20150311週次レポート

Precious Metals Weekly Update
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11 March 2015
WEEK IN REVIEW:
Macro indicators:
Yen
0.8%
Euro
(2.9%)
S&P
0.4%
FTSE
(1.8%)
Oi l
0.7%
Copper
(2.7%)
Ma r 2nd - Ma r 6th
Platinum prices
$/oz
last week:
欧州中央銀行(ECB)は 9 日から国債購入プログラムを開始すると発表した。ECB ドラギ総裁による同発表を
受け、ユーロは対ドルで 12 年振りの安値まで下落し、ドルインデックス(DXY)は 2003 年振りの高値に達した。
ドル建資産である貴金属は短期的に下方圧力に晒されているが、国債利回りが低下し、ユーロ圏では低金利
が続いている為、利子を生まない貴金属投資でも、投資家にとっては引き続き魅力的なものとなっている。イ
ンフレ率の上昇(ECB の予測では 2016 年に 1.5%)は貴金属のインフレヘッジとしての需要をサポートし、
PGM の取引量は経済成長の活性化に伴い増加するだろう。米経済指標の堅調な結果が示される中、先週
金曜日に発表された米非農業部門雇用者数は市場予測を上回る 29.5 万人となり、貴金属価格は下方圧力
に晒されることが予想される。
プラチナ


2-Mar
6-Mar
Change: -1.9%
Support: $1,090

Resistance: $1,206
Outlook:
Palladium prices
$/oz
last week:
パラジウム


2-Mar
6-Mar

Change: 0.6%
Support: $800
Resistance: $842
Outlook:
Gold prices $/oz
last week:

6-Mar

Change: -3.3%
Support: $1,130
Resistance: $1,200
Outlook:
Silver prices $/oz



6-Mar
Change: -4.3%
Support: $15.55
Resistance: $16.66
Outlook:
マクロ: 先週金曜日の米雇用統計が市場予測を上回る結果となり、ドルインデックスは 12 年振りの高値を
達したことで、ゴールドの終値は 2014 年 11 月後半振りの低値をつけた。2 月 PMI が 3 か月振りの高値ま
で上昇したことを初め、米経済指標が総じて良好だったことからこのような結果となった。
テクニカル: 先週金曜日にゴールドは 2014 年 11 月前半から続く上昇トレンドのサポートラインを決定的に
割り込み、2015 年 1 月中旬から始まる下落トレンドに再び戻った。今後 2014 年の安値である$1,130/oz を
試す展開となるだろう。
ファンダメンタル: ゴールド需要が活況な時期でないにも関わらず、中国の現物需要は非常に堅調である。
ゴールドの現地価格が前年同期比で平均 8%安くなっていることから、上海黄金交易所(SGE)の 3 月 1 週
目の売買高は前年比で略 2 倍に増加している。現在の安値水準で中国・インド勢の現物需要が旺盛にな
れば、今後ゴールド価格を押し上げる可能性もある。
シルバー
last week:
2-Mar
マクロ: 先週ユーロが下落したことで、ユーロ建パラジウムは 14 年振りの高値に達した。ドル高によるパラ
ジウム価格への影響は他の貴金属と比べて少ないが、これは工業需要の伸びが期待される為である。実
際に、先週パラジウムは 5 か月ぶりの高値$833/oz に達した。
テクニカル: 支持線は$821/oz(2014 年 9 月の高値と 10 月の安値を結んだ 50%フィボナッチリトレースメン
ト)、抵抗線は短期的には 6 か月振りの高値である$842-3/oz にあると考えられる。
ファンダメンタル: 悪天候だったにも関わらず、2 月の米普通車販売台数は 5%増加した。年間自動車販売
台数は 1,616 万台まで減少したが、トラック販売台数は前年比 15%増加し、大型 SUV・高級 SUV 販売台
数は大幅に増加し、夫々58%・29%の増加となった。原油価格が下落する中、こうした大型車が人気となっ
ており、大型車はその他普通車と比べて大量の触媒が搭載されることから、パラジウム需要のサポート要
因となる。
ゴールド

2-Mar
マクロ: 先週金曜日に発表された米非農業部門雇用者数が予想を大きく上回り、また失業率が 2008 年 5
月振りに低下したことを受けゴールドは下落し、米国の利上げが今年の 6 月頃行われるのではないかとい
う観測が強まった。プラチナもこれに連れ、週初の上げ幅を帳消しにする展開となった。
テクニカル: 現在テクニカル面は芳しくなく、プラチナは下落基調にあり、9 日には 5.5 年振りの安値
$1,150/oz をつけた。この価格水準が現在保たれているが、今後の支持線は 2009 年中盤に二重底を形成
した$1,090/oz となるだろう。
ファンダメンタル: NYMEX のグロス・ショートポジションが歴代最高値となっているが、グロス・ロングポジ
ションが最高時の 85%超まで増加したことで相殺されている。(3 月 3 日付 CFTC 建玉報告発表前時点で)
直近のプラチナ価格は下落しているため、ショートポジションが買い閉じられることでプラチナは値を戻す可
能性もある。価格は安値圏で推移しているが、中国の現物取引量は減少している(4 ページご参照)。
マクロ: ECB の金融政策決定会合及び米雇用統計の内容を受けドル高に推移し、為替の影響、そして安
資産としての需要が後退したことで、シルバーは 8 週振りの安値まで下落した。
テクニカル: $16.00/oz を割り込み推移する中、次の支持線は 2015 年 1 月前半の安値で、2014 年 12 月中
旬の支持線であった$15.55/oz と考えられる。50 日・100 日移動平均線を割り込み推移していることから、
シルバーは短期的な下落基調にある。
ファンダメンタル: 米造幣局のイーグル銀貨の販売量は、1 月は 171t であったが、2 月は 45%減の 93.3t と
なった。米株等(S&P 株価指数は 2 月に史上最高値である 2,100 に達した)、他の金融資産は堅調に推移
するも、シルバー価格は軟調に推移していることから、シルバー現物への投資意欲が後退しているようだ。
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Precious Metals Weekly Update
11 March 2015
MACRO OUTLOOK: Economic calendar from Bloomberg
Mar-09
Mar-10
Japan:
1 月機械受注
前 8.3% 予-4.0%
China:
2 月 CPI(前年比)
前 0.8% 予 1.0%
2 月 PPI(前年比)
前-4.3% 予-4.3%
マネーサプライ M2 (前
年比)
前 10.8% 予 11.0%
US:
1 月卸売在庫(前月比)
前 0.1% 予-0.1%
Mar-11
China:
2 月鉱工業生産
(前年比) 予 7.7%
UK:
1 月鉱工業生産
(前月比)
前-0.2% 予 0.2%
(前年比)
前 0.5% 予 1.4%
US:
MBA 住宅ローン申請指数
前 0.1%
Mar-12
Germany:
2 月 CPI
(前月比) 前 0.9% 予 0.9%
(前年比) 前 0.1% 予 0.1%
South Africa:
1 月鉱業生産高 前 0.9% 予 0.8%
PGM 生産高
前-14.9%
ゴールド生産高 前 2.3%
EU:
1 月鉱工業生産
前 0.0% 予 0.2%
US:
2 月小売売上高 前-0.8% 予 0.4%
新規失業保険申請件数 前 32.0 万件
Mar-13
Japan:
1 月鉱工業生産
(前月比) 前 4.0%
US:
2 月 PPI
前-0.8% 予 0.3%
ミシガン大学消費
者信頼感指数
前 95.4% 予 96.0%
FUTURES MARKET: Source – Commitments of Traders, Commodity Futures Trading Commission
NYMEX プラチナ ネット・ロングポジション
3 月 3 日時点: 1.33 Moz
グロス・ショートが 5 週連続で増加し、歴代最高値である 43t となった。現在の投資家気運が二極化していることを表すかのように、グ
ロス・ロングも 3 週連続で増加し、最高時の 85%である 84t となった。その結果、ポジションにあまり変化はなく、ネット・ロングは最高
時の 46%である 41t となった。
NYMEX パラジウム ネット・ロングポジション
3 月 3 日時点: 2.27 Moz
先週グロス・ショートはその前週に 5 年振りの高値$830/oz をつけた後大幅に減少し、前週の 12%の値である 3.5t となった。グロス・
ロングは 4.3t 増加し、2014 年 10 月振りの高値である 86t となり、ネット・ロングは 17 週振りの高値である 71t となった。
COMEX ゴールド ネット・ロングポジション
3 月 3 日時点: 12.24 Moz
グロス・ショートは 31t 増加し、2015 年 1 月前半振りの高値である 306t となったが、グロス・ロングは 5 週連続で減少し、ネット・ロング
は 2015 年 1 月 6 日振りの低値である 381t となった。しかし、当データは 3 月 3 日までのものであるため、6 日の雇用統計発表を受
け大量に売られた分は含まれていない。よって、次回発表時には更なるグロス・ショートの増加と、グロス・ロングの減少が見込まれ
る。
COMEX シルバー ネット・ロングポジション
3 月 3 日時点: 198.56 Moz
先週グロス・ロングは 622t(12%)増加し、グロス・ショートは 2014 年 12 月 23 日以来の高値となった。グロス・ロングの増加幅が 249t
増加したことから、すべての投資家が弱気になっている訳ではないことを示している。シルバー価格は 9 週連続で下落している為、グ
ロス・ショートは増加し、グロス・ロングは減少していくだろう。
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Precious Metals Weekly Update
11 March 2015
SHANGHAI GOLD EXCHANGE: Source – Shanghai Gold Exchange
SGEプラチナ売買高 2 月 27 日時点
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Implied premium 5.9% (6.2% to 27 Feb)
SGEゴールド売買高 2 月 27 日時点
th
Implied premium: 0.9% (0.7% to 27 Feb)
Thousands
Platinum sales (koz)
Price (RMB/g)
200
400
150
300
100
200
50
100
0
0
Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec
2013
2014
2015
2013 monthly average price
2014 monthly average price
2015 monthly average price
EXCHANGED TRADED FUNDS: Source – various ETF providers
プラチナETF残高
3 月 5 日時点: 2.63 Moz
先週プラチナ ETF 残高は、直近で売り手仕舞
われた ABSA fund の残高が僅かに増加した
ことで、控えめに 560kg(0.7%)増加した。2015
年年初来、715kg(総残高の 0.9%)が売り手仕
舞われている。
パラジウムETF残高
3 月 5 日時点: 2.90 Moz
先週は取引量少ない中、パラジウム ETF は
僅かに売り手仕舞われ、残高は 84kg(0.1%)
減少した。2015 年年初来で 3.1t 売り手仕舞わ
れており、特に Deutsche Bank fund の売り
手仕舞われた量は 1.0t に上る。
ゴールドETF残高
3 月 5 日時点: 46.8 Moz
先週ゴールド ETF 残高は、主に世界最大のゴ
ールド ETF である SPDR fund が 10.9t 売り手
仕舞われたことで、14.1t(1%)減少した。この
SPDR の減少幅は 2015 年に入ってから最大
で、1 月の残高の増加分を帳消しにした。現在
ゴールド価格が年初来の上昇幅の大部分を
削る展開となっているため、投資家がロスカッ
トし始めていると考えられる。
先週は iShares fund が 12.4t、ETF Securities
社の US fund が 3.1t 増加したことで、シルバ
ーETF 残高は 15.6t(0.1%)増加した。2015 年
年初来で総残高は 192.8t(1.5%)増加してい
る。
シルバーETF残高
3 月 5 日時点: 435.1 Moz
3
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Precious Metals Weekly Update
Spot
Gold
Forwards
Silver
Platinum
Leases
Palladium
11 March 2015
Futures
Rhodium
Options
Ruthenium
Swaps
Iridium
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