20150108週次レポート

Precious Metals Weekly Update
th
7 January 2015
WEEK IN REVIEW: ユーロ圏の財政懸念により、安全資産としての金需要が高まる
Macro indicators:
Yen
0.0%
Euro
(1.5%)
S&P
(1.9%)
FTSE
(1.3%)
Oi l
(4.8%)
Copper
(0.8%)
Dec 29th - Ja n 2nd
Platinum prices
$/oz
last week:
2014 年の年末に近づくにつれて、休暇中の薄商いのため貴金属価格は値動き乏しく、唯一パラジウムのみ
が年初来上昇となった。2015 年始まってからは、ギリシャの財政破綻に対する懸念と、欧州中央銀行(ECB)
による追加緩和が 1 月中に行われるという観測が強まる中、ユーロ/ドルが 1.2 を割りこみ約 9 年振りの安値
まで下落した。これを受けドルは 2005 年末振りの高値まで上昇し、コモディティ価格は下方圧力に晒されてい
る。今週発表されるユーロ圏の 12 月 CPI は、ユーロ圏がデフレに陥っていることを示す結果となることが予
想される。それを受けドル高に推移すれば貴金属にとって更なる弱材料となるだろう。しかし、今月行われる
ギリシャの総選挙にて、財政再建に向け交渉を行うとしている野党が勝利する結果に備えて投機筋がショート
カバー及び安全資産として貴金属を購入すれば、ドル高による影響は相殺される可能性もある。
プラチナ

9-Dec
2
2-Jan

Change: -0.8%
Support:
$1,177
Resistance: $1,220
Outlook:
Palladium prices
$/oz
last week:

パラジウム


29-Dec
2-Jan
Change: -2.7%
Support:
マクロ: 直近 2 週間のプラチナ価格は、ドル高の影響を受け$1,200/oz を挟んで$20 以内の狭いレンジ
内で推移した。この価格水準においてユーロ安が与える影響は短期的にはほとんどない。2015 年頭
から原油価格は$55 を割り込み大幅に下落しており、ディスインフレーションはコモディティ価格とって
大きな弱材料となるが、プラチナのような工業用メタルは原油安を受け需要が増加する見通しだ。
テクニカル: 2014 年 12 月末以来続いた上昇基調は終わり、日々の終値が 50 日移動平均を下回って
いることから弱気相場であることが分かる。短期的な支持線は$1,177/oz(2014 年の安値)になると見ら
れ、現在の終値の水準においては$1,112/oz(2008 年の安値と高値を結んだ 23.6%フィボナッチリトレ
ースメント)まで価格が下割れする可能性がある。
ファンダメンタル: 上海黄金交易所(SGE)のプレミアムは 3 週連続で 6%超となっており、現在のように
価格が安い状況において中国の現物需要は堅調であることが分かる。

$780
マクロ: パラジウム価格もドル高によって下落し、2015 年に初めて$800/oz を割り込んだ。今週発表さ
れる ADP 雇用統計と米非農業部門雇用者数が市場予測を下回るとドルが下落する可能性がある
が、米国経済が堅調であることからドルの下落は一時的なものになるだろう。
テクニカル: 直近の価格は下落しているが、2014 年 10 月中旬以来上昇基調を維持している。直近の
支持線は 50 日移動平均である$794/oz であり、この水準を割り込むと次の支持線は$773/oz(2014 年
9 月の高値と 10 月の安値を結んだ 23.6%フィボナッチリトレースメント)になるだろう。
ファンダメンタル: 最新のデータによると日本の 12 月自動車販売台数は 8.8%減少し、13.5%減少した
11 月と比較するとやや強い結果となった。消費増税を受け日本国内での販売台数は減少したが、海
外での販売は堅調であった。日本の自動車メーカーはパラジウムを主に排ガス触媒として使用してい
ることから、パラジウム需要のサポート要因となったと考えられる。
Resistance: $822
Outlook:
Gold prices $/oz
last week:
ゴールド


29-Dec
2-Jan
Change: -0.3%
Support: $1,143
Resistance: $1,210
Outlook:
Silver prices $/oz
last week:

シルバー


29-Dec
2-Jan
Change: -2.0%
Support:
$15.50
Resistance: $16.50
Outlook:
マクロ: ユーロ建ゴールド価格はユーロ安によって 15 か月振りの高値に達し、心理的節目である€
1,000/oz を上回った。ギリシャが財政破綻し、ユーロから離脱するという懸念から安全資産として買わ
れることでユーロ建ゴールド価格は更に上昇する可能性があるが、今週発表される CPI の結果を受
けてデフレ懸念が高まれば、ユーロ建ゴールド価格は下落するかもしれない。米国経済はユーロ圏よ
りも十分に堅調であるという見通しから、ドル建ゴールド価格は引き続き下方圧力に晒されている。
テクニカル: 今週は 2014 年 12 月中旬振りに 1 週間フルで取引が行われる。年末年始のお休みシー
ズンにゴールド価格は下値$1,168/oz、上値$1,210/oz の$40 以内の狭いレンジ内で推移した。相対力
指数とモメンタム指数は中立的な値を示しており、テクニカル面でははっきりとした見通しが立っていな
い。直近の支持線は$1,180/oz(以前の支持線)、次の支持線は 2014 年 12 月の安値である$1,143/oz
となっている。また、直近の抵抗線は$1,205/oz(2014 年 8 月の高値と 11 月の安値を結んだフィボナッ
チリトレースメント)、次の抵抗線は$1,228/oz となっている。
ファンダメンタル: 12 月の SGE ゴールド売買高は 260t を超える最高値となった。11 月の香港から中
国への金輸出量は 35%増加し約 165t であった。

マクロ: シルバー価格のマクロ経済指標に対する反応は、ゴールド価格の反応よりも概して大きかっ
た。それに伴いゴールド・シルバーレシオは大幅に動き、2008 年振りに 75 に達した。
テクニカル: 現在シルバー価格は底堅く推移しており、支持線は$15.50/oz となっており、2014 年 11 月
中旬以来この価格水準を上回る値で取引を終えている。50 日移動平均の$16.20/oz が現在の抵抗線
となっている。
ファンダメンタル: 2014 年の米造幣局のシルバーコイン販売量は歴史的記録である約 1,368.6t に達
し、また 2014 年製造分を 12 月 24 日に全て売り切ったことから、シルバー現物需要が旺盛であること
が示された。
Precious Metals Weekly Update
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7 January 2015
MACRO OUTLOOK: Economic calendar from Bloomberg
Jan-5
Jan-6
US:
ISM ニューヨ
ーク指数
前 62.4
EU:
12 月マークイットサービス
業 PMI
前 51.7 予 51.7
US:
11 月製造業受注指数
(前月比)
前-0.7% 予-0.5%
Jan-7
EU: 12 月 CPI (前年比)
前 0.3% 予-0.1%
Germany: 12 月失業率
前 6.6% 予 6.6%
US: 12 月 ADP 雇用統計
前 20.8 万人 予 22.5 万人
11 月貿易収支
前-434 億ドル 予-420 億ドル
12 月 FOMC 議事録公表
Jan-8
EU: 11 月小売売上高
前 0.4% 予 0.2%
消費者信頼感指数
前-10.9 予-10.9
UK: 英中銀政策金利発表
前 0.5% 予 0.5%
US:
新規失業保険申請件数
前 29.8 万件 予 29.0 万件
Jan-9
Germany:
11 月鉱工業生
産指数
前 0.2%
予 0.3%
US:
12 月非農業部
門雇用者数
前 32.1 万人
予 24.0 万人
EXCHANGED TRADED FUNDS: Source – various ETF providers
プラチナETF残高
1 月 2 日時点: 2.66 Moz
プラチナ ETF 残高は 1 月 2 日の週にやや
減少した。ETFS London Fund が約 311kg
売り手仕舞われたことが主要因となり、ネッ
ト約 342kg(0.4%)減少した。2014 年初めか
らプラチナ ETF 残高は約 3.4t(4%)増加し
た。
パラジウム ETF 残高
1 月 2 日時点: 3.00 Moz
先週パラジウム価格が 2.5%も下落し、それ
に伴い ETF 残高も約 342kg(0.4%)減少し
た。2014 年にはパラジウム ETF 残高は約
29.5t(46%)増加した。
ゴールド ETF 残高
1 月 2 日時点: 45.14 Moz
ETFS London fund の購入量を ETFS’ US
fund の販売量が上回ったことから、ゴール
ド ETF 残高は約 5.0t(0.4%)減少した。2014
年年間でゴールド ETF 全体の残高は約
182.3t(11.5%)減少したが、約 808.7t 売り手
仕舞われた 2013 年と比較すると、ETF から
の投資資金の引き揚げペースが鈍化したこ
とが分かる。
シルバーETF 残高は先週約 7.9t(0.1%)減少
した。2014 年年間でシルバーETF 残高は約
429.2t(3.3%)増加した。シルバーに対する個
人投資家の投資意欲が旺盛なことが主要因
である。
シルバーETF残高
1 月 2 日時点: 427.50 Moz
INDUSTRY NEWS:

英国の Financial Conduct Authority が 2015 年 4 月 1 日から London Gold Fixing と LMBA Silver Price を
規制することを発表した。これらの指標価格の administrator らは不正な操作を取り締まり、利害対立を統制し、
堅固な管理体制の構築を図らなければならない。指標価格を操作することは犯罪と見做され、最大で禁固 7 年の
刑で罰せられる。

ドイツ銀行がロンドンに所有する金倉庫を競売にかけることが発表された。2014 年 6 月にオープンした金倉庫は
G4S によって管理されており、1,500t もの金を保有することができる。中国工商銀行(ICBC)が金倉庫の購入に乗
り出すと考えられている。
7th January, 2015
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
転用・転送 堅くお断りいたします
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Precious Metals Weekly Update
7 January 2015
FUTURES MARKET: Source – Commitments of Traders, Commodity Futures Trading Commission
NYMEX プラチナ ネット・ロングポジション
12 月 23 日の週に、グロス・ロング及び
グロス・ショートどちらもやや増加。そ
の結果ネット・ロングはほぼ変化してお
らず、ネット・ロングが過去最高時の
52%となっている。
ショートカバーとグロス・ロングの増加
により、ネット・ロングは約 68.4t まで増
加。グロス・ショートは引き続き非常に
少なく、過去最高時の 37%となってい
る。
グロス・ショートが約 21.8t 急増したと
同時に、グロス・ロングが約 8.9t 減
少。ネット・ロングは 3 週振りに約
326.6t まで減少した。
12 月 23 日時点: 1.50 Moz
NYMEX パラジウム ネット・ロングポジション
12 月 23 日時点: 2.2 Moz
COMEX ゴールド ネット・ロングポジション
12 月 23 日時点: 10.5 Moz
ショートカバーよりもグロス・ロングの
減少が大きかったことから、シルバー
のネット・ロングはやや減少した。おそ
らく年末のポジション調整によるものと
考えられる。
COMEX シルバー ネット・ロングポジション
12 月 23 日時点: 168.7 Moz
SHANGHAI GOLD EXCHANGE: Source – Shanghai Gold Exchange
SGE プラチナ売買高 1 月 2 日時点
th
Implied premium 6.2% (6.3% to 26 Dec)
SGE ゴールド売買高 1 月 2 日時点
th
Implied premium: 0.9% (0.1% to 26 Dec)
PRECIOUS METAL PRICE PERFORMANCE:
Metal
Average price, Average price,
past week
past 12m
200 day
moving
average
12m high
12m low
Gold
1,189
1,266
1,257
1,383
1,144
Silver
15.85
19.05
18.58
22.07
15.42
Platinum
1,208
1,383
1,368
1,514
1,184
Palladium
801
803
822
908
701
1,245
1,173
1,206
1,475
Rhodium (JM price)
Spot
Forwards 58
Platinum
IriridiumGold
(JM price) Silver
540
Ruthenium (JM price)
Leases
65
Palladium
556
65
582
Futures72
Rhodium630
975
Options
57
Ruthenium
400
1 week
outlook
1 month
outlook
↘
↘
↘
↘
→
↗
↗
↗
→
↗
Swaps
→
↗
Iridium
→
↗
1 year
outlook
→
↘
↗
↗
↗
↗
↗
Precious Metals Weekly Update
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7 January 2015
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7th January, 2015
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
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