鹿児島県地域強靱化計画(素案)【概要】 第1章 県地域強靱化計画策定の趣旨,位置付け 1 県地域強靱化計画策定の趣旨 大規模な自然災害が起こっても,「致命的な被害を負わない強さ」と「速やかに回復するし なやかさ」を持った安全・安心な地域の構築に向けた「県土の強靱化」を推進するための計 画として,県地域強靱化計画を策定 2 県地域計画の位置付け 地域強靱化の観点から,県における様々な分野の計画等の指針となるもの 第2章 基本的な考え方 1 基本目標 (1) 人命の保護が最大限図られること (2) 県の重要な機能が致命的な被害を受けず維持されること (3) 県民の財産及び公共施設に係る被害の最小化 (4) 迅速な復旧復興 2 事前に備えるべき目標 (1) 大規模自然災害が発生したときでも人命の保護が最大限図られる (2) 大規模自然災害発生直後から救助・救急,医療活動等が迅速に行われる(それがなさ れない場合の必要な対応等を含む) (3) 大規模自然災害発生直後から必要不可欠な行政機能は確保する (4) 大規模自然災害発生直後から必要不可欠な情報通信機能は確保する (5) 大規模自然災害発生後であっても,経済活動(サプライチェーンを含む)を機能不全 に陥らせない (6) 大規模自然災害発生後であっても,生活・経済活動に必要最低限の電気,ガス,上下 水道,燃料,交通ネットワーク等を確保するとともに,これらの早期復旧を図る (7) 制御不能な二次災害を発生させない (8) 大規模自然災害発生後であっても,地域社会・経済が迅速に再建・回復できる条件を 整備する 3 基本的な方針 (1) 地域強靱化の取組姿勢 (2) 適切な施策の組み合わせ (3) 効率的な施策の推進 (4) 地域の特性に応じた施策の推進 第3章 鹿児島県の地域特性及び災害リスク 1 地域特性 (1) 地形・地質等 県下のほとんどの地域が火山噴出物であるシラス層によって厚く覆われている。 (2) 気象概況 日本の南端に位置し,気候は,海岸を黒潮及びその分流の対馬暖流に洗われ,一般に 温暖多雨夏である。夏から秋にかけての雨は,台風,熱雷に伴う一時的な豪雨が多く, 梅雨期の豪雨とともに多くの災害を起こす原因となっている。 (3) 人口等 本県の人口は,約170万人(平成22年国勢調査)で,長期的には減少傾向が続いている。 (4) 地域特性の主な事項 海岸線延長 全国第3位,離島面積 全国第1位 など 2 災害リスク (1) 地震,津波(南海トラフ地震) (2) 風水害,土砂災害(平成5年鹿児島豪雨,平成22年奄美豪雨,平成5年台風第13号) (3) 火山噴火(桜島大正大噴火) -1- 第4章 脆弱性評価 1 評価の枠組み及び手順 国が実施した手法を踏まえ,脆弱性評価を行い,対応方策を検討する。 (1) 想定するリスク 大規模自然災害全般(地震,津波,風水害,土砂災害,火山噴火) (2) 施策分野 ・ 個別施策分野(9分野) ①行政機能/警察・消防,②住宅,都市,③保健医療・福祉,④産業(エネルギー,情 報通信,産業構造),⑤交通・物流,⑥農林水産,⑦国土保全,⑧環境,⑨土地利用(県 土利用) ・ 横断的分野(3分野) ①リスクコミュニケーション,②老朽化対策,③離島・半島 (3) 目標と起きてはならない最悪の事態 起きてはならない最悪の事態に関しては,8つの「事前に備えるべき目標」と,その 妨げとなるものとして36の「起きてはならない最悪の事態」を設定 (4) 評価の実施手順 各プログラムを構成する取り組みごとに,現行の取り組みで十分かどうかの分析・評 価を行い,プログラムごと,施策分野ごとに整理 2 評価のポイント (1) 重点化を図りつつ,ハード対策とソフト対策の適切な組み合わせが必要 (2) 代替性,冗長性等の確保が必要 (3) 国,市町村,民間等との連携が必要 第5章 地域強靱化の推進方針 1 施策分野 個別施策分野(9分野),横断的分野(3分野)の12分野 2 施策分野ごとの地域強靱化の推進方針 脆弱性評価の結果を踏まえ,今後,本県の強靱化に向け,12の施策分野ごとに,ハード, ソフト両面から取り組むべき推進方針を整理 第6章 県地域計画の推進と不断の見直し 1 他の計画等の必要な見直し 県地域計画は,地域強靱化の観点から,県における様々な分野の計画等の指針となるも のであることから,他の計画等においては,必要に応じて所要の検討を行い,県地域計画 との整合性を図っていく。 2 県地域計画の不断の見直し 今後の地域強靱化を取り巻く社会経済情勢等の変化や,国全体の強靱化政策の推進状況 等に応じた施策の推進が必要となることから,県地域計画の推進期間は概ね5年間(平成 28年度から32年度まで)とする。 3 プログラムの推進と重点化 「人命の保護」を最優先として,事態が回避されなかった場合の影響の大きさ,緊急度 などの視点や,国の基本計画との一体性等を総合的に勘案し,重点化すべき14のプログラ ムを選定した。 4 市町村地域強靱化計画の策定 県は市町村地域計画の策定が円滑に図られるよう国の動向や県地域計画に関する情報を 積極的に提供するとともに,必要に応じて市町村地域計画の策定・推進に向けた支援を行 うこととする。 -2-
© Copyright 2024 ExpyDoc