外貨投資の視点 (No.195) リサーチ部 チーフ為替ストラテジスト 植野 大作 2014年12月26日 ドル円相場:2014年12月の回顧と2015年相場の展望 ポイント 12月のドル円相場は一時121円85銭と7年5ヶ月ぶりの水準に高騰、ドル高・円安局面は38ヶ月目 日米金融政策格差、為替需給、テクニカルの三大要素は、いずれもドル高・円安局面の継続を示唆。 来年のドル円相場は月数ベースで過去最長の円安記録を更新、年足も史上初の「4年連続陽線」へ。 12 月のドル円相場~上旬 は、約 7 年 5 ヶ月ぶりの 121 円台へ高騰した後、 117 円台に急反落 12月に入り、ドル円相場は約7年5ヶ月ぶりの高値圏で乱高下する展開となっている。 月初来の動きを振り返ると、上旬は急騰後に急反落。初日のオセアニア市場で118円75 銭で寄り付いた後、午前中にバリアオプションの突破を狙ったドル買い仕掛けが炸裂する と119円00銭を上抜け、夕刻に日本国債格下げが報じられると一時119円14銭まで急伸し た。その後は一旦117円80銭台に反落したが、2日にフィッシャー米連邦準備制度理事会 (FRB)副議長が次回連邦公開市場委員会(FOMC)でのガイダンス変更の可能性に言 及したほか、本邦製薬メーカーによる巨額の海外M&A公表が材料視されると119円29銭 付近まで続伸した。翌3日も断続的な上値更新の動きが続いた後、4日の欧州中銀 (ECB)総裁会見の最中に対ユーロでのドル買いが進むと1ドル=120円00銭のバリアオ プション攻略を狙った仕掛けが再び炸裂、一時120円25銭界隈まで吹き上がった。5日の 米11月雇用統計で大幅な雇用増が確認されるとドル買いが加速して節目の121円00銭も 上抜け、週明け8日には余勢を駆って一時121円85銭と2007年7月23日以来の水準まで 急伸した。ただ、この水準では流石に高値警戒感も広がり、9日に中国株やギリシャ株が 急落するとクロス円の投げに巻き込まれて117円90銭台へ急落した。10日の仲値公示に 向けては一旦120円00銭台の目前まで反発したが、世界同時株安への懸念を背景に上 値が重く、11日未明にニュージーランド(NZ)中銀総裁が将来の利上げを示唆して対キウ イで米ドル売りが加速するとドル円も一時117円44銭まで差し込んだ。 12 月のドル円相場~中旬 は、約 1 ヶ月ぶりの 115 円 台まで続落した後 119 円 台に復帰 中旬のドル円相場は大幅安のあと急反発。11日の東京市場で日本株の下げが一服す るとドル円と日経先物のパッケージ売りの買い戻し観測が台頭、同日の海外市場では「本 邦長期系資金によるドル買いの噂」や「週末総選挙での自民党大勝の思惑」なども意識 されて119円台を回復した。週末12日は日本の総選挙を意識して概ね118円台での様子 見に終始したが、14日の投開票で世論調査通り与党が3分の2超の議席を確保すると当 面の材料出尽くし感が台頭して週明け15日朝方には一時117円70銭台に下落した。同日 の海外市場で原油価格が急落して産油国経済混乱懸念が強まるとクロス円も巻き込んだ 円全面高が加速、翌16日には一時115円57銭と約1ヶ月ぶりの安値圏へ差し込んだ。た だ、この水準まで売り込まれると下げ過ぎへの警戒感も台頭、同日の米国市場で原油価 本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。 -1- 外貨投資の視点 本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。本 資料で直接あるいは間接に採り上げられている有価証券は、価格の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価 の変化、金利・為替の変動などにより投資元本を割り込むリスクがあります。ここに示したすべての内容は、当社の現時点での判断を示している に過ぎません。本資料は、お客様への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券の売買あるいは特定の証券取引の勧誘を目的と したものではありません。本資料にて言及されている投資やサービスはお客様に適切なものであるとは限りません。また、投資等に関するアドバ イスを含んでおりません。当社は、本資料の論旨と一致しない他のレポートを発行している、或いは今後発行する場合があります。本資料でイン ターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている場合を除き、ウェッブサイト等の内容について当 社は一切責任を負いません。本資料の利用に際してはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社および関係会社は、 本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品について、買いまたは売りのポジションを有している場合が あり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、 その他サービスを提供し、かつ同サービスの勧誘を行う場合があります。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の役員(会社法に規定する取締役、執行役、監査役又はこれらに準ずる者をいう)が、以下の会社の役員 を兼任しております:三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱倉庫。 債券取引には別途手数料はかかりません。手数料相当額はお客様にご提示申し上げる価格に含まれております。 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承諾なく、本資料の全部もしくは一部を引用または複製、 転送等により使用することを禁じます。 c 2014 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved. Copyright ◯ 〒112-8688 東京都文京区目白台3-29-20 目白台ビル 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 リサーチ部 (商号) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2336号 (加入協会) 日本証券業協会・一般社団法人金融先物取引業協会・一般社団法人日本投資顧問業協会・一般社団法人第二種金融商品取 引業協会 本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し 本資料は、英国において同国the Prudential Regulation Authorityとthe Financial Conduct Authorityの監督下にあるMitsubishi UFJ てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。 Securities International plcが配布致します。また、米国においては、Mitsubishi UFJ Securities (USA), Inc.が配布致します。 - 14 - 外貨投資の視点
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