2015年12月25日号 1/2 米国の利上げが バンクローンに与える影響について に与 影響に ■米国で始まった利上げ 米国の景況感の改善を受け、FRB(米連邦準備制度理事会)は、量的緩和に伴なう資産買い入れをす 米国 景況 改善 受 、 (米 邦準備制度 事会) 、 的緩和 伴 う資産買 す でに取りやめており、政策金利の引き上げ(利上げ)を実行する段階となっていました。2015年半ばから 利上げ時期を巡る思惑が、幾度となく金融市場で取り沙汰されましたが、FRBが指標の一つとする米国 の雇用状況や、米国経済に影響を与える外部経済の不透明さなどから、実施時期の延期が続いてい ました。 政策金利を決定する場であるFOMC(米連邦公開市場委員会)では、秋以降、利上げを見送りつつも、 近い将来に利上げを検討していることを強く示唆するようになり、2015年12月のFOMCで、実際に利上 げが実施されま た げが実施されました。 ■利上げによる影響とは? 政策金利の引き上げが与える影響は多方面にわたりますが、主たるものとしては、政策金利の変更に 伴ない市場金利が変動することが挙げられます。米国の10年国債利回りとFF金利の推移のグラフから は、過去の利上げ局面において、国債利回りが上昇していたことがうかがえます。 利回りの上昇は、一般に債券価格の下落を意味しますので、債券の保有者(投資家)は満期を迎えるま でにその債券を売却した場合、損失が発生する恐れがあります。ただし、金利上昇に伴なう債券価格の 低迷は、主として固定金利の債券でみられるものであり、市場金利の変動に応じて金利が適宜見直さ れる仕組み(変動金利)を持つ債券の場合、金利上昇に伴なう債券価格の下落は、固定金利の債券に 比べて小さくなる傾向があります。変動金利であるバンクローンもこうした債券に含まれます。 【変動金利の仕組みを持つバンクローン】 格付が相対的に低い企業が、資金調達を 行なうために発行する債券には、バンク ローンの他にハイイールド債があります。 バンクローンとハイイールド債は、 景況感が改善する中では、発行企業の 業績や財務体質の改善が期待される ことから、債券価格は共に上昇する傾向 にあります。 米10年国債利回りとFF金利の推移 (%) 9 (1994年1月末~2015年11月末) 米10年国債利回り 8 7 FF金利 債券価格下落 6 5 債券価格上昇 4 3 2 ただし、景況感の改善と共に金利が上昇 する場合、ハイイールド債は固定金利であり 1 金利上昇による債券価格の下落部分も 0 1999年1月 2004年1月 2009年1月 2014年1月 ありますが、変動金利であるバンクローンは、1994年1月 ●信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 ●信頼できると判断したデ タをもとに日興アセ トマネジメントが作成 金利上昇による債券価格の値下がりは ●上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません 少なくなる傾向があります。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが利上げとその影響についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの 勧誘資料ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。 ■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。 したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、 投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。 2/2 ■足元の価格推移 最近のバンクローンとハイイールド債の推移からは、いずれも同様に企業による資金調達でありながらも、 両者の値動きに違いがあることが分かります。 両者 値 分 。 ハイイールド債は、大きく上昇したあと大きく調整した一方、バンクローンは比較的穏やかな値動きとな るなど両者の価格変動率(リスク)には大きな違いがあります。下のグラフではバンクローンのリスクはハ イイールド債の半分程度と低くなっていますが、これは、バンクローンが発行後も発行企業の経営に対 して債権者がチェックする体制を有しており、経営不振によるデフォルトが少ないことや、一般に優先担 保付であり、デフォルト後の回収率が高いと言う仕組みの違いが大きな理由の一つと言えます。 加えて、発行企業の業種の傾向にも大きな違いがあります。エネルギー関連企業(原油採掘など)の資 金調達では、不確実性を強く伴なう事業の形態上、価値が高いと見なされる担保を提供しづらいことか ら、担保の質が重視されるバンクローンでは難しく、ハイイールド債での調達が多くなる傾向にあります。 その結果、ハイイールド債の発行体におけるエネルギー関連企業の比率は、バンクローンに比べて高く なっています(以下のグラフのインデックスベース)。 このため、米国でシェールオイル・ガス関連産業がにぎわった2013年から2014年半ばにかけてハイイー ルド債はバンクローンよりも堅調な推移となりました。しかしながら、2014年後半から原油価格が低迷す る中では る中では、ハイイールド債は軟調な推移となりました。(以下のグラフのインデックスベース) イイ ド債は軟調な推移となりました (以下 グラ イ デ ク ベ ) こうした結果、2012年からの期間で両指数の推移を比較してみると、絶対的なリターンの水準はハイ イールド債が勝るものの、リスク量との兼ね合い(取ったリスクに対するリターンの割合)で見た場合、バ ンクローンの方がよりリターンを確保できていたことが分かります。 このように、バンクローンはハイイールド債に比べ、金利上昇による値下がりはより少なく、価格推移は、 より安定したものとなる傾向があります 低格付の企業が発行する債券を選ぶ際には 期待リタ ンに より安定したものとなる傾向があります。低格付の企業が発行する債券を選ぶ際には、期待リターンに 加え、こうした値動きの違いなどにも注意して選択することが大切であると言えます。 バンクローンとハイイールド債の推移 140 (2012年1月初~2015年11月末) 130 ハイイールド債 バンクローン 120 110 100 ●グラフ期初を100として指数化 ●リスクおよびリターンは週次の騰落率と標準偏差を それぞれ年率換算した値です バンクローン ハイイールド債 リスク 2.22% 4.23% リターン 3.70% 5.65% リターン/リスク 1.67 1.34 90 2012年1月 2012年10月 2013年7月 2014年4月 2015年1月 2015年10月 ●バンクローン:S&Pレバレッジドローン100インデックス(米ドルベース) ●ハイイールド債:BofA ●ハイイ ルド債:BofA メリルリンチ米国ハイイ メリルリンチ米国ハイイールド・マスターⅡインデックス(米ドルベース) ルド マスタ Ⅱインデックス(米ドルベ ス) ●信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 ●上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが利上げとその影響についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの 勧誘資料ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。 ■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。 したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、 投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
© Copyright 2024 ExpyDoc