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)1カ月物。
(LIBOR)で見ると、日米金利差は縮小しました。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセット
マネジメント作成
国債利回りは当面のところ低水準で推移する見通し
■ISM指数や雇用統計から判断する限り、米国の景
気は緩やかな拡大基調にあります。米連邦準備制
度理事会(FRB)は、2016年も利上げを継続す
る見通しです。
■ただし、FOMC声明文の内容や物価の安定を踏ま
えると、利上げの速度は緩やかなものにとどまると予
想されます。国債利回りは当面のところ低水準で推
移する見込みです。
2016年4月7日 米国のISM景況感指数(2016年3月)
2016年4月4日 米国の雇用統計(2016年3月)
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