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2014 年 12 月 15 日
トイレタリー市場に関する調査結果 2014
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のトイレタリー市場の調査を実施した。
1.調査期間:2014 年 9 月~11 月
2.調査対象:トイレタリー製品メーカー、その他関連企業等
3.調査方法:当社専門研究員による参入企業分析、ヒアリング、ならびに文献調査併用
<トイレタリー市場とは>
本調査におけるトイレタリー市場とは、主として日用雑貨ルートを通じて販売される製品を指し、「衣料関連(衣料
用合成洗剤、柔軟仕上剤等 7 品目)」「ホームケア関連(台所用洗剤、ラッピングフィルム、芳香・消臭剤、殺虫剤
等 16 品目)」「フェイス・ボディケア関連(ボディシャンプー、ハンドソープ等 10 品目)」「オーラルケア関連(歯磨、
洗口液等 6 品目)」「サニタリー関連(トイレットペーパー、ティッシュペーパー、大人用紙おむつ等 11 品目)」5 分
野計 50 品目を対象として、メーカー出荷金額ベースにて算出した。
【調査結果サマリー】
‹ 2013 年度のトイレタリー市場は前年度比 101.2%の 1 兆 7,351 億 1,400 万円
2013 年度の国内トイレタリー市場規模(メーカー出荷金額ベース)は前年度比 101.2%の 1 兆 7,351 億
1,400 万円となった。人口ボリュームのある中高年層向け付加価値製品(大人用紙おむつ、義歯安定剤
等)や衛生意識の高まりに伴う細菌感染防止などの商材(台所用除菌剤、ウェットティッシュ、家庭用マス
ク等)、分野を横断した“香り”商材の拡大により、市場はプラスに転じた。
‹ 国内は中高年~シニア層、海外は来日観光客と現地需要を取り込むことがポイントに
今後のトイレタリー市場の見通しとしては、高齢化人口の増加により介護が必要となる高齢者向けのサ
ニタリー関連市場の需要が拡大する見込みである。一方、国内市場は縮小傾向であることから、日本のト
イレタリー製品メーカーの海外への展開が加速していくものとみられ、中国や ASEAN 諸国をマーケットと
して販売網の構築を強化するメーカーが更に増加すると考える。また、円安によるアジア諸国を中心とし
た外国人観光客の増加に伴い、インバウンド効果としてドラッグストアなどの小売チャネルを中心に、訪日
外国人による日本製トイレタリー用品の購入量の増加を予測する。
◆ 資料体裁
資料名:「トイレタリー用品マーケティング総鑑 2014 年版」
発刊日:2014 年 11 月 28 日
体 裁:A4 判 191 頁
定 価:110,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
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2014 年 12 月 15 日
【 調査結果の概要 】
1. トイレタリー市場概況と見通し
2013 年度の国内トイレタリー市場(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比 101.2%の 1 兆 7,351 億
1,400 万円となった。(図表 1 参照) 市場はほぼ横這いながら増減をくりかえしており、成長を促す傾向や
成長を阻害する傾向をまとめてみると以下の通りとなる。
5つの成長要因としては、①脱コモディティ(汎用品)化を目指した高付加価値製品の投入による市場
の活性化、②“香り”成分を配合した商材の分野間を横断した波及、③高齢化に伴う「大人用紙おむつ」、
「軽度失禁用品」、「義歯安定剤」、「義歯洗浄剤」の需要拡大、④日常の口腔ケア意識の高まりに伴う「デ
ンタルフロス」や「洗口液」の浸透、⑤新型インフルエンザや花粉の飛散、PM2.5(微小粒子状物質)の濃
度上昇等による「家庭用マスク」需要の安定推移である。
7つの成長阻害要因としては、①女性の社会進出や単身世帯の増加、食生活の多様化に伴うキッチン
関連用品の需要減少、②少子化に伴う若年人口の減少や③高齢化に伴う国内市場の縮小、④PB(プラ
イベートブランド)品の流通による市場価格の低下、⑤製品のコモディティ化と小売店頭での特売・乱売
の常態化、⑥ニッチ(隙間市場)戦略に伴う隣接カテゴリー間のカニバリゼーション(共食い現象)による市
場の混乱、⑦円安による原材料価格の高騰によるコスト吸収策や価格転嫁等の今後の価格政策の在り
方が不透明なことである。
今後のトイレタリー市場の見通しとしては、円安の進行が今後も続くことが予測される中、マイナス要因
としては原材料価格の高騰によるトイレタリー製品の値上げの可能性は排除できない。また、プラスの要
因としては、円安によるアジア諸国を中心とした外国人観光客の増加に伴い、インバウンド効果としてドラ
ッグストアなどの小売チャネルを中心に、訪日外国人による日本製トイレタリー用品の購入量の増加を予
測する。
一方で、消費税増税や個人消費の低迷、国内総人口の自然減などの要因により、今後の国内市場の
持続的な成長を期待することは難しい。そのため、日本のトイレタリー製品メーカーの海外市場への積極
展開が加速していくものとみられ、中国市場のほか ASEAN 諸国をマーケットとして販売網の構築を強化
するメーカーが更に増加すると考える。
2.分野別の動向(図 1 参照)
2-1. 衣料関連市場
2013 年度の衣料関連市場(全 7 品目、メーカー出荷金額ベース)は前年度比 100.0%の 3,264 億
5,000 万円となった。衣料関連では「柔軟仕上剤」「衣類・布製品用消臭剤」が“香り”をキーワードに、フ
ァミリーユースのみならずパーソナルユースにまで需要が拡大した。
2-2. ホームケア関連市場
2013 年度のホームケア関連市場(全 16 品目、メーカー出荷金額ベース)は前年度比 100.8%の
3,398 億 2,000 万円となった。“香り”ブームを背景に「芳香・消臭剤」が堅調に推移、また家事・炊事に
おける細菌感染防止などの衛生意識や手肌ケアの志向が高まり、「家庭用手袋」の需要が拡大してい
る。
2-3.フェイス・ボディケア関連市場
2013 年度のフェイス・ボディケア関連市場(全 10 品目、メーカー出荷金額ベース)は前年度比
99.2%の 2,257 億円となった。特に「浴用石鹸」の落込み幅が大きい反面、需要がシフトする形で「ボデ
ィシャンプー」や「ハンドソープ」が堅調に推移している。また、「制汗剤」は、通年アイテムとして徐々に
利用期間が拡大しており、市場規模が増加している。
2-4.オーラルケア関連市場
2013 年度オーラルケア関連市場(全 6 品目、メーカー出荷金額ベース)は前年度比 102.1%の 1,570
億 7,000 万円となった。口腔ケア意識の高まりを背景に、ファミリーユースからパーソナルユースへと販
売数量が増加傾向にある。特に、「デンタルフロス」や「洗口液」が好調に推移した。
2-5.サニタリー関連市場
2013 年度のサニタリー関連市場(全 11 品目、メーカー出荷金額ベース)は前年度比 102.6%の
6,860 億 7,400 万円となった。50 歳以上の中高年の男女を対象とした「軽度失禁用品」や高齢者人口の
増加と在宅介護の拡大に伴い、「大人用紙おむつ」の需要が拡大を続けている。また、「家庭用マスク」
の販売が好調に推移している。
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2014 年 12 月 15 日
図表 1.トイレタリー市場規模推移
(単位:百万円)
2,000,000
1,721,249
1,712,937
1,718,317
1,713,868
1,735,114
1,739,317
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度(見)
1,500,000
1,000,000
500,000
0
(単位:百万円、%)
市場規模
前年度比
2009年度
1,721,249
―
2010年度
1,712,937
99.5%
2011年度
1,718,317
100.3%
2012年度
1,713,868
99.7%
2013年度
2014年度(見)
1,735,114
1,739,317
101.2%
100.2%
矢野経済研究所推計
注 1: メーカー出荷金額ベース
注 2:トイレタリー市場とは、主として日用雑貨ルートを通じて販売される製品を指し、「衣料関連(7 品目)」「ホームケア関連
(16 品目)」「フェイス・ボディケア関連(10 品目)」「オーラルケア関連(6 品目)」「サニタリー関連(11 品目)」の 5 分野計
50 品目を対象とする。
注 3:(見)は見込み値
図 1.トイレタリー市場 分野別構成比(2013 年度)
衣料関連
18.8%
サニタリー関連
39.5%
ホームケア関連
19.6%
オーラルケア関連
9.1%
フェイス・ボディケア
関連
13.0%
2013 年度
トイレタリー市場規模
1,735,114 百万円
矢野経済研究所推計
注 4: メーカー出荷金額ベース
注 5:トイレタリー市場とは、主として日用雑貨ルートを通じて販売される製品を指し、「衣料関連(7 品目)」「ホームケア関連
(16 品目)」「フェイス・ボディケア関連(10 品目)」「オーラルケア関連(6 品目)」「サニタリー関連(11 品目)」の 5 分野計
50 品目を対象とする。
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