J:COMがテレビ通販会社を買収-格付への影響は限定的

NEWS RELEASE
2015年12月25日
J:COMがテレビ通販会社を買収-格付への影響は限定的
ジュピターテレコム(発行体格付=A、以下 J:COM)は 24 日、国内最大手のテレビ通販企業ジュピタ
ーショップチャンネル(以下ショップチャンネル)の株式を取得し、連結対象会社化すると発表した。
米ベインキャピタル・パートナーズが投資助言を行う投資ファンドが特別目的会社を通じて保有するシ
ョップチャンネルの全株式を取得する。本件取引終了後のショップチャンネルの株主構成は、J:COM50%、
住友商事(証券コード:8053、発行体格付=A+)45%、KDDI(同 9433、AA-)5%となる。本取引に関す
る資金負担額は公表されていないが、報道ベースでは 1000 億円超とされている。
J:COM は約 500 万世帯にサービスを提供する国内最大のケーブルテレビ事業者。比較的安定度の高い
顧客基盤を持ち、ケーブルテレビ、高速インターネット、固定電話などの複数契約の割合を高め ARPU(契
約当たりの月間収入)を向上させる戦略で、高い収益性を維持している。ただ、有料多チャンネルの国
内市場の成長は頭打ちの傾向にあるほか、異業種からのネット配信サービスへの参入、放映権料の高騰
など、ケーブルテレビ事業を取り巻く市場環境は厳しさを増している。今回の買収では、放送インフラ
を担うケーブルテレビと有力コンテンツであるテレビ通販との組み合わせで収益基盤の強化を狙う。シ
ョップチャンネルは創業以来 18 期増収を続けており、2014 年度の当期純利益は 145 億円と収益性は高
い。加えて、両社とも比較的高い年齢層に強みがあるなど、相互の顧客基盤に重なる部分がある。積極
的な営業活動やプロモーション施策を行うことで、両社の顧客基盤や売り上げの拡大が期待できる。株
主である住友商事、KDDI とのシナジー効果も見込める。財務負担があるとはいえ、今回の買収が J:COM
の格付に与える影響は限定的とみている。連結対象会社化によるシナジー効果をテコに利益、キャッシ
ュフロー創出力を底上げすることができるかに注目していく。
主任格付アナリスト:廣岡
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