20150205週次レポート

Precious Metals Weekly Update
th
5 February 2015
WEEK IN REVIEW:
Macro indicators:
Yen
(0.1%)
Euro
1.1%
S&P
(2.2%)
FTSE
(1.8%)
Oi l
7.1%
Copper
(0.5%)
Ja n 26th - Ja n 30th
Platinum prices
$/oz
last week:
先週ゴールドは下落し、4 週間振りに値を下げて週を終えた。欧州中央銀行(ECB)の追加緩和やギリシャ総
選挙の結果が価格に織り込まれ、安全資産としての買いが後退した。先週水曜日に発表された米連邦公開
市場委員会(FOMC)の声明では、利上げに際し「忍耐強く待つ」との姿勢を再び強調し、利上げ時期を決定す
る上で「国際情勢に関するデータ」を考慮する意向を明確にした。各国の中央銀行の中でも FOMC は現在最
もタカ派的な姿勢をとっているが(ロシア中銀やシンガポール金融管理局は金融政策を緩和することを先週発
表した)、ドル高が急激に進み米輸出業が損失を被ることになる為、急速なドル高は食い止めたいという思惑
もあり、結果的にゴールドのサポート要因となるだろう。先週金曜日に発表された米 10-12 月 GDP の結果を
受け、米国の経済成長減速が懸念される中、今週発表される雇用統計もまた FOMC が 2015 年末にかけて
利上げを開始する際の重要な指標となるだろう。
プラチナ

26-Jan
30-Jan

Change: -2.4%
Support:
$1,177

Resistance: $1,257
Outlook:
Palladium prices
$/oz
last week:
マクロ: ECB による追加緩和やギリシャ総選挙の結果を受け、貴金属全般は安全資産として買われていた
が、FOMC 声明発表後にプラチナのスポット価格は$1,250/oz から 4 週ぶり安値の$1,213/oz まで下落し
た。プラチナ価格はゴールド価格に対し 4%ディスカウントで推移している。
テクニカル: プラチナは 2014 年 7 月の高値と 12 月の安値を結んだ 23.6%フィボナッチリトレースメントの
$1,257/oz を下回り、100 日・50 日移動平均を割り込んだことで更に売られた。しかし、プラチナは 2014 年
12 月の安値から上昇トレンドを保っていることから、$1,250/oz の水準を再び取り戻すだろう。
ファンダメンタル: 世界最大のプラチナ鉱山会社である Anglo American Platinum 社は、第 4 四半期の
鉱山採掘量が 14%増加し約 18.5t となったことを発表し、昨年 5 ヶ月間に亘って続いた長期ストライキを乗
り越え、通常生産に戻ったことを示唆した。しかし、ストライキ中に仕掛在庫(精錬途中の在庫)が大幅に減
少し、採掘された玉がその補充に当てられた為、地金生産量は 17%減少した。世界第 3 位の鉱山会社で
ある Lonmin 社では、一時的に溶鉱炉が稼働停止したことで、鉱山採掘量の増加分は相殺された。
Lonmin 社は年間予想生産量を約 22.7t で維持したが、資本支出(CAPEX)を 26%削減している。これを踏
まえると、今後南ア鉱山からの生産量が増加する可能性は低いと考えられる。
パラジウム

26-Jan
30-Jan
Change: -0.6%

Support:
$730
Resistance: $800

Outlook:
Gold prices $/oz
last week:
マクロ: 年初から貴金属全般は安全資産として買われていたが、パラジウムの安全資産としての需要は限
定的であった。一方、先週ユーロ圏とギリシャに対する懸念が後退し、ゴールドを中心に売られた際も、パ
ラジウムのみ底堅く推移し、下落幅は 1%以下に留まった。
テクニカル: パラジウムは直近 2~3 週間においてはレンジ内で推移している。$800/oz の抵抗線を突破す
る程の材料は足元無く、2012 年 7 月から続くサポートのトレンドラインによって$730/oz 付近で現在も支え
られていることから、パラジウムは短期的には$730/oz の水準で支えられながら堅調に推移するだろう。
ファンダメンタル: Anglo American Platinum 社が発表した 2014 年年間パラジウム地金生産量は約
39.5t と前年比約 11%減少したが、前年比 22%減少したプラチナと比較すると減少幅は限定的であった。
Anglo 社の有力鉱山である Mogalakwena 鉱山で採れる鉱石が比較的高品位であること等がパラジウム
生産量に好影響を与えた。しかし、ストライキ期間中に備蓄在庫が大量に捌けてしまった為、パラジウム現
物供給は引き続きタイトな状況が続くと見ている。
ゴールド
26-Jan
30-Jan

Change: -0.8%
Support: $1,252

Resistance: $1,300
Outlook:
Silver prices $/oz

last week:
マクロ: 先週金曜日に発表された米 10-12 月 GDP の結果が市場予測の 3.0%を下回り 2.6%となったこと
から、米国の利上げ時期が 2015 年 9~10 月になるという観測が強まり、ゴールドは前日の下落幅を取り
戻し$1,280/oz の水準まで回復した。
テクニカル: 先週ゴールドのスポット価格は$1,300/oz の高値から下落した後、200 日移動平均である
$1,252/oz で支えられた。直近の抵抗線は、心理的節目である$1,300/oz と 2015 年 1 月高値である
$1,308/oz にあると考えられる。
ファンダメンタル: 上海黄金交易所(SGE)におけるゴールド売買高は先週急増し、1 か月あたりの売買高は
最高値である約 264t となった。中国の旧正月を前に、贈答用のゴールドの宝飾品や地金バーの需要が増
加している。今年は比較的旧正月の時期が遅いため(2 月 19 日)、小売業者が売買を行う期間が長くなる。
シルバー

26-Jan
30-Jan
Change: -5.7%
Support:
$16.82
Resistance: $18.00
Outlook:


マクロ: 29 日(木)に発表された比較的タカ派な FOMC 声明内容と、米新規失業保険申請件数が 15 年振り
の低水準を記録したことから、シルバー価格は 7%下落し、2013 年 7 月以来最大の下落幅を記録した。し
かし、金曜日に発表された米 10-12 月 GDP が予想を下回る弱い結果となったことを受け、シルバーは若
干下落幅を取り戻した。
テクニカル: 先週、日々の終値ベースの支持線は、100 日移動平均である$16.82/oz となった。抵抗線は
2014 年の高値と安値を結んだ 50%フィボナッチリトレースメントである$18.00/oz にある。
ファンダメンタル: 投資家のシルバーETF への投資意欲は低下しているようだが、COMEX のロングポジシ
ョンは増加している(2 ページご参照)。
th
Precious Metals Weekly Update
5 February 2015
MACRO OUTLOOK: Economic calendar from Bloomberg
Feb-2
EU:
1 月マークイット製造業 PMI
前 51.0 予 51.0
US:
12 月個人所得
前 0.4% 予 0.2%
12 月個人消費支出
前 0.6% 予-0.2%
1 月マークイット製造業 PMI
前 53.7
12 月建設支出
前-0.3% 予 0.7%
1 月 ISM 製造業景況指数
前 55.1 予 55.0
Feb-3
US:
12 月製造業
新規受注
前-0.7%
予-2.0%
1 月自動車販
売台数
前 1692 万台
Feb-4
China:
1 月 HSBC サービス部門 PMI
前 53.4
Japan:
1 月マークイット総合 PMI
前 51.9
EU:
12 月小売売上高
前 0.6% 予-0.2%
US:
MBA 住宅ローン申請指数
前-3.2%
1 月 ADP 民間部門雇用者数
前 24.1 万人 予 22.0 万人
1 月マークイット総合 PMI
前 54.2
1 月 ISM 非製造業総合指数
前 56.2 予 56.5
Feb-5
UK:
英中銀バンクレート
前 0.5% 予 0.5%
US:
新規失業保険申請
件数
前 26.5 万件
予 29.0 万件
12 月貿易収支
前-390 億
予-380 億
Feb-6
US:
1 月非農業部門雇用者数
前 25.2 万人 予 23.3 万人
1 月失業率
前 5.6% 予 5.6%
1 月労働参加率
前 62.7%
FUTURES MARKET: Source – Commitments of Traders, Commodity Futures Trading Commission
NYMEX プラチナ ネット・ロングポジション
1 月 27 日時点: 1.93 Moz
NYMEX パラジウム ネット・ロングポジション
1 月 27 日時点: 2.01 Moz
COMEX ゴールド ネット・ロングポジション
1 月 27 日時点: 20.6 Moz
COMEX シルバー ネット・ロングポジション
1 月 27 日時点: 308.0 Moz
5th February, 2015
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
先週グロス・ロングの減少幅は 2014 年 9
月以来最大となった。しかしショートカバー
が入り、直近 2 か月で最大の約 5.2t グロ
ス・ショートが減少したことで相殺された。
結果、ネット・ロングは約 1.6t 増加し、21 週
振りに最大値となった。
先週ロングポジションは減少し(約 1.4t)、グ
ロス・ショートは約 1.6t 増加した。2015 年
に入ってから、グロス・ロングは約 2.2t 増
加、一方グロス・ショートは約 8.0t 増加して
おり、投機筋の弱気なスタンスが伺える。
5 週連続でグロス・ロングは増加し、2012
年 12 月以来の最高値となった。一方、グ
ロス・ショートは更に減少し、2014 年 8 月
以来の低水準となった。直近のゴールド価
格上昇により新たにロングが積み上げられ
ており、今後利益確定の売りが入ることで
価格が下落する可能性もある。
グロス・ショートが約 467t 減少したと同時
に、グロス・ロングがほぼ同数量増加した
ことから、ネット・ロングは 2010 年 10 月以
来最大の約 9,580t となった。グロス・ショー
トが著しく減少している中(過去最高数量の
36%)、シルバー価格が現在の水準から下
落すれば、一気に売り手仕舞われる可能
性もある。
転用・転送 堅くお断りいたします
2
th
Precious Metals Weekly Update
5 February 2015
EXCHANGED TRADED FUNDS: Source – various ETF providers
プラチナETF残高
1 月 30 日時点: 2.66 Moz
プ ラ チ ナ ETF の 残 高 は 先 週 ネ ッ ト 約
467kg(0.6%)増加し、約 83t となった。プラ
チナ ETF はゴールド ETF と比べて取引量
少なく、多くの投資家は未だ様子見している
ようだ。
パラジウムETF残高
1 月 30 日時点: 2.95 Moz
パラジウム ETF の残高は引き続き約 93t
程で推移した。年初来でネット約 1.4t(1.5%)
売り手仕舞われている
ゴールドETF残高
1 月 30 日時点: 47.03 Moz
ゴールド ETF の残高は先週更に約 6t 増加
した(その大部分は SPDR ETF であった)。
SPDR ETF の残高は年初来で約 53t(7%)
増加しており、過去 2 年間のトレンドから転
じつつある。
シルバーETF残高
1 月 30 日時点: 425.31 Moz
シルバー価格がボラタイルに推移する中、
多くの投資家は様子見ムードを維持し、シ
ルバーETF の残高は約 1t 増加する控えめ
な推移となった。
SHANGHAI GOLD EXCHANGE: Source – Shanghai Gold Exchange
SGE ゴールド売買高 1 月 30 日時点
rd
Implied premium: 0.8% (-0.2% to 23 Jan)
SGE プラチナ売買高 1 月 30 日時点
rd
Implied premium 6.3% (4.6% to 23 Jan)
Thousands
Platinum sales (koz)
Price (RMB/g)
180
400
160
350
140
300
120
250
100
200
80
150
60
40
100
20
50
0
0
Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec
2013
2014
2015
2013 monthly average price
PRECIOUS METAL PRICE PERFORMANCE: Daily closing basis
Metal prices ($/oz)
Average price, Average price,
past week
past 12m
200 day
moving
average
12m high
12m low
Gold
1,272
1,267
1,253
1,383
1,144
Silver
17.48
18.85
18.34
22.07
15.42
Platinum
1,239
1,369
1,350
1,514
1,184
Palladium
784
807
821
908
701
1,180
1,185
1,210
1,475
1,030
Rhodium (JM price)
Ruthenium (JM price)
Iriridium (JM price)
5th February, 2015
56
65
64
72
56
550
566
579
630
440
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
1 week
outlook
1 month
outlook
1 year
outlook
→
→
→
→
→
→
→
↘
↘
↗
↗
↗
↗
↗
→
↘
↗
↗
↗
↗
↗
転用・転送 堅くお断りいたします
3
th
Precious Metals Weekly Update
Spot
Gold
Forwards
Silver
Platinum
Leases
Palladium
5 February 2015
Futures
Rhodium
Options
Ruthenium
Swaps
Iridium
This document is not and should not be construed as an offer to sell or the solicitation of an offer to purchase or subscribe for any
investment. Mitsubishi Corporation has based this document on information obtained from sources it believes to be
reliable but which it has not independently verified; Mitsubishi Corporation makes no guarantee, representation or
warranty and accepts no responsibility or liability as to its accuracy or completeness. Expressions of opinion are those
of Mitsubishi Corporation only and are subject to change without notice.
Mitsubishi Corporation assume no warranty, liability or guarantee for the current relevance, correctness or
completeness of any information provided within this Report and will not be held liable for the consequence of
reliance upon any opinion or statement contained herein or any omission. Furthermore, we assume no liability for any
direct or indirect loss or damage or, in particular, for lost profit which you may incur as a result of the use and
existence of the information provided within this Report.
The content of this Report is the property of Mitsubishi Corporation and is protected by copyright and other
intellectual property laws. You agree not to reproduce, re-transmit or distribute the content of this Report to anyone
without the prior written consent of Mitsubishi Corporation.
© Mitsubishi Corporation RtM Japan Ltd., 2015
他社への転送・転用 堅くお断りいたします。
当資料は、信頼できると判断した情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料はお客様の
お取引判断の参考となる情報提供を目的としており、弊社は、この情報の使用結果について一切責任を負いません。
5th February, 2015
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
転用・転送 堅くお断りいたします
4